脱炭素に向けた企業の動き・・・薄膜太陽光電池・CCS・バイオ燃料
今週は日経新聞には脱炭素に向けた企業の動きが取り上げられていた。目先での温室効果ガス削減の努力も必要だが、このような技術革新も合わせて必要になることを考えると、嬉しいニュース。3つのニュースを取り上げたい。
■室内や壁に薄膜太陽電池
有機薄膜型太陽電池の量産計画が本格化しているという記事が出ていた。この技術によって、窓や自動車の屋根などでも太陽光発電を利用できる。まず大規模な量産が計画されているのは建物の壁面などに貼る用途とのこと。いずれにしても軽くていろいろな場所で発電ができるということは、空き地に太陽光発電を並べるという異様な光景を作らずに、いやそれ以上に設置できる場所に制約があるシリコン型とは違い、様々な場所が発電場所になるということにある。
■JERAや東京ガス、豪でCO2地下貯留
そして脱炭素のキーでもあるのがCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:排出されたCO2を集めて地中に貯留するという技術)についての動きも今週は取り上げられていた。資源開発などで出るCO2を埋めるには「CO2の回収」「輸送」「貯留」の3工程が必要であり、一連の技術をCCSと呼ぶ。日米欧などが掲げる「2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロ」との目標を達成するための有力な手段とされる。
記事には、「「50年ゼロ」目標の達成には年50億トン強のCO2を貯留する必要がある。現在のCO2の年間の貯留可能量は約1.5億トンあるが、回収が追いつかず、実際に貯留できているのは年4000万トン程度にとどまる。」ともあり、このような動きが出てきたことは嬉しい動きである。
■ユーグレナのバイオ燃料、給油所で本格販売
そして最後は、ユーグレナのバイオ燃料が本格的に販売されたこと。バイオ燃料も燃えれば二酸化炭素が出るから同じでは、と思ってしまうところであるが、化石燃料は地中に埋まっている炭素を掘り出して燃やして二酸化炭素にしてしまうが、バイオ燃料は原料となる植物の成長過程において光合成を行うことで二酸化炭素を吸収しているため、燃焼時の二酸化炭素の排出量はプラスマイナスゼロとなる、これがカーボンニュートラルになる。
価格を見ると1リットル300円。高いと思うが、昨今のエネルギーの高騰についてはガソリン代が税金の投入で価格が抑えられていること、そしてこのガソリン代というのは本来、温室効果ガスを発生させるのだからコストをより負担する必要があるのにしていないのだから、本来はそのコストを上乗せすれば、ユーグレナのこのコストは決して高くないのではないか、と思う。
今の補助金を全否定するわけではないが、このような新たな風を吹き込むためにも前例に倣わないことも必要な時が来ているのではないか。
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