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靴選びに手こずる話
先日、自問自答ファッション通信の秋谷麻美さんによる、自問自答ファッション講座を受けた記事を立て続けに書いた。
そこで分かったのは、私って『なりたい姿』に近付く為の服装が『似合うもの』と結構被っていて、しかもそれが『好きなもの』とも被っているという何ともラッキーな人種であるということだ。
ただ、それらの服って『勤務先』『職種』を考えるとちょっとだけ恰好良いというか、シュッとしているというか(伝われ)。
私はちょっと大きめの病院で、看護補助をしている。介護職とも呼ばれているが、院内での位置付けは極めて低い。医師達からは『この人達何か役割あるの?』程度に思われているだろう。挨拶しても無視されることが多々ある。
私は高校を出てから何度か転職をしているが、ここまで見下される仕事って初めてだ。しかし、周りとの関係性がそこそこ良好であることや、給料も悪くない(夜勤をガンガン入れれば)ということ、何よりも医療の現場に少しでも関わっていくという目的を果たす為数年頑張ってきた。
仕事をこなすだけではなく、いくつか資格も取ったし、研修にも行った。
社会福祉士になるという目標を果たし、これからどうするか、周りと話を詰めているところだ。
転職か異動か、少なくとも今の仕事を来年まで続けるつもりはない。
介護職として勤務するようになってから通勤は私服なのだけれど、私は何となく『カジュアル』で、でも『そこそこ無難』な服を選んできた。
それは自分にはそういうものが似合うから、気分が上がるからという理由ではなく、偏に仕事に行く為に楽でそれなりにちゃんとしている感じが出ていればいいやという理由からだった。
そう、機能性とTPO。そこにパーソナルカラーや骨格、顔のタイプも考慮はしているものの、自分の心が潤うような、堂々とできるような……といった、メンタル面への配慮は無かった。
サマーに似合うと言われるグレーを着ても、別に楽しくない。
骨格ストレートに似合うと言われる五分袖を着ても、全く華やいだ気持ちにならない。
上述したように私は似合うものと好きなものが概ね合致している。そんな私でも『似合う』が必ずしも『好き』とは限らないし、気分が上がるわけでもないのだ。ファッションは本当に奥深い世界なのだなあ……。
と、ここまで語っておきながら、私は服よりも悩んでいるものがある。
靴。
秋谷さんのこの記事の中に、keynoteに気になる物のスクショを貼っていき、リストを作る内容の記述がある。私も真似したいな……とずっと思っていた。
amazonだのZOZOTOWNだの、楽天だのにお気に入りリストを作っている私、大体がこれらの存在を忘れてしまい、「何が欲しかったんだっけ?」と呟く羽目になっている。
この記事を読んでずっとリスト作りに惹かれていた私は、最も疎かにしていた靴、それも毎日履く通勤用の靴のリストを作ってみた。
挙げた条件は
・黒
・きちんとして見える
・華美でないもの
・パンツにもスカートにも合う
・足に合う
これだけ。これまでの靴選びとそこまで大きく変わらないが、以前と違うのか『紐靴は除く』ということ。
何せズボラなので、紐を結び直すことが大きなストレスになる。
面白いのが、私は最初『黒』『スリッポン』で検索していたはずなのだが、蓋を開けると気になった物がほとんどがローファーだったということだ。
似たようなレースアップシューズならある。私の足にも合ってくれて、艶があるからきちんとして見える。そしてフラットヒール。紐さえほどけなきゃほぼ完璧だったのに。
通勤に使っているのは、GUのキャンバススニーカー。毎日のように紐がほどけるので毎日イライラしている。しかも最近、穴が開き始めた。まだ大丈夫だけれど、何を置いてもまず靴を買うことが火急の任務だ。
自分が通勤靴に求める要素が整理出来、かつ好きな感じも掴んだところで、次は最も大事な『足に合うか否か』の確認。これは実物と対峙しないことには分かりようがないので……大きめの靴屋に行って試着しまくるか、いくつか取り寄せて家で試着か。いずれにしても、靴一足の為に一日潰す覚悟で臨んだ方が良いだろう。
沢山の靴の画像を見ていて感じたのは、やはり私はそれなりにきちんとした印象を持つ人間でいたいのだなということ。
スーツにヒールまではいかなくてもいい。
ジャケットにカットソー、デニムにローファー。
カーディガンにシャツ、センタープレスのパンツにスリッポン。
ガチガチのビジネスファッションではなく、ちょっとだけ緩めたきちんとスタイルがいいのだ。
今の職場の同僚達が着ているような、オーバーサイズやスポーティーやらは私には全然似合わないし、楽しくない。これまでは何となく、周りも着ているから合わせた方が良いのかなと思っていたけれど(着てはいない)、考えてみれば職場では制服なのだから、別に私服は楽しんだって良いのだ。介護職がかちっとした服をして行ったって、きっと誰も何とも言わない。
44年の人生の中で、ここまで靴や服に対して情熱を燃やしたことはなかった。
靴に求めていたのは無難な色であること、足にあうこと、プレーンな形であること。靴で気分を上げようなんて考えたことがなかった。
どれだけ服を似合うもので揃えても、靴との相性が悪く感じられたのはこういう理由だったのだな……と、今更ながら腑に落ちた。
傷んだ靴の代わりだからなるべく早く手に入れたい。そして予算は少ない。
妥協するだろうけれど、少なくともこれまでのように「黒のスニーカー!安い!君に決めた!」という決め方はせずに済みそうだ。