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地面師たち(Netflix)について語りたい

近頃、話題になっている「地面師たち」について語らせてほしい。
鑑賞し終えて誰かに話したくて仕方なくなったのだ。

すでに各所で話は出ていると思うが、あくまで評論家でもない素人の一意見であり、解釈違いのところもあるかもしれないが温かく読んでもらえるとありがたい。

そしてこの記事を読んで、地面師たちの魅力が伝わり興味を持ってもらえれば嬉しい。
(決してNetflixの回し者ではなく、これを観るために一ヶ月だけ入会した)



【あらすじ】


ハリソン山中率いる不動産の詐欺集団、地面師たちの次のターゲットは地価100億円の土地。

地面師たちを追う警察と地面師と不動産会社が土地の売買を巡って戦いを繰り広げる。

最後に笑うのは誰だ。



【豪華キャストとスケールの大きさ】

ベテランで実力派の錚々たるメンバーで圧巻の演技。

映像美、精巧に作り込まれた本物さながらの資料や寺や不動産会社に至るまでスケールの大きさ、爆破などスリリングなシーンも見どころ。

【作品のジャンルについて】


自分はホラー映画を片っ端から見ていく趣味があり、B級ものやゾンビ、サイコスリラー、邦画、悪魔やクリーチャーものスプラッター何でもござれだ。

こういうものを求めていた。

妖しくも美しい。どこかで感じたこの感じ。

そう、「ジョーカー」や「悪の教典」のこの感じ。「ジョーカー」を観て惹かれた方は多いだろう。
内容は長くなるので割愛させてもらいたいが、どちらも名作なので是非鑑賞してほしい。

猟奇的な中に音楽や演出、カメラのアングルからしてお洒落だなぁとため息が漏れる。本当にいちいちお洒落なのだ。

ジャンルを絞るのは難しいがサスペンスといえばサスペンスかもしれないし、アクションや刑事もの、ミステリーやホラーとも言えない。

【地面師たちのカッコよさに痺れる】


それぞれのビジュアルのよさは勿論のこと、決して誰も食い合わない。それぞれの魅力については下で後ほど、語らせてもらいたい。

【怖いシーンはあるのか】


著者自身は正直、ヤクザものは得意ではない。

裏社会の話のため、ヤクザやマフィア的な要素が出てくる。

しかし、ヤクザものが苦手な人でもグロ耐性がない人でも、殆どそういうシーンは出てこないので、このシーン怪しいなと思えば飛ばしてもらえば大丈夫だ。

魅力は尽きないが今から観る方に言っておきたいのは、気品をところどころに感じる。

CMや予告で敬遠されている方は是非、一話見てみてほしい。

そして、これは次の項目で話していきたいのだが、これはただの裏社会の話ではない。

殴れば力技で勝てるわけじゃない。もっとクレバーな戦い方をしている。

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【巧妙な手口と地面師だけじゃない面白いポイント】


皆さんご存知の通り、地面師というのは不動産の売買を巡る詐欺集団であり、それぞれ各人に役割がある。
詳しくは本作品の冒頭で説明が入る。

巧妙な仕掛けとそれぞれの思惑が交錯する。
地面師と警察と不動産会社の三つ巴の戦いだ。

地面師の巧妙な手口に舌を巻く。
コンフィデンスマンJPが好きな人はきっと好きだろう。

地面師たちの活躍は勿論だが、地面師に欠かせないのが購入する不動産会社側だ。

彼らなしでは語れない。
彼らも必死なわけで、そう簡単に地面師に騙されるわけにもいかない。
はなから疑っていた訳では無いが、不動産会社側にも購入までの手順があり、ちゃんと対策があってのこと。

