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英検3級の君が準1級を受けようとも思わないワケ(3)文法編1

英文を長くする仕組み?短くする仕組み?

 一般的に英語力四技能(Reading/Writing/Listening/Speaking)には文法力(Grammar)が含まれていない。言うまでもなくできるのが当たり前なんだね。
 完璧でなくともよいが、「読むための英文法」を最低限、見ていこう。

日本語の「きものを着た男性が色とりどりの花を見事に生ける」という文で英文法を考えよう。

「花」が主語名詞(SN)、「生ける」が、述語動詞(PV)。
 名詞を詳しく説明するのが形容詞「色とりどりの」。
 動詞を詳しく説明するのが副詞「見事に」で、
英文は、全てこの四つでできている。
というのは、ウソだが、90%位は本当だよ。

「先生、前置詞はどうなるんですか」という質問が来た。

 前置詞は、いつも後ろの名詞とセットで動くので、
 例えば、people in Tokyo  
東京の人々  
in Tokyo全体で
  名詞peopleを修飾する形容詞

  I live in Tokyo  
     東京に住んでいる 

in Tokyo全体で
  動詞liveを修飾する副詞

前置詞+名詞全体で、形容詞か副詞の仕事をするんだよ。

「全体で〜の仕事をする」という言葉に耳慣れない人、これが秘訣だよ。句とか節っていうと「わかんねえ」となる人、一緒にしてしまおう。では、順番に。

 まず、「全体で名詞」になるもの。
ある予備校の先生が、授業の最初に生徒全員と唱えていらっしゃる名詞の頭、全体で名詞になるものに番号を付けて覚えてもらっているという離れ業。それほど重要なんだね。

 まず、◉単語としての名詞

冠詞a, an, theから名詞までで全体として名詞。a pencil, an egg, a tall boy, water, Joe, Mt.Fuji, Mr. Hiranoなど

代名詞は、一語で名詞。I, me, you, he, we, them など。

次からが◉全体で名詞

不定詞+To go for a drive is fun. 主語(S)の場所にあるので、  
全体で名詞「ドライブに行くこと
We promised him to pick him up at the airport.
目的語(O)の場所にあるので
全体で名詞「空港で車に拾うこと
[pick upの主語がweなのでOとしました]

動名詞+ I like playing tennis.  
目的語(O)の場所にあるので、
全体で名詞「テニスをすること

疑問詞to do +   Who to putthe bell around the cat’s neck is important. 主語の場所にあるので全体で名詞「だれが猫の首に鈴をつけるか

that+     I know that she is from the moon. 目的語の場所にある
ので、全体で名詞「彼女が月の出身であること

if/whether+       I don’t know if she is from the moon.目的語の場所にあるので、全体で名詞「彼女が月の出身かどうか

疑問詞+   I don’t know where he will go. 目的語の場所にあるの で全体で名詞「彼がどこへ行くか」

関係代名詞what+     What you did is not what you had promised.
                      主語と補語の場所にあるので、どちらも
全体で名詞「あなたがしたこと」「あなたが約束していたこと
                     
複合関係代名詞whatever/ whichever/who(m)ever+
   You can get whatever you want. 目的語の場所にあるので、
どちらも全体で名詞「あなたが欲しいものなんでも」

だいたいこんなところでしょうか。
その某予備校の先生がこの一つ一つに番号を付けて生徒と一緒に
唱えていらっしゃるのは、「全体で名詞」の働きをするものが文の
中で大切な働きをするからです。

 「全体で名詞」とはどんな働きか。

S(主語), O (目的語), C(補語),
そして最初の、前置詞とのセットになる名詞
です。

5文型を作るSVOCの中のS(主語), O (目的語), は必ず名詞、
C(補語)は(全体で)名詞か形容詞です。
Sの箱に入っているのが(全体で)名詞、Oの箱に入っているのが(全
体で)名詞、Cの箱に入っているのが(全体で)名詞か形容詞


と考えることもできますね。

以上のように、

「全体で名詞」=「〜こと」

くらいにきょくたんに頭にたたき込みましょう。

では、「全体で形容詞」の働きとはどんな働きか考えてみましょう。

形容詞には、C(補語になるもの)とM(修飾語になるもの)があり、
順に見ていきます。

◉M(修飾語になるもの)

「着物を着た男性が色とりどりの花を見事に生ける」

の中の「着物を着た」と「色とりどりの」が英語では「全体で形容詞」の部分です。

●形容詞colorful flowers          
         色とりどりの花
●前置詞+  people in Tokyo          
東京の人々
       a man in kimono      
着物を着た男性

●現在分詞/過去分詞+
   boiling water  
   沸騰している水

surprising news  驚きの知らせ

a broken leg   折れた脚

a surprised boy  驚いた少年

a man wearing kimono
着物を着ている男性

fish cooked by my sister
姉によって調理された魚


●不定詞+    a friend to help
助けるべき友達

            a friend to help me    
      私を助けてくれる友達

     a dream to be a lawyer      
      弁護士になるという夢

     something to drink      
飲むための何か
           


●関係代名詞/関係副詞+    
  a man who wears kimono
          着物を着ている男性
                         
  the city where I was born
             私が生まれた都市

以上です。そんなに多くないでしょう。

◉C(補語)になる形容詞
 ●形容詞  She looks happy.  
       彼女は幸せに見える。

   His words made us sad.
      彼の言葉が私たちを悲しくした。
*日本語訳は副詞っぽいけど英語では形容詞

●現在分詞/過去分詞+
I heard someone calling my name.
私は誰かが私の名を呼んでいるのを聞いた。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。
I had my hair cut yesterday.
 私は、昨日髪を切ってもらった。

●原型不定詞+
I saw him enter the house.
  私は彼がその家に入るのを見た。

●to 不定詞+
I want you to go to the movie with me.
私はあなたが私と一緒に映画に行ってくれることを望んでいます。
[ goの主語が you なのでCとしました]


さあ、「全体で副詞」に入ります。
これは、「着物を着た男性が色とりどりの花を見事に生ける」の「見事に」にあたります。

●副詞
I got up early this morning.        
私は今朝 早く起きた。

They arrange flowers beautifully         彼らは見事に花を生ける

●前置詞+
 I run around the park in the  
  morning.
 私は朝 公園を走ります。

 To my surprise, he won the
  championship.
 驚いたことに、彼は優勝した。

●不定詞+
We went to the library to borrow the popular novel.
    私たちはその人気のある小説を借りるために図書館に行った。

●現在分詞/過去分詞+(=分詞構文)
Admitting what you say, you should say everything.
     君の言うことは認めるが、君は全てを話すべきだ。

Taken by surprise, the baby
  began to cry.
   驚いて、その赤ん坊は泣き始めた。

●接続詞+
When I was young, I’d listen to her songs.
若い頃、よく彼女の歌を聴きました。

 Though he is short, he is an
 excellent basketball player.      
  彼は背が低いが、素晴らしい
  バスケットボール選手だ。

●複合関係代名詞+
    Whatever you may say, he is right.
         君が何と言おうと、彼は正しい。
●No matter 疑問詞+
       No matter who visits you, don’t open the door.
     誰が訪ねてきても、ドアを開けてはいけませんよ。

 以上のように、「着物を着た男性が、色とりどりの花を見事に生けた」で始まったお話、どうでした。名詞、形容詞、副詞が長くなって、数語で、つまり、グループ全体で、名詞、形容詞、副詞の働きをすることを理解すれば、どんなに長い文でも読めるね。 .




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