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キャリア教育Yononakaレポート⑱「子供と大人」
オンラインアクティブラーニング「Yononaka」
6月のテーマは「子供と大人」、今回はスタッフからのリクエストテーマでした!
Yononakaでは毎回、受講生とスタッフが一緒になって学んでおります!
今回の参加者は9名(小学生:3名、中学生:3名、高校生2名、大学生:1名)2つのグループでワークに取り組みました。
ワーク①「まだ子供だから~」「もう大人なんだから~」
個人ワーク1分、グループワーク5分。
「まだ子供だから~」「もう大人なんだから~」と言われ もやもやしたこと、そのフレーズに対する感想を共有していきました。
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参加者の中には、「子供だからと言って優遇される」「もう大人なんだからと厳しく言われる」それなら「まだ子供でいさせてくれ」というように、大人への移行期に対する混乱を示している意見が多かったように思います。
「青年期はどっちつかずの扱いをされる」というのは高校生の意見。狭間で葛藤している様子がうかがえます。
また、成人年齢は18歳なのに、「小学生を過ぎると、電車や食べ放題の料金が上がる」「起業できるのは16歳、選挙権をもらえるのは18歳、お酒を飲めるのは20歳、、、3段階に分かれている!?」といった意見もあり、他の参加者も考えている様子でした。
ワーク②「子供っぽさ・大人っぽさってなんだろう」
個人ワーク1分、グループワーク5分。
子供と大人を比較して考えていきました。
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子供、大人それぞれの特性を表す意見が出ました。
特に個々の行動や心理状態に関する意見が多かったです。
子供っぽさについては、「無邪気さ」や「その場の感情で判断する」などの意見。だからこそ、「後先考えず行動できる行動力」が特性だと複数の参加者が意見していました。
一方、大人っぽさについては、冷静さ、検討力、理解力、そして気配りなどが特徴として挙げられました。そして「行動する前に考える」や「検討に検討を重ねる」という意見。行動力の観点で、子供と大人の違いが明確に表現されていました。
それぞれ参加者自身の経験や視点からの意見であり、様々な年齢だからこそ、自分にはない考えを聞いて、理解を深めている様子でした。
ワーク②の後に伝えたことをそのまま記します。
ワーク①②で、子供と大人を比較して考えてもらいましたが、法律的には18歳から大人になりますよね。
去年の4月に20歳から18歳に変わりましたが、実は日本だけの話で、国によって異なります。
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アメリカは州ごとに異なりますが大半が18歳です。お隣の韓国は19歳です。
世界で一番高い年齢はシンガポールやインドネシア、エジプトなどの21歳。そして、驚くべきことに、イランでは女性は9歳から大人とされているようです。
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日本では「18歳から大人」という法律がありますが、それは同時に、48歳の人も78歳の人も、同じく「大人」とされていることを意味します。しかし、「大人」一つをとっても、その範囲は広く、18歳から30年,60年と離れている48歳や78歳まで含まれます。これらを全て一緒くたに「大人」と呼ぶのは、実は少し無理があるのかもしれません。
そして、この48歳っていうのが日本の平均年齢です。これは世界で第2位の高さだそうです。
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人口の年齢別分布を示す「人口ピラミッド」を見てみると、10歳から44歳までの若者が約4481万人、一方で45歳から79歳までの人口が約5815万人になります。つまり、若者が3人に対して、45歳以上の人口が4人となっています。
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「日本=高齢化社会」と耳にする機会は多いと思いますが、いざ数字で見ると実感が湧くかなと思います。
そこで、もしも、この人口が「反対」なら、日本はどんな生活だろう、どんな社会になるだろう、ということを次のワークで考えてもらいたいと思います。
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ワーク③「もし若者の人口が多かったら、どのような生活/社会だろう」
個人ワーク1分、グループワーク5分。
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「食べ物の消費が増える」「若者向けの商品が増える」「地方の過疎化が進む」「年金問題の解決」などの意見からは、生活や社会の変化を感じました。
一方で「政治は変わりなさそう」「少子高齢化は解決されないと思う」「子供を産みやすい環境や働きやすい環境が整備されなければ根本的な解決にはならない」という意見も出ました。
若者人口が増えても、政治の主導権を持つのは一定の年齢層なので、人口構造の変化だけでは十分な社会改革を達成できないとの考えでした。
さまざまな視点からの意見が共有されたことで、未来の社会をどのように理解し、どのように準備するべきかについて、各々思考を巡らす貴重な時間になったと思いました。
ワーク③の後に伝えたことをそのまま記します。
さっき見てもらった人口ピラミッドですが、比較すると面白いのでまた調べてみてください。アメリカは各年代ほぼ同じ、韓国は日本と同じ少子高齢化の傾向があること、インドは若者人口が多いことが分かります。
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アメリカのなかで特に若者が集まる街「タイムズスクエア」はこのような感じです。2022年の年末の様子ですが、鮮やかな広告が街全体を彩っています。
昨年夏に公開されたワンピースの映画の公開日や、NFTというデジタルデータのイベントの日は、巨大なビジョン広告が全面的に特集し、伝えていました。若者をターゲットにした街という感じが見て取れますね。
Z世代って言葉は知ってますか?
