なぜすべてをアスファルトで地面を固めるのか
今年もまた酷暑が続いています。
天気予報を見れば異常気象と言っていますが、もはやこれが定常になっているという事実を異常という言葉で捻じ曲げているように思えます。実際に昨年も同じような気温でした。
最近運動のためによく歩きますが、夏はとてもでないけど昼間は歩けず、陽が落ち始めてから。ただ歩いているとずっとアスファルト。かつ木陰がないから、陽が落ち始めていてもかなり暑い。
大きな神社の参道までたどりつくと参道沿いの木陰で日陰ができ、その参道の間を吹いてくる心地よい風。この対比で実感するのは、アスファルトと木の関係です。
都市部だけの平均気温の上昇ではないので、すべてがこのアスファルトとは思えませんが、夕方になってもまったく涼しくならないこの原因は、最低気温を押し上げ、平均気温の押し上げにもつながっているのではないでしょうか。
空き地があればすぐに駐車場に
毎週末に同じようなコースを散歩をしていて気づくのは、空き地になったと思うとすぐに駐車場ができることです。そしてその駐車場はすぐにアスファルトで覆い尽くし、草一本生えない状態になっています。
固定資産税は土地などの固定資産に対して地方自治体が課税する税金のことで、毎年1月1日時点での所有者に対して課されます。空き地を所有している限り、それが活用されていても放置されていても所有者の資産であることには変わらないので、固定資産税がかかり続けることになります。その対策として駐車場の経営をしているということなのでしょう。
ちょうどWebを調べてていると以下のようなページがあり、そこで駐車場経営は、駐車場経営は初期費用も高くはなく、ランニングコストもあまりかかりません、ということが書かれています。
駐車場用地探しに積極的な企業
街中ですが、ちょうどビルが取り壊されたと思ってできたのがこのような駐車場です。大和ハウスグループのようですが、ここに限らずパーク24や三井のリパークなどもよく見かけます。あとはトヨタもトヨタエンタプライズという会社が手掛けているようです。
すぐに収益化につなげてくれてとてもありがたい存在ではあるものの、このような駐車場がもう少し自然環境を考慮した取り組みであればと本当に思います。
どのような対策があるのか
土地の有効活用、というよりも収益で税金分を確保するということではこのような駐車場は仕方ないとして、駐車場そのものをもっと気候変動対策を考慮したものにできないのでしょうか。
その対策として考えられるのが、透水性舗装です。前田道路株式会社のHPにも紹介されています。街路樹の保護育成、雨天時の歩行性の向上、治水対策等の機能を有する舗装で、都市部の生活環境を改善し、ヒートアイランド現象の抑制に貢献するものです。
表層または表層・基層に透水性のアスファルト混合物を用いることにより、舗装体を通して雨水を路床へ浸透させ地中へ還元する機能、および浸透した水の蒸発散により大気に還元する機能を有する舗装とのことで、例えばこのような舗装にするだけでも現在のヒートアイランドを少しでも防げるはずです。
これは通常のアスファルトよりもコストがかかるとは思いますが、トヨタも三井不動産も、パーク24も気候変動に対する対策を銘打ってやっているのに、なぜこのような取り組みをするなどした本質的な貢献をしていないのか。企業として力があるのであれば、そのようなアルファルトの導入をすれば固定資産税が少し安くなるとか、駐車場に一定の緑地化をすれば固定資産税を下げるようにするとか、企業から現在の税制をもっと気候変動対策に目を向けるように仕向けることができないものなのでしょうか。
気候変動対策は目の前の一つ一つの課題を、丁寧に潰していく作業だと思うので、ぜひともまずはヒートアイランドを防ぐ仕組み作りを土地を開発する企業にやってもらいたいです。
そもそもトヨタは、国が敷設したアルファルトの上に自動車を走らせて稼いでいるでしょうから、この駐車場に限らず、道路周辺の緑地化などに力をいれてもらいたいです。
このような酷暑を毎年迎えるたびに、このアスファルトで固める企業の姿勢、なんとかしてもらえないかと思います。