社会に疲れた君たちへ「一枚の若葉」
社会に疲れた君たちへ
希望をもって飛び込んだ大人の世界、そこは思っていたものと少し違ったのかもしれない
頭ごなしの否定に古臭い感性の上司に嫌気が差すこともあれば、思い通りに動いてくれない部下にジェネレーションギャップを感じることもある
家に帰れば年々冷たくなっていく妻は自分に興味を示さないし、疲れているのか生返事ばかりで碌に家事育児を手伝わない夫
そんな時は思い出してほしい。私たちがまだ若葉だった頃のことを
何の目的があるわけでもなく原付でぶらついた後に入った牛丼屋
空調が効いた店内に流れる流行のpopsの有線
夏はお冷があるし、冬は熱いお茶が湯呑で出てくる
醤油を溶いた生たまごを丼に入れてかき混ぜ、七味をかけて紅ショウガを乗せ、かきこむ
あの時は牛丼280円、生たまご50円、ポテトサラダ120円の450円
ワンコインでお釣りがきた
仲の良い男女グループで行ったカラオケ
もう次の予定なんてないし、持ち歌は全部歌い終えた
室内照明の怪しさのせいか、気になるアイツを見つめてみたり隣に座ってみたり、、
喋らなくても体温を感じて近づけた気がしたけどそれ以上は望まない
誰からでもなく帰ろうと言い出して外に出ると、青白い世界に通勤する人
魔法が解けたように「じゃあ、またね」って告白もないし連絡先も訊かない
もしかしたら何も知らなかったあの頃の感動はもう無いかもしれないけど、きっと今には今の楽しみがある
だから君が君の人生を諦めるのはもう少し待って欲しい
私たちは確実にあの若葉の一枚だったのだから
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