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ごみ問題と気候変動 – 私たちが直面する現実

先日、日経アプリから届いた通知で、非常に気になる記事を目にしました。それは「人口減っても列島『総ごみ屋敷』 処分場、20年後に満杯」というものでした。


1.日常生活に潜むごみの課題

毎日の生活で、私たちは無意識のうちに大量のごみを出しています。ゴミ収集日には、マンションやオフィスのゴミ捨て場が溢れんばかりのごみでいっぱいになる光景が日常的です。

例えば、コンビニでお弁当を買うとプラスチックの容器やスプーン、フォーク、さらには袋までついてきます。また、外出先で買うお菓子や飲み物も、包装がほとんどプラスチック製です。最近では、少しでも環境に配慮しようと、ゴミの分別や不要な袋を断る努力をしていますが、それでも気付かぬうちに多くのごみを生み出しています。

今年の夏、街中で多くの人がハンディファンを持っていましたが、これも使い終われば捨てられる運命です。こうした製品が、リサイクルや廃棄後の処理を考慮して作られているかどうか、疑問が残ります。

この記事を読んで、私たちが直面する現実に目を向ける必要があると感じました。しかし、この問題は消費者だけでなく、製品を作る企業側ももっと変わらなければならないのではないでしょうか。

2.ゴミ処分場の危機

日経の記事の内容を引用すると、どうも埋め立て処分場は、今のごみの量が続けば、2046年度には満杯になるようです。

この事実について、あまりテレビを見ていてもやっていないようにも思え、もっと国民の目を向けさせるべきなのでないかと思います。

満杯の見通しは現在の埋め立て量などがベースになっている。人口が1億人を割る50年代にかけて、ごみの排出量が全国的に減る可能性は高い。
様相が異なるのが東京だ。都の推計では23区の人口は35年まで増え、50年時点も現在並みになる。訪日外国人客も流入し、ごみが減りにくい状況が続く。
23区のごみを埋めるため処分場を広げてきた東京湾には、船の航路確保のため拡張余地がなく、現在の処分場で最後となる。計画では50年以上先の満杯時期はごみが増えれば早まる。満杯になれば他地域にごみを運ばざるをえず、東京と地方の押しつけ合いになりかねない。
人口が減る地方では土地に余裕ができ、処分場を造りやすくなるように思える。今も新設の動きはあるが「簡単な話ではない」と立教大学の藤井誠一郎准教授は指摘する。
「水源に近いと埋め立てが飲み水に影響しかねない。ごみ運搬車の騒音など住民の合意もいる」。現在の処分場の延命が「現実的な対策だ」と話す。

日本経済新聞 2024年9月1日


3.ごみ削減に向けた取り組み

では、私たちはどのようにしてごみを減らすべきなのでしょうか?

  • 食べられる植物の開発
    福島県では、丸ごと食べられる新品種の桃が開発されており、今後もごみを減らすための農産物の開発が期待されています。

  • ごみを資源に変える取り組み
    コーヒーかすやミカンの皮を建材や雑貨に再利用する企業も増えてきました。こうした取り組みは、ごみを資源として活用する新しい発想を広げています。

  • 料理法の工夫
    ごみを出さない料理法を広める活動も行われています。たとえば、食材を無駄なく使い切るレシピを共有することで、家庭から出るごみを減らすことが可能です。


4.気候変動との関連

ゴミ問題は単に「埋め立て地が足りない」というだけの話ではありません。ごみを焼却する際に発生するCO2が温室効果ガスを増やし、気候変動を加速させます。また、プラスチックごみが海洋に流出することで、海洋生物にも深刻な影響を与えます。これらの問題は、私たちの未来に直結しています。

最後に東京都千代田区長が以下のような話をしていましたが、とても同感です。今後、製品開発の段階からリサイクルを前提としたデザインを採用し、不要なごみを生まない社会を作るために、国が強制的な規制を導入する必要があるかもしれません。消費者としても、身の回りのごみを減らすためにできることから始めていくべきではないでしょうか。

私は22年から毎年、収集業務を体験している。痛感したのは、廃棄時の分別までを意識した製品開発をメーカーに促す重要性だ。例えば最近のマットレスは金属のスプリングとマットが分かれにくく、はやりの小型扇風機はリチウムイオン電池が取り出しにくいものもある。いずれも分別作業に苦労している。

生産過程で対応してもらうほうが社会全体の清掃コストは抑えられるはずだ。国が強制力をもって対応してほしい。

日本経済新聞 2024年9月1日




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