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2週目
9/9
24:00、今家に帰ってきた。長い日だった。午前中にOPUS Officeに行き、証明写真を提出、宿泊費を払うために振込先の情報を教えてもらった。そのまま図書館で2時間ほどリーディングしてArtisan cafeへ。初めて違うカフェに来た。かなり良かった。クロワッサンとアメリカンを頼み、チェスをしながら1時間ほど過ごした。家に帰る途中で結局昨日行かなかったALDIに行き一キロの凍ったブロッコリーと6枚セットのピタを買った。夜、OPUSのグループのみんなでWoodstock Roadで行われていたお祭りに行った。昨日まで何もなかったのに気づいたら遊園地みたいになっててびっくり、置かれているアトラクションがかなり本格的で安全規格等がどうなっているのか気になった。その後残った数人、アイザイア, ジョセフ, コルトン, マリーでRoyal Oak pubへ。EXP?ETP?みたいなビールを飲んだ。井戸みたいな感じで手動のポンプを使ってビールを汲んでいておもろいやった、あじはそこまで。てかそもそもビール好きやない。最初は政治の話や経済の話をしていたが、最終的にみんなで恋バナしてた。やはり同年代の人とお酒が入ってする話は結局恋バナに行き着くみたい。ねるか。チェスもっと勉強したい、後ピアノ弾ける場所まだ見つけれてない。
9/11
二日ほど、死んでいた。おそらく急激な気温差で喉がやられたみたい。いや、厳密には今も体調は悪いが、活動を再開した。母に電話をし、小話の中で「一週間発ったね」と言われ、気づく。時間が経つのは早い。かなり寒くなってきている。気分を上げるために白のニットにおばあちゃんに買ってもらったコートを合わせ、イギリス紳士に負けないメンタルで家を出る。午前中にOPUS Officeに行き、出席の手続きをした。毎週水曜日あるらしい。家から25分ぐらい歩かないといけないから、かなり面倒。しょうがない、単位を落とすわけにはいかない。ちゃっちい紙に今日の日付と名前をサインし、すぐ隣のWest Gateというショッピングモール内にある図書館に行き本を読んだ。「Labor in Power」、内容は面白いけどなんにせよ読みずらい。一つか二つチャプターを読み、あとは未来の自分に任せた。一階に、公共のピアノがあったので一週間ぶりぐらいに弾いた。やはりピアノは良い、気づいたら45分ほどもピアノの前に座っていた。図書館をでて、いつものようにOlive Cafeにでも行こうかと思ったが、急な雨が降ってきたから、目の前にあったArt Cafeへ。ブルーベリースコーンと、ラテを頼んだ。ここではスコーンはジャムとクリーム(もしくはバター)をつけて食べるものらしく、どちらを最初に塗るかで派閥があるらしい。実にイギリスらしい。紅茶のミルクを先に入れるか後に入れるかの派閥があるみたいな話を聞いたこともあったなとふと思った。ちなみに私はバターを先に塗った。
9/13
朝の5時に起きた。先日にする予定だったリーディングは、面接の準備でできていなかった。早起きした分その時間をリーディングに当てた。8時に家を出て、46分歩いて教授の家に到着。今日は最初のGrope Tutorialの日。オックスフォードでは、チュートリアル制度というものを用いて教育を行っているらしく、簡単にいうと週に一回、教授と1対1で1時間半みっちり議論を行うというもの。その議論のために一週間かけて準備をするのだ。実際にアサインされていたリーディングは14冊であったが、じっさいに読破したのは正直に言って5冊にも満たない。教授の家に向かう足は緊張と興奮で空回っていた。実際に教授、Dr. ホームズの家についてドアをノックする、迎え入れてくれたのは初老のおじいさん。上下水色のセットアップを着こなしており、ひょろっと長い。「OPUSの生徒かい?ずいぶんとはやくにきてくれたね!たのしみにしていたよ!!」全ての文末にエクスクラメーションマークがついているのではないかと思うほどものすごくエナジェリックでパッションに溢れた人だ。