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知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ - 感想・引用

著者プロフィール: 苅谷剛彦
1955年、東京都に生まれる。東京大学大学院教育学研究科修士課程を修了後、ノースウエスタン大学大学院博士課程を修了、社会学博士。ノースウエスタン大学大学院客員講師、放送教育開発センター助教授を経て、東京大学大学院教育学研究科教授。
著書には『大衆教育社会のゆくえ』(中公新書)、『変わるニッポンの大学』(玉川大学出版部)、『学校って何だろう』(講談社)などがある。

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫) Kindle版

今回の記事は、情報を正確に読みとる力、ものごとの筋道を追う力、受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力など、思考力を鍛えるための名著です。

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。

感想

  • 大学1、2年生向けの本。

  • 著者と対等な立場に立つ。鵜呑みにしない。肩書などは関係無い。

  • 一番は視野を広げるという意識を持たされるきっかけになる良い本だと思った。

  • 本の読み方を改めて考え直すきっかけになると思った。

  • 創造的読書で思考を鍛える。考えるために書いてみる。問いを立てる、見直す、

  • 関係論の中で見直すというのは、他の要因を探すということ。

  • 複眼思考というのは、T字っぽいの横っぽい。広さを求めるという点で。

  • Whyを求めるというところは、T字の縦っぽい。深さを求めるという点で。

引用

自分でわからないことにぶつかると、勉強不足・知識不足だと感じてしまうのです。

世界のことすべてを説明してくれる大正解がある。それを求める態度からは、ものごとには多様な側面があること、見る視点によって、その多様な側面が違って見えることは認めがたいでしょう。唯一の正解というひとつの視点からものごとをとらえようとするからです。そうした正解を求める態度は、複眼思考とは対極にある考えかたといってもよいでしょう。

複眼思考とは、ありきたりの常識や紋切り型の考えかたにとらわれずに、ものごとを考えていく方法のこと。

それでも本でなければ得られないものは何か。それは、知識の獲得の過程を通じて、じっくり考える機会を得ることにある──つまり、考える力を養うための情報や知識との格闘の時間を与えてくれるということだと私は思います。

知識受容型から知識創造型に変わるためには、どうしても考えるための批判的な本の読みかたが重要になってくるのです。

書き手の論理の進めかたを、他の可能性も含めて検討していく。つまり、対等な立場に立って、本の著者の考える筋道を追体験することで、自分の思考力を強化しようというのが、批判的読書の方法です。

1. 著者と対等になって文章を読む。書かれたものを不動の完成品だとは思わない。
2. 批判的に読書するためには二〇のチェックポイントがある。
3. その中でも重要なチェックポイントとして以下の四つをあげることができる。(1)著者を簡単には信用しないこと(2)著者のねらいをつかむこと(3)論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと(4)著者の前提を探り出し、疑うこと

科学的な思考には、原因と結果の関係を確定するための三つの原則があるといいます。
• 原因の時間的先行
• 共変関係
• 他の条件の同一性

1. なぜ、という問いは、考えることを誘発する。
2. なぜを問う「因果関係」を確定するには、三つの原則がある。中でも、第三の原則(他の条件の同一性)が重要。
3. 原因だと思われている要因が、じつはあまり重要でない場合(疑似相関)に着目する。そのためには、原因以外の要因が影響を及ぼしていないかどうかに目を向ける。他の社会や組織、違う時代との比較が有効なヒントを与えてくれることがある。

1. 目の前の問題(事象)は、どのような要因(要素)の複合かを考える(=分解)。
2. それぞれの要因の間にはどのような関係があるのかを考える(=相互作用の抽出)。
3. そうした要因の複合の中で、問題としていることがらがどのような位置を占めているのかを考える(=全体の文脈への位置づけ)。

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また、この本のトップハイライトは以下のリンクよりご覧ください。

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