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洋上風力の主な部品が海外製か・・・

連休中に朝日新聞をゆっくり読んでいると、「再生エネ 取り残された日本」という気になる記事が掲載されていた。
日本初となる大型洋上風力発電が今年末、秋田湾と能代港で計38機が稼働を始めるようである。さらに8年後には、より大きな風車が103基、その周囲の海に並び立つようで、発電規模は原発1基分に相当する。
風力発電は数万点の部品を使い、20−30年稼働するために、地域で関連産業が育つ効果への期待も大きいようだ。しかし、主要部品はほぼ海外製。気になるのは「主要部品はほぼ海外製。日本企業を選ばなかったのではなく、残念ながら選択肢がそもそもなかった」という一文。

風車はどんな部品で出来上がっているのか。以下のサイトに図入りで詳細にまとめられている。

一般的に、風車はブレード、ハブ、ナセル、タワーの4つで構成されています。近年、風車は大型化が進み、地上から80メートル程の高さにナセルが設置される2メガワットから3メガワット級の風車も見られるようになりました。ナセルの内部には増速機、発電機、ブレードピッチ制御用機器、ヨー制御機器などが収められており、ナセルの上部には、制御用の風向計、風速計も設置されています。

VENTI  JAPAN(https://www.venti-japan.jp/windpower.html)

風車はデンマークのヴェスタス製(デンマーク)で、発電機が入るナセルや羽根、支柱は欧州や中国製を船で運んできたとあり、国内での調達率はたったの2割というのが現状の様である。

世界風力会議(GWEC)によると21年の洋上、陸上を合わせた風力発電の導入量は1位の中国が3億4千万キロワットに迫る一方、日本は75分の1の452万キロワットに過ぎない状況のようだ。

と、その秋田県において公募のことが記載されていた。日本の製造業の力を使うことでもっと高品質な部品を提供できるようにできないものか。洋上風力発電は羽根に傷がつくと、そこから劣化をするために定期的なメンテナンスが必要で、2人かかりで羽根の先端の塗装の剥がれた箇所を修理するなどの職人技を、以前にテレビの特集で見たことがある。ググってみると、確か特殊高所技術という会社だったと思う。(https://www.tokusyu-kousyo.co.jp/service/wind-power/
一人前の技術者になるのも、大変な努力が必要そうであった。

その風力発電の材料の品質の良さでカバーするか、もっとメンテナンスをかけずに済むような洋上風力発電機を考案していけないものなのだろうか。先に行ってしまった欧州や中国を今から同じように追いかけても、先行者を追いかけるのは容易ではない。
2019年の風力発電メーカーの市場シェアはヴェスタス(デンマーク)のシェアが18%、シーメンスガメサ(スペイン)は15.7%、金風科技(中国)13.2%と欧州や中国が、2019年時点ではトップ3に名を連ね、日本はというと、MHIヴェスタス(日本・デンマーク)の1.6%という状況。

ちょうど月刊「事業構想」の6月号が、脱炭素ビジネスについて取り上げていたので、読んでみた。そこには、スペインのVortex Bladeless社が、羽根のないスティック型の風力発電機を開発するスタートアップという紹介があり、とても興味を引いた。
この風力タービンは、風が構造物を避ける際に発生する渦流と呼ばれる空気力学的効果によって共鳴・振動し、オルタネーターシステム(発電機)を介して発電のするようだ。羽根がないため騒音や鳥類への影響少なく、製造コストはこれまでの風力発電機の約53%に抑えられるという。この記事にはなかったが、きっと従来型の発電所におけるブレードのメンテナスコストなども無くなるので、運用コストももっと削減されるのであろう。

再び日本が追いつき追い越せで、国が一丸となって脱炭素に立ち向かい、産業として立ち上げれば、今のこの苦境は乗り越えられるはず。今までの日本の歴史を見てみれば。


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