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サーキュラーエコノミー

カーボンニュートラルに関する書籍が最近増えてきた気がする。立ち寄った書店で『2025年「脱炭素」のリアルチャンス』(PHPビジネス新書)を読み始めた。もうカーボンニュートラル関連の書籍は7冊目になるので、冒頭の話は皆似ていて、もはやカーボンニュートラルに対する動きは一過性のものではなく確実にそこに向かうということ。ただその中で、これまで読んでいた書籍には多分出てこなかった言葉が出て来た。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)

欧州は、新しい経済モデルとして、サーキュラーエコノミーを提唱しているとのことで、このサーキュラーエコノミーとは、地球から追加の資源を調達することなく、ビジネスを展開していくというコンセプトとのこと。サーキュラーエコノミーでは、これまでの「廃棄前提から再生・利用前提へ」の転換を目指すものであり、1950年頃からのアメリカ型経済である大量生産・大量消費を炭素時代(リニアエコノミー)として、そこから脱炭素時代(サーキュラーエコノミー)へ変わることを提供している。

アクセンチュアのページにもサーキュラーエコノミーという言葉が出てきており、サーキュラーエコノミーへの転換によって、企業が獲得できる競争優位性を「サーキュラー・アドバンテージ」と呼ぶようである。

無駄を富へと変える新成長戦略サーキュラー・エコノミーに取り組む企業が年々増加している事実は、新製品投入で既存商品を強制的に陳腐化させることで買い替え需要を意図的に創出する旧来のビジネスモデルが、すでに通用しなくなりつつあることの証左であるといえます。また、デジタル化の進展によって、循環経済と事業収益を両立させる新しいビジネスモデルが明確化されたことも、企業がサーキュラー・エコノミーにチャレンジする基盤となっています。
サーキュラー・エコノミーへの転換によって企業が獲得できる競争優位性は「サーキュラー・アドバンテージ」と呼ばれます。先進的な企業ではエコシステムの刷新やデジタル技術の活用でビジネスモデルの抜本的転換を進めると共に、この優位性によって全く新しい収益構造の実現を達成しています。

リニアエコノミーでは、調達、製造、販売、利用、廃棄に至る「取って、作って、捨てる」という一方通行型の経済モデルであり、直すよりも新しいものを買った方がお得という状況を作り出す。確かに家電などは修理を頼んで直すと、買った方が安いし、さらに性能もよいということが多々ある。よって「商品を販売したらそれで終わり」という関係性になる。一方のサーキュラーエコノミーは、「商品を利用し続ける間サポートする、不要になった商品を回収する」という関係となる。

このサーキュラーエコノミーの関係は、最近のサブスクリプションモデルにもつながるものであり、販売による一度の売上からソフトウェアやサービスによって継続課金をし、さらにはその利用状況などからメンテナンスサービス、さらには回収に至るまでのサービスを提供するということ。このような関係性を生み出すには、顧客との状況を理解した上でのコミュニケーションが必要となり、つまりは「カスタマーサクセス」の考えが必要になってくるということ。これを実現するにはデジタルによる情報取得(利用状況、利用回数、頻度など)、その取得情報を起点としたデータドリブン型の先回りをした顧客支援が必要となるということであり、DX(デジタルトランスフォーメーション)が必要になる。サーキュラーエコノミーは、モノの循環であると同時に、情報の循環がポイントとなる。

最近の家電ではエアコンや洗濯機などでスマホ連携ができるものがある。スマホによる遠隔操作やスケジュール設定もできるようになる、ということでスマホ連携ができるだけで価格がかなり高くなる。便利そうとは思いながら、サーキュラーエコノミーの立場からみると、故障しそうになるタイミングをスマホに教えてくれるようにして寿命を高める、さらに新しい家電が欲しくなったときは今までの利用状況などのデータと一緒に中古で売るなどして(あまり使っていないデータであれば高く、多く使っていれば低く、多く使っていても定期メンテナンスをすれば高く)などのもっと全体を俯瞰した発想も必要なのかなということを思った。

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