国内洋上風力がようやく始動・・・
2/20の日経新聞に、ようやく日本で大規模な洋上風力発電が始動した、という記事が出ていた。しかしその発電コストは世界標準の3倍もの水準という。そして、気になるのは、その後も大幅には下がらないというコスト。
どうもこの記事を読んでいると日本においては以下のような点が課題のようである。
①専門的な技術を持つ人材の不足による人件費の高騰
今までやっていないのだから仕方ないか?これから育成していくしかない。となるとやはり人材をもっとシフトさせるべきなのに人材の流動化が乏しい。リストラなどをしにくいのは経済も会社も上向きであればよいが、このように経済が停滞して、技術革新が起きるような変動の多いなかでは色々と弊害があるか。やはり人材流動化が進むような仕組みを国としても整えるべきではないか。
②開発規模が小さいこと
今回、3海域すべてで三菱商事連合が総取りしたが、漁業権などの制限もあって1つの海域での出力は大きくないようだ。結果、三菱商事連合は3海域すべてを取ることでスケールメリットが活かせることを考えていたということが上記の記事には書かれていた。しかしこの総取りが問題になったということが以前にニュースで取り上げられていたが、「22年12月には第2弾として4海域合計で約180万キロワットの事業者の募集が始まった。今回の公募では早期稼働を重視する配点としたほか、複数海域で落札できる上限を100万キロワットに抑える制限が加わった。多くの企業の参画を促す狙いだが、前回の三菱商事連合のような規模のメリットは享受しにくくなる。」ということのようだ。
3海域の総取りには賛否があると思われ、新興企業の敗北なども見てきたが、やはりグローバルに出ていかないと技術力やノウハウなども磨かれていかない。これを考えると開発規模で取れるのであれば取らせて、グローバルに打って出てもらうように、一方で新興企業を育てるような2本立てで進めてはいけないのだろうか。どうも1か0の議論になってしまっていて、もったいない。結果「三菱商事のグループ会社は、昨年11月までに、公募対象の1つである秋田県八峰町・能代市沖での環境アセスメント(影響評価)の中止を決めた。事前の環境アセスは事業者選定で有利に働くとされる。三菱商事は現状では意向を明らかにしていないが、応札を見送る可能性が高い。」とあり、三菱商事は応札を見送ってしまう可能性すら出ている。
③規制の大きさ
本記事に書かれている中で「環境アセスに時間がかかり、調査期間を含めると稼働までに8年程度を要する。欧州などでは4~5年程度とされる。」という点。このような時間がかかっていれば、流石に不確定要素が高くなり、事業化するのは難しい。またコストもかかる。
一刻もはやく規制を取り除くように国が主導をすべきではないのか・・・このようなときにこそ。
GDP3位すらも危ういなかで
2/19の日経新聞には、「名目GDP、ドイツが肉薄」という記事が。サブの見出しが「日本、世界3位危うく デフレや円安響く」と書いているが、そもそもデフレや円安というところではなく、構造的に生産性が悪い点がこれを招いているのではないか。
エネルギー問題は資源の少ない日本では率先して解決しなければならない上に、洋上風力発電は海に囲まれる日本では必須な技術。その取り組みも新しい時代に即した規制に変えて、もっと生産性を高くし、世界に打って出れるようにしなければいけないのではないだろうか。
そして日本のエネルギー問題も解決していかなければいけないのではないだろうか。
今回のこの記事はいろいろな意味で危機感を感じた。各課題が明確であれば、それに向けて国は動くべきではないか。きっとそこに企業がついていくはず。