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台湾一周親子自転車旅〈後編⑨〉5日目 長濱〜花蓮
このnote記事は2023年8月に1週間かけて小学5年生と2年生の息子、高校生の姪っ子と自転車で台湾半周(後編)をした旅の記録です。
4日目はこちら。
5日目 2023年8月7日
■5日目コース
台11線
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10時過ぎに宿を出発。今日も次男は電車移動のため、長男と姪っ子との三人旅だ。
晴天、気温は32℃まで上がる予報。
今日も右手に青い海、左手に山々を臨みながら走り続ける。景色は最高だが、暑い…
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暑くならない午前中のうちに距離を稼いでおきたい。出発して30分で10km。なかなかいいペースだ。1時間も経たないうちに北回帰線を通過。この辺りで長男、少し休憩。姪っ子が一人で先に進み、二組に分かれる。猛暑が厳しいため休みを多めに取る。新太平洋一号店という休憩所で少し長めに休む。
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2時間・35kmほど、走った頃に前輪にブレを感じる。何かと思って止まって確かめると、まさかのタイヤがパンクしていた。しかも予備チューブと工具を入れたカバンは電車で移動している次男の自転車に取り付けてしまっていたことにいまさら気づく。
やってしまった…。残り40km弱を長男とふたり徒歩でいくことが頭をよぎる。とりあえず歩いて5分行った先に豐濱という小さな町があるのでそこまで歩いて行くことになった。
町に着くと「補胎(タイヤ修理)」の看板を掲げた店を発見。ただ、いわゆる自転車屋さんではないようだ。恐る恐る店内のおじさんに声をかけると「自転車のパンク修理もするよ」とのこと。よかった!
しかし、実はロードバイクのパンク修理は初めてとのだった。普段はママチャリやバイクの修理をしているため、まずロードバイクのタイヤチューブ用の空気入れがなかった。結局、フレンチバルブを取り外して少し太めのバイク用空気入れでチューブに空気を入れる。チューブを水に沈めて少しずつ回し、穴の場所を発見!パッチで穴を塞いでもらった。30分ぐらいかけてパンク修理完了。本当におじさんはヒーローだった。
しかし、チューブの穴は塞がったものの、フレンチバルブ用の空気入れがない。おじさんが何度かバイク用の空気入れを使って、フレンチバルブを外して空気を入れるよう試みてくれたが、空気を入れた後、フレンチバルブを取り付けるときにどうしても空気が少し抜けてしまう。
その間に、俺も同時進行で周辺の商店やバイク屋さん、コンビニ、交番などを駆けまわるが、フレンチバルブ用の空気入れは見つからない…。せっかく修理してもらったのにこのまま自転車に乗れないのか…。諦めかけた時、飛び込んだ一つの民宿でようやく借りられたときは泣きそうになった。修理屋に戻り、おじさんに「あったよ!」と報告、2人で喜び合った。
タイヤの空気も満タンになった。これで無事に旅を進められる。おじさんから「修理代1,000元」と言われても支払おうと思っていたが、100元でいいよと言われ、さらに台湾バナナのお土産までもらった。
おじさんは修理をしながら「日本製の製品が一番だ」「日本に一度、旅行に行ったことあるんだよ」とか、日本への思いや思い出を色々話してくれた。台湾の方たちは本当に日本に対して好印象を持ってくれている。今回も日本の先達のおかげで助けてもらえたようなもんだ。ありがたい。
一度、お店を後にしたが、どうしてもおじさんと記念写真を撮りたくて再度、店に戻って写真をお願いした。「写真を撮るなら上着を着るよ」とおじさんは照れくさそうに笑って上着を着て、長男も入り3人で写真を撮った。
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この後、昼食を取り、再出発。今日のコースは小さなアップダウンがたくさんある。アップダウンを繰り返していると、目の錯覚で、目の前が登りなのか下りなのか、わからなくなってくる。身体の感覚がおかしくなってくる気がした。
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そして終盤の水璉付近に200m越え(芭崎休憩區)と100m超えの2つの登り坂があった。終盤にある登り坂2つはキツかった…。
一つ目となる標高200m以上の芭崎休憩區で、別々に走っていた姪っ子と再合流。この休憩區までの登りも凄まじかったが、この後の二つ目の坂もキツかった。辛すぎて、途中、少し歩いて登った。でも、姪っ子が一度も脚をつけずに登り切っていた。恐るべし体力。長男も休みながらであるが歩くことなく登りきった。すごいな。坂道を走ると自分が一番体力がないのを実感する。
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登り切ったところでトンネルが見えた。ちょうどトンネル内が工事中で、車は片側走行となり、こちら側の車は入り口で停められている。自転車だけ特別に許可をもらって工事をしている車線を先に通行させてもらった。涼しいトンネルの中を独占し、トンネル内の下り坂を走り降りた。 17時前に宿に到着。
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明日は電車移動日。
ここまでの5日間の合計距離333km。
残りは150km。
■5日目走行距離
76km
■5日目獲得標高
856m
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■5日目宿泊場所
浪花一朵朵民宿
台11線の海岸線沿いにある宿。部屋からの眺めは最高だった。自転車は宿を入ってすぐの廊下に停めさせてもらった。花蓮市内からは少し離れている。