【逮捕】生活保護費154万円を不正受給/自称調理師の77歳男
また1人、生活保護の不正受給に手を染めてしまった方がいらっしゃいます…本当に残念でなりません。生活困窮者を救う制度でありながら、これを悪用した結果、逮捕された上に返還債務を負ってしまいました。
記事の要約
令和6年1月15日、京都府京丹後市の77歳男性を逮捕
平成31年2月〜令和3年1月の収入がないと虚偽の申告をしていた
調理師として7〜25万円/月の収入を得ていた
不正受給時の生活水準を試算
◆京丹後市在住の77歳男性の生活保護水準
生活扶助61,560円+住宅扶助36,000円(上限)=97,560円/月
◆不正受給額を加算
不正受給額は24ヶ月で154万5390円のため、1ヶ月あたり64,391円
→ 生活保護費97,560円+不正受給額64,391円=合計161,951円
なんと、75歳の高齢者の月収が16万円超という試算結果に…きちんと申告していれば、基礎控除により手元に残せたお金もあったでしょうに。
とても残念です。
不正を防ぐ仕組みがない
問題点として、生活保護には不正を防ぐ仕組みがないことを指摘します。
悪だくみを思いついてしまうことは誰にでもあり、ある意味で人間らしさなのではないでしょうか。しかし、そこから実行に移す前に、大抵のことには「防ぐ仕組み」という障壁が存在します。
例えば、コンビニで「万引きしよう」と思いついても、「あ、防犯カメラや他の客に見られているかも…」と冷静になります。未成年が「タバコや酒を買おう」と思いついても、通常は販売店が断ってくれます。自動車のスピード違反ですら「警察が取り締まっているかも…」と意識してしまうものです。
生活保護の不正受給にはこの障壁がありません。なぜなら受給者自身が「どうやったらバレるのか」を理解していないからです。だから虚偽の収入申告を長期間にわたって、繰り返し実行してしまうのです。
積み重なった不正がバレたのと同時に多額の負債を抱えてしまい、逮捕された後に後悔しても、もう遅いのです。
解決方法(理想論)
理想論ですが、解決方法としては収入情報のマイナンバーによる紐づけしかないのではないでしょうか。
収入を自ら申告しようと、しまいと、福祉事務所は把握している状態。収入が筒抜けであると思えば、虚偽の申告を実行する理由がなくなります。
あとは福祉事務所の把握している収入と、受給者の自己申告との答え合わせをすれば良いのです。
そうは言ってもマイナンバーは個人情報を自由に扱えないようになっているため、現実的には難しい話。しばらくは生活保護受給者の善意が試される日々が続きそうです。