生活保護申請における水際作戦の手口と対策方法
某市福祉事務所での鉄壁な「水際作戦」が明るみになりました。
水際作戦とは、生活保護申請をさせないように対応することを指します。本来は「行政手続法第7条」により申請があればこれを拒否することはできず、また申請者側の「申請する権利」を侵害しているのですが、申請そのものをなかったように見せています。
水際作戦は以前から生活保護上で問題となっており、各福祉事務所で改善されてきたところですが、未だ撲滅には至っていない状況です。
正直、私の所属する福祉事務所ではありえない事態というか「都市伝説だろう」くらいに思っていたので、本当に水際作戦なんてやっている事務所があったことに驚いています。
そこで不適切な運用を行っている福祉事務所が存在するのを前提に、申請者側もその手口を知り、対策を講じる必要があると強く感じましたので、この記事を執筆します。
水際作戦の背景(考察)
各地方自治体の福祉事務所が、生活保護申請の不受理という「違法行為」をしてまで水際作戦をする理由は大きく2つ挙げられます。
財政的理由
人員的理由
①財政的理由
生活保護の費用は国が4分の3を負担し、残った4分の1を地方自治体が負担することになっています。この財源負担は重く、少なからず削減したいという動機あることは否めません。
さらに生活保護は国の制度であるため、地方自治体の福祉事務所は生活保護の実施に関しての裁量をほとんど持っていないため、必ず決められた額の支出が発生してしまいます。
②人員的理由
実は「生活保護80世帯につきケースワーカー1人」とする配置基準があります。しかし、地方公務員は財政的理由や若者に不人気の就職先となる傾向から、福祉事務所内の人員も不足している状況にあり、人手が足りていません。
一方で生活保護受給者はコロナ禍以降増加しています。結果として「生活保護80世帯につきケースワーカー1人」の基準を満たすことができず、煩雑な窓口対応になっているのではないかと考えられます。
生活困窮者相談は1件につき、1~2時間程要しますからね。
水際作戦の手口と対策
され、原因を考えたところで、生活困窮は解決しません。必要な人が適切に保護を受けられるよう「水際作戦」への対策を講じていきましょう。
①若い人は申請できません
「若いなら就職先なんていくらでもある」「両親はまだ働いているんじゃないか?」「頼れる友人はいないのか」と妨害してくるかもしれません。
⇒「申請に年齢は一切関係ありません」と切り返しましょう。
②健康な人は申請できません
「うつ病でもないのに生活保護?」「生活保護を受けても仕事してもらうよ」と迫ってくるかもしれません。。
⇒「申請に健康状態は一切関係ありません」と切り返しましょう。
③家族に面倒をみてもらってください
「家族で支え合いましょう」「家族へ連絡するけど良いの?」と高圧的な助言をしてくるかもしれません。
⇒「家族も自分の生活で精一杯です」と切り返しましょう。
④働ける人はハローワークへ行ってください
「働ける人の相談窓口はうちじゃないよ」「早く仕事探した方がいいよ」と追い返されるかもしれません。
⇒「採用されても給料日までの生活ができません」と切り返しましょう。
⑤家計簿を渡すので記入してから来てください
「1か月分の家計簿を書いてもらってから申請が必要かどうか判断する」と先延ばしにされるかもしれません。
⇒「申請前の調査には同意しません」と切り返しましょう。
⑥窓口が込み合っているので対応できません
「担当者が不在」「また後日にして」と追い返されるかもしれません。
⇒「今日は申請書だけ記入して帰ります」と切り返しましょう。
⑦あなたに申請書は渡しません
こんなこと言われるはずが…そんな性善説な前提は置いておきます。
⇒「申請する権利を侵害しています」と強く言い返しましょう。
最後に
水際作戦が不適切なのはもちろんですが、そうは言ってもどんな事情でも淡々と申請を受けるだけというのも好ましくありません。
生活困窮の相談なわけですから
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生活保護制度以外に頼れるものはないか
支援者としての視点で情報提供することも重要です。それが水際作戦という印象を与えればもともこもないのですが、、、
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