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石油投資撤退が進む裏で・・・

先日12/22の日経新聞に「石油投資撤退が招く汚染」という記事がでていた。投資家からの声で温室効果ガス削減を求める中で、欧米企業が石油投資をしなくなる(=ダイベストメント)によって、温室効果ガス削減をするために必要な技術が、欧米企業撤退後に引き継いだ会社などに引き継がれず、結果としては温室効果ガスがより多く出てしまうというジレンマということのようである。

ちょうど読み終わった「脱炭素経営入門」には、TCFDという、気候変動に関する企業の対応について情報開示をうながす「気候関連財務情報開示タスクフォース」(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)についての解説もあり、自社への財務的影響のある気候関連情報を開示していくことが、今後は求められていくこともあり、個々の企業努力で徐々に脱炭素が進んでいく仕組みが整いつつあることを知った。しかし、ふと今週に読んだこの日経新聞の記事については、まさにその裏で起きていることであった。これまで読んだ環境系の書籍には全く触れられていなかったこの事実についても、考えて行く必要がありそうであった。

最近なんとなく日経新聞でも環境関連の記事が増えている気がするが、温暖化ガス削減の取り組みの成果を民間事業者間で売買するカーボンクレジット取引が膨張しているという記事も読んだ。放置すれば伐採が進む恐れがある森林を保護すると、植林と同様に二酸化炭素(CO2)削減効果があるとみなし、クレジットを発行できるというもの。しかしここでは、放置すれば伐採が進む恐れがある森林の見積もり量(例:100)を、実際に伐採が進む恐れがある森林(例:70)よりも大きく見積もることで、クレジット量を実際以上に大きくみせている(実際には70の削減効果なのに、100の削減効果として取引しているので30が水増しされている)というもののようで、「7割超で過大に認定された可能性があった」という記事もある。

それであればまさにこの脱炭素取引をうまく使って、「石油投資撤退が招く汚染」という課題においても積極的に支援できる仕組みを整えられないものか。表の面ばかりを見ていると、折角の努力が無駄になる。1.5℃の気温上昇に抑えるための炭素予算は2600Gt。これまで排出したのは2200Gt。残り400Gtで、直近は毎年40Gtの排出量、つまりあと10年・・・これを乗り越えるためによりGlobalに問題を解決していかなくてはならないという記事であった。


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