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ドン・キホーテ 後篇一・二・三 - 感想・引用

著者プロフィール: ミゲル・デ・セルバンテス
ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(Miguel de Cervantes Saavedra, 1547年9月29日 アルカラ・デ・エナーレス - 1616年4月23日、マドリード)は、近世スペインの小説家で、『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』(Don Quijote de la Mancha)の著者として著名。

ミゲル・デ・セルバンテス - Wikipedia

今回の記事は、古典小説の中でもとても有名なドン・キホーテの後篇です。名前を聞いたことはある人が多いと思いますが、実際に読んだことがある人はかなり少ないのではないしょうか。前篇の感想は以下よりご覧ください。

👉 ドン・キホーテ 前篇一・二・三 - 感想・引用

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。


感想

  • 正直やっと終わったというのが感想。

  • 前編から10年後の物語。

    • 構成というかスタイルは前篇と同じで、主人公と副主人公が冒険をし、その道中で出てくるキャラクターに色・物語があり、進んでいくというもの。

  • サンチョが領主になる

    • 裁判をする。

    • 3日で終わる。グダグダだけど、意外と嘘ついているやつを見抜く。

    • 農家だからといって元の拠点に戻る。

  • 騎士道的な精神で契約

    • 最後、自分が結んだ契約に縛られ、家に戻り、冒険を止めることに。

  • 最後死ぬとき正気に戻ったのは良かったなと。

    • 遺産の分割や死後の対応など、かなりしっかりした言葉で、死ぬ間際というのを感じさせなかった。

  • この本の訳者後書きに結構洞察が残っていたと思う。

    • セルバンテスは『ドン・キホーテ』執筆の(表向きの)ねらいを、「騎士道物語が世間と大衆のあいだで享受している権勢と名声を打倒すること」(「前」序文)としているが、その目的を達成するためにとられたのが、物語に描かれている超人的な英雄の騎士を、ずっこけた狂気の反英雄(=ドン・キホーテ)によって笑いのめし、諷刺するというパロディの形式であった。

引用

また、戦う前に、負けた者は勝者の意のままになるという取り決めをしておく、それで、騎士の学士が敗れたドン・キホーテに対し、故郷の家に帰るように、そして二年間は、あるいは新たに沙汰があるまでは、 蟄居 しているようにと命令する。そうすれば、敗北を喫した以上、騎士道の 掟 に違反すまい、もとるまいとするドン・キホーテが、それを実行に移すことは明らかであるから、家にひきこもっているあいだに、彼の頭から妄想が消え去ることも期待できるし、あるいは、その狂気をなおす何か適当な方法を見つけることができるかも知れない、というわけであった。

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しかしセルバンテスは、騎士道物語という形式に秘められた精神、ドン・キホーテの言動に具現された騎士道精神を否定しているわけではない。ここまで読んできて、ドン・キホーテというおかしな騎士の高潔さ、信念、知性、善良さに共感を覚えない、率直に言えば、ラ・マンチャの騎士を好きにならない読者はまずいないであろうから。これがセルバンテスの流儀であって、彼は読者との関係において、ドン・キホーテという騎士を否定しながら肯定しているのである。

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こうした認識との関連において言えるのは、『ドン・キホーテ』が自己省察の小説reflexive novelであることである。セルバンテスにあっては書くこと、つまり小説を作るという営為が絶えず反省され意識化されて、その過程が読者の前にさらけ出される。

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と同時に、概して彼らは批評精神に富んでおり、自己反省をも怠ることがない。例えば、自分の話しぶりが適切であったかどうかを絶えず意識するといった精神である。セルバンテスを深いところで理解していたフランスの学者ポール・アザールの言葉は、このあたりを的確にとらえている「世界の文学史を通じて、これほど豊かな創造力と、これほど断固たる批評能力を兼備した作家を見出すのはむずかしい。彼は自分が創造した作中人物に、その誕生と同時に素晴らしい洞察力を与えるので、人物たちは行動するだけでは満足せず、行動するおのれを観照し、かつ審判する。これが彼の独創的な天才の特徴の一つである。」

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