面白いのが不動産会社が取引するまでの準備や葛藤などが見られる。
社内会議や社内決裁、そして抱えているトラブルや上司部下の関係など一筋縄ではいかない。

騙される方が不憫なのはそうだが、コメディチックで面白くなってくる。

この話の中で個人的に好きなところは、地面師たちが全て上手くいく訳では無いってところだ。

時にはヘマをやらかすところがリアルであり、地面師とバレるのではないかという緊張感がある。
時には計画が台無しになっても、上手くやり抜く。

サスペンスのような、そして、時には視聴者も欺き置いていく。

予告などを見てもらえると、あの強者感のある地面師たちが時には焦って顔を見合わせている感じでクスッと笑えるところが傑作だなぁと。



【キャストについて】


監督や関係各所に感謝と敬意を表したい。
キャスティングの良さがこの物語を組み立てている。

鑑賞後、この作品の全てのキャラクターが好きになった。

まず、前提としてやっぱり各キャラクターが愛されるものでなくてはいけない。
悪者や犯罪者が主役であれば、好感を持つのは難しい。

皆が嫌悪して視聴者が共感や親近感を抱けなければ、モヤモヤと苛立ちが募る。

好きなアニメを鑑賞していると、どうしても許せないキャラがいると、そいつが活躍しても嬉しくない。
憎めない愛すべき敵(ヴィラン)であればどうだろうか。

バットマンの敵であるハーレークイーンやジョーカー、ハリー・ポッターのドラコ・マルフォイなど。

犯罪者は犯罪者なのだが、どこか憎めない。

僭越ながら一人ずつ紹介させていただくとする。

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【キャラクターの魅力と紹介】

  • 豊川悦司さん演じる【ハリソン山中】

このチームのボスとも言える存在。
あくまで不動産会社などと接触したり交渉するのは辻本達で、基本的には現場には向かわず、本部で指示役をしている。

チームの絶対的なボスであって、彼には逆らえない支配力と圧が存在感を出している。

渋くて男前な俳優はいくらでもいる。
しかし、豊川さんでなくてはいけない。

強者感と怖さの中にある気品が見える。ビジュアルがいいのは勿論だが、気品溢れる仕草と服と装飾品。

そして柔らかで渋い声とゆっくりとした敬語の話し方が和ませるようでいて、狂気を感じる。

何度見てもドキッとさせられる。出演者の皆さんも言っていたが、あの圧の前では本当に竦んでしまう。

  • 綾野剛さん演じる【辻本拓海】

本作品の主役であり、個人的には一番気に入っている。

交渉役の拓海は眼鏡をつけて敬語で仕草からして弱々しく見えるが、実は影のリーダーで皆を統率しているように思えた。

年上であろうとメンバーを上手く立ち回らせている。

彼なしではこのチームはやっていけていなかっただろう。

瞬時の機転が利き、意思や行動は強い。
穏やかでメンバーや他人にかなり優しく物腰は柔らかいのに、人を動かせられる。

彼の真面目そうな見た目に不釣り合いな黒い面にドキドキする。

このストーリーの主軸に彼がいることは間違いないが、それだけではない。
彼の優しさや聡明さとその中にある苦悩を味わってほしい。

  • 北村一輝さん演じる【竹下】

自分の個人的に俳優としてのイチオシというかファンなのは北村一輝さんなのだが、そこは抜きにして話していきたい。

演技が上手いのは言うまでもないが、この歳にして深みとチンピラの下っ端さ。
服装が毎回変わってくるのだが、ジャージやチラッと目に入るガラの悪いアクセサリーや時計、ブランド物。

丁度いい雑魚感と沸点の低さ。
そして唯一の弟子がいる親分的なキャスティング。
柄の悪さも良い顔と声が帳消しにしている。

彼は情報屋で出番としては少なく、交渉の場には出てこないが、出てきたシーンでは、その場の空気感が変わるのが分かる。
自分としてもテンションが上がる。

  • 小池栄子さんが演じる【麗子】

麗子は決して媚びる女ではないが、彼女の美貌と、ところどころチャーミングで完璧ではないところがまた好きになってしまう。

不動産の持ち主のなりすまし役を探してくる手配師の麗子は、演技派で人に取り入るのが上手い。

麗子の演技を見ている後藤と竹下の表情がとてもいい。

紅一点の麗子は他の誰にも負けず、強く聡明でありながら、優しさも合わせ持っているところにも注目してほしい。

  • ピエール瀧さん演じる【後藤】

見た目も含めてピエールさんを起用してくれて感謝しかない。

地面師の中で一番キャラが濃く印象に残っている。
彼を関西弁にさせたのは天才だ。
法律家という立場で売買の仲介で重要な役なのだが、関西弁が癖になる。

人を無意識に煽る性格と、あの胡散臭さ全開で売買契約を行っているところを見れば思わず笑みが溢れてしまうのだ。

後藤がいることによる安心感があって、ピンチに陥ったときや雰囲気が悪い時に、この場面で喋ってくれと願ってしまう。

ある意味人間臭くてよい性格の男で、欲望に忠実で明確な悪意を持っていないように思える。
見ていくと段々と後藤のことが好きになってくる。

不動産会社側のタジタジと圧される感じといったら。
綺麗にスーツで決めた後藤が出てくるとニヤニヤしてしまうのは何故だろう。

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  • 【その他のキャスト】

不動産会社の部長である青柳役の山本耕史さんについて。とても面白かった。

これは山本耕史さんでなくてはいけない。
真剣であればあるほど面白く見えてくる。

山本耕史さんは優しい人の役も出来るが、どこか高慢で泥臭さがない、上品さの兼ね備えた役が上手い。

叩き上げというよりは、昔から裕福な家に生まれて、順風満帆な人生を送ってきたという感じ。

青柳の真面目さが空回って、パワハラ気質の役だが、味方につけると強い頼れる上司で解釈一致だった。

他にもリリー・フランキーマキタスポーツアントニーが出演されていて、見た瞬間にあっこれ、こういう作品に出る人だと気付かされる。

あれ、この人悪役じゃないの?みたいな。

染谷さんも出演されていて、彼にしか出せない味がある。

染谷さん演じるニンベン師の長井は程よい緩さと、いかにも引きこもっていて機械系や偽装の免許証やパスポートの作成などを得意としており、弟弟子的な可愛さがある。

拓海としか接触していないが、拓海が唯一友達のように接していて、拓海のことを拓海くんって呼んでいるところとか、猫を飼ってるところがかわいい。

ニトリのNウォームの俳優さんや鶴瓶師匠のご子息の駿河太郎さんも出てくるので探してみてください。

総じて素晴らしい配役でした。


【最後に】

作品の始めのナレーションは山田孝之さんで劇中の音楽はピエール瀧さんと電気グルーヴの石野卓球さんが作っており、脚本はそれぞれの俳優が当て書きされていたと明かされた。

YouTubeのNetflix公式に4人の「アフタートーク」があるので、そちらもよければ観てみてほしい。

完成報告会や本作とは違い、和気藹々と楽しそうにトークをしていて和む。

作品の裏話やそれぞれの演技へのこだわり、鑑賞後にこちらを見ればより作品が楽しめ、見返したくなった。

ネタバレが多いので鑑賞前はご注意を。

ここまで「地面師たち」について語らせて頂いたが、簡潔にまとめると、是非鑑賞してほしいということだ。

長文失礼しました。
ご清聴ありがとうございました。

またよければ、自分の記事や小説を読みに立ち寄って頂ければ嬉しいです。

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