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台湾一周親子自転車旅〈後編12〉8日目 福隆〜台北
このnote記事は2023年8月に1週間かけて小学5年生と2年生の息子、高校生の姪っ子と自転車で台湾半周(後編)をした旅の記録です。
7日目はこちら。
8日目 2023年8月10日
ついに最終日。
今日は田寮付近で一つの大きな峠越えがある。250mの峠、合計の登る標高は450mほど。峠を越えるといよいよ新北、台北に入る。最終日に相応しいコース。
■8日目の主なコース
台2線→台2丙線→台5線→ 汐止基隆サイクリングロード→南湖河岸サイクリングロード→成美河岸サイクリングロード
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11時過ぎに出発。今日も暑い日になりそうだ。
東海岸側から峠を越えて市内に向かうため山道を走る。序盤は線路沿いの道を走る。平坦な道、少しのアップダウンが続く。暑いが、山々を見ながらところどころ日陰もある快適なコースだった。
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12時半、いよいよ峠に到着。まっすぐ続く一つの坂を登り終えカーブを曲がるとさらに登り坂が目に入る。これを何度か繰り返す。角度は急ではないが、坂の区間が長い。終盤に永遠と続くようなまっすぐな坂道…気持ちが持たない…。それに追い打ちをかけるような猛暑だ。休み休み登っていく。
「もうダメ…」後ろから長男の声が聞こえた。後ろを向くと、長男が今にも泣きそうな顔をしている。漕ぎ続けるよう励ますことも考えたが、本人がこの8日間どれだけ頑張ってきたかはそばで見てきたので、もう頑張ってという言葉は口からは出てこなかった。「よく頑張ったね。歩いて登ろう」と答えた。
ここから300mぐらい先の頂上まで歩いて登った。先を行く姪っ子も歩いているのが見えた。
「ここから乗るよ」長男が頂上の手前で言う。「まだ自転車に乗る気持ちはあるんだ。よかった。」と感じた。
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さぁ、ここからは下り坂だ。スピードが出過ぎないように抑えながらも、身体を休ませながら楽に距離を稼いでいく。
平雙トンネルを抜けると大雨だった。しかし今は山道。周りにはコンビニや商店がない。そのまま次のコンビニを見つけるまで、走り続けることにした。雨脚は強くなっていく。また雨かぁ。びしょ濡れながら坂を下り、二つ目の基平トンネルを通過。すると、天気は一転して晴天になっていた。さすが山の天気。トンネルごとに天候が変わる。
さらに坂を下り続け、ようやく暖暖運動公園の近くでコンビニを発見。ここで服を着替え、ランチを取る。とんでもない長い距離を走った気がするけど、残り40kmもある。
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ここからは少しずつ街の中に入っていった。八堵駅、七堵駅、百福駅を通過。少し行くと見たことのある橋が目に入った。そう、以前、走ったことのあるサイクリングロードにぶつかったのだった。ようやく知った道を走ることができる安堵感。ここからずっとサイクリングロードを走ることができる安心感。よかったぁ。
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しかし、しばらく走ると今度は雨が降ってきた。またまた雨か。小雨の中、少しずつ台北市内へ向かう。それでも汐止で雨が強くなり、一時、橋の下で雨宿り。30分ほど待ったが、雨はやまなそうなので少し弱まったところで出発する。
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汐止基隆サイクリングロード、南湖河岸サイクリングロード、成美河岸サイクリングロードと少しずつ都市部に入っていく。台北101も見えてきた。
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道中に家がある姪っ子とは途中でお別れ。長旅に付き合ってくれてありがとう。
ゴールはあと10km先。その後も、長男と走り続ける。雨も強くなってきて、雷も鳴ってきた。ひぇー、最後もこんな感じか。橋の下で少し雨宿りと雷が離れるのを待つ。
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少し雨が弱まり雷が遠かったので、再開。でもすぐに雨脚はまた強くなる。もう全身びしょ濡れだ。17時半、ついにゴール地点に到着。土砂降りの中、感動に浸る余裕もなく、記念写真も一枚しか取れず、早く着替えるため近くの建物に入っていった…。
本当によく頑張った!
今回の自転車旅後編は雨や坂道、猛暑など、前編以上に過酷な環境だった。だからこそすごく印象的な風景や場面が頭に残っている。そして東海岸の青い海、緑の山も脳裏に焼きついている。いまは休みたいけど、また行きたくなるのだろう。
台湾一周親子自転車旅後編、完結。
そして、台湾一周親子自転車旅全編、完結。
■8日目走行距離
72km
■8日目獲得標高
481m
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■台湾一周親子自転車旅(前後編合計)
総走行距離 927km
総所要日数 15日間
■前編
走行距離 442km
所要日数 7日間
日程 2022年7月28日〜8月3日
■後編
走行距離 485km
所要日数 8日間
日程 2023年8月3日〜8月10日