江波「銀河之心」:アニメ版の印象
3Dアニメ版「銀河之心」
江波さんによる長編小説「銀河之心」の日本語版が刊行開始していますね!
実はビリビリ動画でアニメが制作されており、YouTubeでも公開されています。
ビリビリでは1話無料、2話以降は会員限定なのですが、YouTubeでは12話まで見ることができます。
1話を見てみた
約素(ユエスー)のパート、非常に良い感じに人心が荒れています。特にバーのシーンは短いながらもしっかりサイバーパンクな世界観で、「ブレードランナー」のうどん屋台を思い出します。話し相手はだいたい銃器を持っていて、すぐに発砲しようとします。
そんな不穏なユエスーの生活なのですが、相棒である天真爛漫なAI・布丁(プリン)に癒されます。話し方など、常に人間の味方をしてくれるかわいいロボットということで、なんとなく日本のアニメキャラクターを意識しているのかな?と感じました。
3Dアニメなので、キャラクターがツルっとした質感なのは少し気になってしまうのですが、サムネイルからもわかるようにアップになると毛穴やヒゲも作り込まれていて見事。また、天垂星艦隊パートでは宇宙に浮かぶ艦体も迫力があります。
艦隊パートではろくでなしの(本当にろくでなし感がすごい)王子が出てきます。複数の女性をはべらせて遊んでいるのですが、その趣味が個人的に非常に気になりました。彼女たちはうさぎの耳をつけている一方で顔は隠しており、衣装はボンテージのような素材。しかし、露出度はあまり高くありません。進化系バニーガールと言ったところでしょうか。
制作者の声
「科幻世界」2023年1期にアニメ版「銀河之心」のスタッフ3名へのインタビューが掲載されています。特別企画の一部で、ほかには同じく映像化された「三体」と「黒門」についてのインタビューも行われています。
それによれば、「銀河之心」は非常に長いので、ストーリーラインを明確にするためにエピソードの順番を入れ替えたり、オリジナルキャラクターを追加したとのこと。同時に心情をきめ細かく描いたそうです。これらの工夫によって、ハードSFの色彩が濃い原作に対し、映像作品はスペースオペラの雰囲気をより強く打ち出している、と語っています。
まとめ
今回は江波「銀河之心」のアニメ版を少しだけご紹介しました。原作は長大な三部曲ですが、アニメ版は30分×12話で完結しているので、ストーリーがかなりスピーディーに進んでいくのかもしれません。
長大な三部曲がどのように映像化されているのか、引き続き結末まで見てみたいと思います。
そしてもちろん原作も、翻訳の続刊が楽しみですね!