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遠のく「1.5度目標」 日本でニュース担っているのだろうか・・・

ウクライナ侵攻によってロシア産の石油、天然ガスの輸入停止。その一方で朝日新聞で読んだのだと思うが、インドネシアの石炭を買いたい国が急増しているという記事が載っていた。COP26での動きなどを見ながら、この半年間で脱炭素の動きを見ていたが、逆回転が始まったのではないかという危機感を持っていたが・・・

■温暖化、遠のく「1.5度目標」 22年排出1%増の試算
6/7の日経新聞に出ていた記事を読んでいて、そうなのかもしれないとは思っていたが、22年排出1%増の試算という文字には愕然とした。
記事には以下のような内容が書いてあった。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が4月初旬に公表した報告書によると、この1.5度目標を達成するには、25年までに世界の排出量を減少に転じさせ、30年には19年比で43%減らす必要がある。
30年まで毎年5~6%減らし続ける計算になるが、排出が減る気配はない。国際エネルギー機関(IEA)は22年の石油需要は前年比1.8%増えると予測する。
21年の二酸化炭素(CO2)は前年比6%増と過去最高を記録。ノルウェーの調査機関CICEROのグレン・ピーターズ研究部長は22年に1.2%増えると予測する。

2022/6/7 日経新聞朝刊

■化石燃料の高騰による効果
この記事を見ると、脱炭素への道は非常に厳しいかと思っていたが、一方で化石燃料の価格高騰に関することが触れられている。そもそも化石燃料は、温室効果ガスを排出するというコストが積まれていないために、相対的に安いエネルギー源であった。本来、発生した温室効果ガスを削減するというコストが入っていれば、こんなに安いはずがない。
これがロシア産禁輸によって化石燃料の価格が上がれば、相対的に再生エネルギーが安くなり、その導入が増えるという可能性がアップする。これが一つのチャンスとも言える。

一方で足元の化石燃料の価格高騰で、相対的に再生可能エネルギーの競争力は高まっている。IEAによると、再生エネの新規導入容量は22年に前年比8%増え、初めて300ギガワットに達する見通しだ。ただ現状の政策では23年はほぼ横ばいとなる見通しで、IEAは普及のための政策支援が必要と分析する。ビロル事務局長は「エネルギー危機も、気候危機も正しい投資があれば両方を解決できる」として、今後6カ月で強力な政策がとられることが重要だと訴える。
温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成には、各国が再生エネにカジを切れるかどうかがカギを握る。欧州エネルギー研究同盟のガマル事務総長は「化石燃料に頼ることが地政学、価格の面で不確実性があると印象づけた。クリーンエネルギーへの移行が加速するだろう」とみる。

2022/6/7 日経新聞朝刊

■機会を捉えて加速するには
化石燃料から再生エネルギーへという目先の積み上げのみでは、そもそも「30年まで毎年5~6%減らし続ける」というところに達するのか。
これまで脱炭素の各書籍に書いてあったが、未来の目標から逆算的に目標を定めるバックキャスティングでの目標設定をしないと達成は非常に難しいか。きっとリスクばかりを取っている体制では、目標の達成などできないと思われる。
それを打破するのが、僕はやはり、これまでの既成概念の中で進めていくのではなく、目標からやるべきことを進めていく形を作れるスタートアップがその中心になければならないと思う。
その意味では先日に政府から出た「新しい資本主義」において、GXとスタートアップ支援ということが並んでいたが、この2つの組み合わせ、つまりGX領域におけるスタートアップを支援し、日本発のGXスタートアップ企業を立ち上げるようにし、日本におけるエネルギー事情を打破していけないものか。世界に売って出るためにも、まずは日本がそのスタートアップを育てるための支援も必要ではないか。いつもリスクを取らずに、大企業ばかりを応援するのではなく。きっとそのような投資が、日本に大きなリターンとして戻ってくるのではないか。

「新しい資本主義」はグリーントランスフォーメーション(GX)とスタートアップを投資の柱に位置づけた。気候変動問題を「新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題」とする。2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に向けたロードマップを策定する。
10年間で「官民で150兆円規模」のGX投資をかかげた。民間投資の呼び水として新たな種類の国債となる「GX経済移行債(仮称)」を発行。水素や再生可能エネルギーといった分野に、中長期的に投資するための財源を確保する。23年の通常国会に関連法案を提出し、同年度中の発行をめざす。

2022/6/8 日経新聞朝刊


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