そしてこれまで会ってきた誰よりもブリティッシュアクセントが強い。中に入ると、まず目に入ったのが大量の本。八畳ほど一室を全て埋め尽くすほどの膨大な量の本があった。ふんわりとしたソファーに導かれ、腰を下ろす。猫のクッションが四つもある。周りを見ると他にも猫に関連しているものがたくさんある。そんなことに思いを馳せているとDr. ホームズから早速ディスカッションを行おうと現実に引き戻される。Dr. ホームズの知識量は底知れない。活字を読んできた数がその人の知識量であるとはよく言ったものである。私は確信を持ってこの部屋にある本全てをDr. ホームズが網羅していると断言する。どのような質問であっても、一瞬のためらいもなく200%以上のInsightsに富んだアンサーをくれる。1時間半をどのようにして乗り切ろうかととビビっていた私はなんだったんだろうと思うほど時間はあっという間に過ぎてしまった。たった1時間半なのに、まるで自分がこのお題に対して専門家になったのではないかと思うぐらい深く、そして何より面白く学ぶことができた。貴重な体験である。帰りに猫のことを聞いたら、大の愛猫家だそう。次回の授業で猫の写真を見せてもらおうかクラスメイトとお話をしながら帰宅途中、カフェでお話をしようとのことで行きしなにみつけていたカフェによる。アーモンドクロワッサンとアメリカン。なんか毎回クロワッサン食べてる気がする。美味しかった。帰宅したのち、くしゃみの原因と思われるシーツの洗濯、洗濯を回している間にALDIへ向かい鶏胸肉1.5kgとブロッコリー1kg、バタチキ、なんとか、タンドリチキの三つの味を買い、それらを調理して一週間分の料理を作った。とりあえず授業を終えた安心感と、また新たな課題が課されている事実と向き合いながら、今日の残り時間はのんびり動画でもみながらチェスでもしようかな。
9/14
カフェの店員が客と政治について昼間っから熱く議論を交わしている。金利がどーだ、移民があーだなどと30分以上も話している。店長に怒られないのかなと他人ごとのようにぼんやりと眺めながら手元にある「THATCHERISM」(Blitish politicsの宿題で出されていた本)に視線を戻す。今日は精神的にも、時間的にも余裕がある日。午前中にあったOxford Walking Tourはただぶらぶらと街を歩き回りながら、ガイドさんお話を聞くという普段の私なら絶対にアテンドしないイベントであったが、面接も授業も終えた私は無敵である。ついこの前オックスフォードの学士号を取得したというドイツ人の物理学専攻のメガネをかけた男性がツアーガイドだった。趣味でガイドを行っているという。もともと訪れる予定だったCollegeは残念ながら今日は空いていなかったらしく、本当にただ街を歩くだけのツアーだったが、至る所にある小さな歴史を拾って彼自身の大学在学中のエピソードを付け加えながら紹介し続けてくれたおかげで全くもって退屈にならないお散歩だった。グループの他の子達はお昼ご飯を食べにイタリアンのお店に行くと言っていたが、私はどうもそのような気分ではなかったためThe Covered Market(小さなお店がたくさん入っている商店街のようなところ)を探索しにいった。シエラが私についてきてくれた。二人でぶらぶらとマーケットを歩いていると、彼女はどこからかハムとチーズのパニーニを手に入れ、どっかの公園で本でも読みながら時間を過ごすとのこと。私も本を持ってきていたので、どこかカフェでも入ってのんびり本でも読もうと決めた。行く当てもなくただまっすぐ進んでいるとここの前美味しいスコーンを食べたArt Cafeが目に入る。あそこはWifiもついていることを思い出し、半日を過ごす場所を決めた。すでにスコーンの舌の私は迷わずスコーンと紅茶のセットを注文。今までで一番イギリスらしいことをしている気がする。3時にスコーンと紅茶。自分へのご褒美。3階の隅っこの窓際の席に座り、注文を待っていると、先にいた客の注文を届けにきた店員が初老のおじさまに話しかけられ、会話を始めた。
9/15
