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アマテラスの暗号 - 感想・引用

著者プロフィール: 伊勢谷 武
スウィンバーン大学(メルボルン)卒業後、ゴールドマン・サックスのデリバティブ・トレーダーを経て、1996年に投資家情報関連の会社を設立。現在代表取締役。『アマテラスの暗号』で出版デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

アマテラスの暗号 〈歴史ミステリー小説〉 Kindle版

今回の記事は、神道とはなにか?天皇家の正統性とは?日本人はどこからきたのか?といった古代史の謎に挑んだ本です。

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。

感想

  • トインビーを思い出した。

    • これまで世界の歴史のなかで、十二歳までに自民族の神話を教えることを止めた民族は、すべて百年以内に消滅した。

  • チェスタートンのフェンスという話を思い出した。

  • 日ユ同祖論に興味があったので、面白かった。

    • 実はスコットランド人が明治期に書いた本が元になっているというのが意外だった。

    • 遺伝子やルートなど、わからないところもあるので、何とも言えないけど、実はユダヤ人が日本人の形成に関わっているのは面白い。

  • 日本の伝統的な価値観の形成など面白い点はあった。

    • 右翼の人が好きそうな話ではあった。

引用

ヨーロッパや大陸で民族間や国家間の紛争を繰り返してきた奴らは知っていたんだ。どうすれば戦わずに自分たちが優位になるかを。どうすれば敵が腰抜けになり、飼い犬のように従順になるかを。──歴史を否定させて忘れさせること。そして、伝統や文化を引き剥がし消し去ることをだ。

二十世紀の知の巨人であり神話学の世界的権威でもあるレヴィ=ストロースをして、〝世界の神話はほとんど歴史との連続性がないが、唯一、日本神話だけは歴史と結びつき、神話から歴史への移行は巧妙〟といわしめた、日本人の起源と心の拠り所をだ。

これまで世界の歴史のなかで、十二歳までに自民族の神話を教えることを止めた民族は、すべて百年以内に消滅した

長い歴史のなかで、人間が理性によって首尾一貫した倫理や道徳や正義の体系を意図的に創造したことは一度もないし、これからもできないことを」

「だから彼らには気づくチャンスさえないんです。自分たちの社会のなかでの営みが、誰が、いつ、どこで、何の理由でつくったかさえわからない、日本社会の秩序、規範、倫理、日本人が持つ道徳感や正義感から、どれだけ莫大な恩恵を受けているのかということを。だから彼らには謙虚になって感謝を捧げる機会さえないんです」

人間が、道徳や倫理や正義を創造したり検証したりすることなど、そもそもできるはずもない。理性は文明そのものを意図的に創造できないし、その価値体系も結果が与えた知識で、むしろ我々の理性の前提だからだ。将来を予見できない人間にできるのは、自分たちの伝統や社会や行動のなかに発見することだけだ。

この記事で掲載した引用は、Glaspの機能を使ってエクスポートしています。Kindleのハイライトをエクスポートすることに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。

また、この本のトップハイライトは以下のリンクよりご覧ください。

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