妹が海外で働くらしい
妹が海外で3年間働くらしい。
中学校の教職員なので、日本人学校の教師になるようだが、行き先は家族にもいうなと言われているらしく、正式に人事発表があるまでは律儀に黙っている。期間は3年間でコロナ禍を考慮すると、下手したらその期間中は会えないかもしれない。
妹は3兄弟(私、妹、弟)の中でも一番生真面目で優等生なタイプだ。私と弟が入れ替わり立ち替わり親を困らせる中、妹だけは両親に逆らった事や不祥事を起こしたことはない。
小学生の時私と始めた進研ゼミもコツコツとこなしていた。私は3日坊主だっただけでなく、妹がコツコツ貯めたポイントで手に入れた携帯テレビを横取りして、深夜番組を見耽っていた。
受験生になっても塾などには行かず、日々の予習復習だけで第一希望に合格し、大学もまじめに通っていた。ちなみに私はサボりにサボって遊び回っていた。
大学の学祭でタピオカを茹でる係になった時も、間に合わないと泣きながら夜中黒い粒々を茹でていた。
そう、妹は「生真面目」過ぎるのだ。
私より体が小さく内向的だったので、小さい頃からイジメられないよう、私が守っていた(と私は思っている)。
ドッチボールをした時には、妹を馬鹿にした奴らは全員顔面セーフの刑にした。(顔面はセーフなので、外野に行けずひたすらボールを当てられるという刑)
上級生のガキ大将に泣かされた時は、私が報復して殴ってお弁当をひっくり返してやった。
妹がインフルエンザになって学校休んでしまって泣いている時は、学校から走って帰って妹を抱きしめて寝た。
本人はこういういい話より、私にイジメられた事ばかり覚えているようだが。
内向的だった彼女も、高校生の頃にはある程度社交性も身につけた。私が大勢と連んで遊ぶ一方、妹は小学校からの親友とずっと一緒にいた。浅く広くではなく、狭く深く。そのお陰で、親友が少ないがいて、今も交流があるようだ。
物凄くゆっくりだが、色んなものに興味を持ち、時間をかけて極めていく。堪え性がなく楽しい事しか出来ない私とは正反対の性格だ。
学生の時はカンボジアにボランティアに行ったり、大学内で視聴覚不自由な学生のためにノートを取るというバイトをしていたらしい。
新しい世界に飛び込む度胸みたいなものは、私は妹より持っていると思っていたのだが、どうやら妹は私よりもこの力があるようだ。
ガキ大将から守っていた妹が海外赴任で一人で生活するというのは、すごく心配だと思ってアタフタしているが、不安を感じているのは私だけなのかもしれない。
でも、やっぱり一人で海外は心細いだろうから、たまには連絡をとってあげようと思う。
そして、コロナの波を掻い潜って会いに行こうと思う。宿代とガイド代が浮く海外旅行のチャーンスだから(^^)