この夏、実はアリと格闘した
台所に一匹のアリを発見してから、彼らの勢いは凄まじかった。
ただ、隊列をなしてやって来るわけではなく、何処からともなくやって来る。
そして、甘い物だけが目当てでは無い。体に良いと思われる様な物に、あっと言う間に集まっている。お菓子ではなく、果物といった感じに。
砂糖も、グラニュー糖や上白糖には来ない。しかし、洗双糖や島ザラメなどミネラルの含まれるものにはやって来る。
あと、タンパク質。ハムなども、市販のリン酸などが多いものには来ないけれど…無添加ベーコンなどにはやって来る。あと肉…
タンパク質なのに…
何だか怖くなった。
アリとはいえ頭がいいような気がして、怖くなった。
?!何処から?
本当に何処から?なのだ。
小さいので、悪いけど一匹一匹潰してしまうといなくなる。もうそこにはいない。
しかし、本当に台所は油断がならず、お皿の上にもやって来る。それもどこから?といった調子だ。質のいい菜種油等にもやって来る。
何なのだろう。
徹底的に戦いながら、もし私が死んで屍となったなら、この小さなアリにやられるのだろうか?と思った。
その時、この家はどうだろうか?
家は残っても、私の顔にはアリがやって来るのだろうか?アリがやってきたならば、私は土へ帰るだろうか?
じゃぁ土へ帰らないうちの建物は、どうなるのだろうか?
そう考えたとき、土に帰るモノがいいなと思った。土へ帰らなければ、古びてずっと建って居なければならない。それは何となく嫌だなと思った。長崎の一時期は栄華を誇った軍艦島のように…
そうすると建物も土へ帰る素材で建てておきたいなぁと思った。時間がかかっても腐ちて土へ帰ればそれでいい。
人生半世紀を過ぎて来ると、形なく綺麗に終わりたいなんてことを考える。
何なら大好きな桜の木の下に眠りたいと、勝手なことを考える。
この夏、アリと格闘することで余計にそんな自分の最期を想像したりした。
果たして…私はどこへ帰るのだろう。
読んで下さりありがとうございます❤️
2021.10.10