昨日の夜はアメリカの大学にいた頃を思い出すような夜だった。今ぐらいの時期は、毎週土曜日にプレミアリーグの試合が行われているらしい。昨日も例外ではなかった。グループメイトの一人はわざわざBurminghamの現地まで試合を見に行ったそうだ。私は地元のパブで現地の人とサッカー観戦をするために街に繰り出した。いや、フットボール観戦をするためにと言った方がこっちでは正しいのかも。同じハウスのマリーと、行きしなにシエラを拾って街の中央へ向かう。コルトンがW-cafeの前で待っているとのこと、ゲームが始まるのが20時からなので、それまでに観戦ができるパブを探そうと決まった目的地もなくぶらぶらと街を散策。もっと熱狂しているものかと思っていたが街は案外静かだ。それぞれのチュートリアルの感想を言い合いながら歩いていると、20時を少し過ぎた頃に叫び声のような大きな怒鳴り声を聞く。声をたどっていくと人で溢れているパブを発見、いくつものスクリーンでチェルシー vs. ボーンマスの試合をライブ中継している。全員が顔を見合わせ、今夜を過ごす場所はここに決まりだと言わんばかりに言葉もかわさずIDチェックの列に並んだ。中に入ると思っていたよりも広く、まだ夜も早いからかそこまで混んでいる感じでもなかった。pre-game(パーティーや飲み会に行く前に先に飲んでから行くこと)をしていなかったので、まずは四人でショットをとってからそれぞれ頼んだドリンクを片手にスクリーンの前に移動した。コルトンが隣にいた男の子に声をかけた。まだ高校を卒業したばかりの子らしく、今日は友達と一緒にチェルシーの応援をしにきたそうだ。彼らとなんでこんな場所にいるのかや何を学んでいるのかなど、いわゆるIce break talk(お互いのこと知って仲良くなろうぜ的な)をしながらスクリーンの中のプレイヤーにヤジを飛ばす。アイザイア, ブライアン, ソフィアが遅れて合流、彼らはここに来る前に違うパブでプリゲームをしてきてからきたそうだ。試合も終わり、気づいたら歩くのすら困難なぐらいパブの中が人で溢れかえっていた。3杯目のvodka soda片手にみんなでダンスフロアでしばらく踊ったあと、マリーとシエラがどこからか連れてきた二人組の少し年上?の女性方と二件目に移動。まだ時刻は22時を回ったばかりだ。二つ目のパブはもっと年齢層が高めな落ち着いた雰囲気。お酒片手にしっぽりとおはなしをした。聞くと、彼女たちは マンチェスターで小学校の先生をしているそうだ。私たちはオックスフォード大学で学ぶためにここにきた伝えると”You all so clever”と回ってない舌で何度も繰り返していた。23:45分ごろ、シャノンがBirminghamから合流、ソフィアとブラインが入れ替わりでいなくなり最後に向かったパブはOXO Pub。年齢層はここが一番若かったと思う、それにどこよりも混んでいた。one in one out(誰か出ないと入れない)で入店制限をしないといけないほど人で溢れていた。待っているときにMaryが「アメリカではcleverは地頭が良いみたいな意味だけどここではsmartみたいなコンテクストで使うんだね」と言ってたのがやけに記憶に残っている。中でかかっている音楽、年齢層、何から何までまんまアメリカの大学でいやというほど見てきたパーティーそのままだった。日付けが変わるまでずっと踊っていた。帰り道、街の中にシェアハウスがあるIsaiah, Colton, Shannonたちと別れ、一緒にきた三人で家に戻る、マリーが「みんなでレンタルバイクしてかえりたい」と言う。いつの間にかアプリまでダウンロードしてやる気満々だ。危ないからまた今度ねとシエラと一緒に大笑いしながら引っ張って家に帰った。とても楽しい夜だった。起きたのは4時、あまりにも喉が渇いて日も開けてない頃に目が覚めた。そういえば水を飲んでいなかったなと思い返しながらハウスメイトを起こさないよう静かに一階に向かう。水を飲んでもう一度寝ようと横になったがなかなか寝付けねかったのでチェスをしていた。頃くそうしていたら日も開けたので水分しか入っていない胃袋にオレンジをぶち込み、お母さんに電話をかけた。知らないうちに二度寝をしていた。目が覚めると14時になっていたので、本を片手に少し散歩にでもでかけようかと思う。