違う景色
骨折生活三日目。地味に困ってることがある。それは自転車に乗れないことだ。
普段ほとんどの移動を自転車で済ませていたので、自転車が使えないことがこんなにも不便なのかと思い知らされている。しかし、その反面良い刺激にもなっている。
例えば普段なら絶対使わない歩道橋。登ってみるといつも見慣れている景色が全く違うものに見えた。また、一瞬であったが金木犀の香りにも気づくことができた。歩いていても一瞬で過ぎてしまうのだから、自転車のスピード感では気づくことすらないかもしれない。
そのほかこの歩きのスピード感で進んでいると気づくことは多々あったが、ありすぎて忘れてしまった。でもそれくらい小さくて他愛のないことなのだ。しかし、歩いているときは確かにそれが楽しく、新鮮な感動があった。その事実さえ覚えていれば内容は忘れてしまってもいいか、とも思う。
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