1枚の写真から紡がれる物語 4
トンネルを抜けると、そこはもう昔の世界ではなかった。
自転車に乗る男性、彼はただの郵便配達員ではない。彼は記憶を運ぶ使者だ。毎日、この長いトンネルを抜け、人々の大切な思い出を手紙にして届ける。トンネルは時を隔てた別の場所への入口だ。光の射す出口に向かう彼の背中は、決意と希望に満ちている。そこには待ちわびる人々の笑顔がある。彼の旅は決して楽なものではないが、彼にとって、それは生きがいであり、彼自身が人々の記憶の一部になることでもある。
そして今日も、彼はまた一つの思い出を、明るい未来へと運んでいく。
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