「音ゲー」はセガの登録商標ではない
概要
「音ゲー」はセガの登録商標ではありません。
過去にセガの登録商標であったこともありません。
Q. 本当にそのような誤解があるのですか?
A. あります。一例としてtwitter検索を示します。
「音ゲー」がセガの登録商標ではないとする根拠
(1) 特許庁の特許情報プラットフォームJ-PlatPatで検索することで、そのような商標が登録されていないことを確認できる(後述)。
(2) 「『音ゲー』の商標」としてしばしば持ち出される商標登録第4373817号は、「音ゲー」の商標ではない。
誤解が蔓延した原因と対策
あくまで推定ですが、以下の2点が主要因であると考えます。
(1) 「憶測や根拠のない伝聞をさも事実であるかのように語る」「ゲーム会社の失態を笑いものにすること、ゲーム会社を悪者であるかのように扱うことが面白い」「面白ければその根拠は全くの憶測でも構わない」といった幼稚な価値観が、高年齢層を含めて界隈に広くはびこっている。
(2) 商標が存在するかどうかの調査方法が知られていない。
上記(1)については手を施せませんが、(2)については調査方法の周知により部分的に対策可能であると考えます。次項で示します。
商標の検索方法
商標は特許庁の関連機関である工業所有権情報・研修館が運営するサイトJ-PlatPatから検索できます。以下に検索方法を示します(画像はPC版)。
(1) J-PlatPatに飛びます。
(2) 右上の「MENU」から、「商標」 → 「商標検索」を選びます。
(3) 検索キーワードを入力します。キーワードそのものならば「商標(検索用)」、読み方で検索したければ「称呼(単純文字列検索)」に入力します。下の例では「商標(検索用)」に「音ゲー」を入力しています。
(4) 過去に存在した商標も検索対象としたい場合、「詳細オプション」から「ステータス」を「全て」にチェックします。
(5) 検索ボタンを押します。1件が引っかかりましたが、この商標登録第4373817号はセガの音楽ゲーム「音ゲーモグラッパー」のロゴの図形商標であって、「音ゲー」の商標ではありません。従って「音ゲー」の登録商標は存在せず、過去に存在したこともないと言えます。
なお「称呼」欄に「オンゲー」「オトゲー」という記載がありますが、「称呼」欄は商標として保護される文字列を示すものではありません。単に参考とされる読み仮名を記載した欄です。
流布している誤解に対する指摘のまとめ
「音ゲー」はセガの登録商標である → 誤り。
「音ゲー」は過去にセガの登録商標であった → 誤り。
「音ゲー」はセガの登録商標なので、セガ社以外の作品は「音ゲー」と呼べない → 誤り。
セガが「音ゲー」を商標登録したので仕方なくコナミは「BEMANI」ブランドを使っている → 誤り。
セガが「音ゲー」を商標登録したので仕方なく他社は「音楽ゲーム」「リズムゲーム」等の表現を使っている → 誤り。
「音ゲー」はセガの登録商標なので、セガ以外の音楽ゲームのプレイヤーは「音ゲーマー」ではない → 誤り。