これは1997年から2012年に生まれた人々を指す言葉で、まさに皆さんが所属する世代を示しています。
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この割合も、日本では14%ですが、アメリカでは20%、そして世界全体で見ると、なんと24%にもなります。これは、Z世代が現在、世界の人口中で最も大きな割合を占める世代であることを示しています。
世代によって、友達と会話する方法や、情報を見る方法、コミュニケーションの形が異なります。これは時代の変化と共に進化してきた結果で、私たちの社会自体もそれに対応して変化してきました。
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特に現代社会では、情報が溢れており、その情報も日々更新され続けています。それゆえ、教科書や説明書はあくまで一つの参考例であると捉え、それらから「学ぶ」のではなく「利用する」意識が必要だと思っています。
情報はただ受け取るだけでなく、それをどう活用するかが重要であり、そのためのスキルや思考法が必要だと思っています。
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ここで前半終了。5分の休憩をはさみ、後半は2つのワークを行いました。
ワーク④「動画を見て考えよう」
2022年に日本人で初めて「国際子ども平和賞」を受賞された、川崎レナさん(17)のインタビュー動画を見て、考えていきました。
川崎さんは動画の終盤で「大人 VS 子供」ではなく、「大人と子供が一緒になって」何かをする大切さを強調されていました。川崎さんの場合は、一般的に大人だけが取り組むとされてきた「政治」の分野について、子供や若者も意見を持ち、考える機会を創出し続けています。
この動画をふまえ、最後のワークでは、「年齢に関係なく大人と子供が一緒にできること」、「共に考えること」を想像してみるというテーマで、一人一人考え意見共有していきました。
ワーク⑤「大人 子供 年齢に関係なく、出来たらいいなぁと思うこと」
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「仕事やアルバイト」「子供も自分のスマホを持つこと」「また全ての料金が一律になること」など、年齢による境界を取り除き、平等性を追求する意見がありました。
「アニメなどの子供向け作品作り」「モノづくりにおける子供の視点の取り入れ、子供と大人の役割分担」など、年齢間の協働を通じて新たな価値が生まれる可能性についての意見もありました。
また、教育の形態や内容について考える参加者もいました。「子供も大人もそれぞれが働きや勉強する機会を持てる社会の仕組み」「学校教育の内容見直し、特に自分の意志やアイデンティティを育む教育の必要性」など、教育の多様性を求める意見が見られました。
みなさんの意見から、大人と子供の間で存在する現行の社会的な枠組みや制限が、多様な活動や経験を制約しているという認識を示しているように思いました。その一方で、年齢間の協働を通じて、新たな価値を創出し、社会全体の発展を促進する可能性を示しています。
一方で「今の状況でも、自分の意志さえあれば大人子供関係なくできることがある」という意見もあり、仕組みだけでなく1人1人の意識も大切だなぁと、私自身も考えさせられました。
最後に、今年の4月から設置された「こども家庭庁」について紹介しました。
こども家庭庁は、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、こども・若者のみなさんの視点に立って取り組む行政機関です。
そして「こども若者★いけんぷらす」は、こどもや若者が様々な方法で自分の意見を表明し、社会に参加することができる、新しい取組です。
参加者の感想の一部を共有します。
「楽しく参加してます!もっと参加者が増えてさまざまな意見を聞くことができると嬉しいです。」「今回、各グループで話す時間が長くなったことでより詳しく考えを知ることができた。」「楽しかったです。」「子供でも知識が豊富な子もいる。という意見で、そういうこの意見を活発に取り入れるべきだなぁーとおもいました。」「他の人の意見を聞くことで、子供と大人の違いが分かりました」
次回のテーマは「世界」についてです。
いつものオンライン開催ではなく、スクールフェスタ(夏)でのリアル開催を予定しています。
さまざまな視点から考えるワークをしていきます。
予習や事前知識は要りません。
自然体でお気軽にご参加いただけると幸いです。
日時:7/24(月) 10:30~12:00:「世界」(スクールフェスタでのリアル開催)