【WoWS】駆逐艦で撃つ判断は


1 はじめに

 昨今クラン戦や大会などにおいて駆逐艦には魚雷を当てることよりも、即時性のある主砲火力などが求められる傾向にあります。
 隠蔽が重要な意味を持つ本ゲームにおいて隠蔽が命の駆逐艦で自ら姿を現す判断は何をもってするのか、そもそも効果的な主砲の活用時期などについて、クラン戦およびチーム戦向けに個人的な考えをつらつらと述べていきます。

2 現状について

 駆逐艦とは本来隠蔽を生かして
  ・ 魚雷を当てる
  ・ CAPを取得する
  ・ SPOTする
などが凄まじく大雑把ですが、基本的なスタイルでした。加えて対面する駆逐艦と凌ぎあいをしていくのも醍醐味の1つでした。
 しかし、長距離レーダー艦の蔓延に加えて駆逐艦自身もレーダーを持つなど、対面の駆逐艦の隠蔽をあっさりと割ることができる現状では隠蔽が全ての島風などはよほどの艦艇制限がない限り、なかなか使われることはありません。また、クラン戦は現状空母が出禁を食らっていることからほぼすべての巡洋艦はソナーを積んでいるので魚雷を当てる難易度が非常に高いです。
 上記の現状から、高い隠蔽が最重要視されないことや魚雷を安定して当てるということ自体が難しいことから駆逐艦でも主砲火力を出していったほうがいいよっていう場面が必然的に増えています。

3 本題

 「主砲で火力を出す」といっても、当然ただやみくもに撃つだけでは効果的ではないし、むしろダメージを必要以上に受けて試合後半の動きに制限が出てきてしまいます。
 ここでは、CW27を例に出して駆逐艦で主砲を撃つタイミングについて解説していきます。

緑が自陣、赤が敵とします。MAPは罠。
まず、敵が4隻で自陣が3隻と隻数で負けているので自陣としてはどうやって時間を稼ぎつつダメージ差を少なくして凌いでいくか、という目的で戦闘していきます。

以下は一例です。

 味方駆逐艦が苦しいのは、一目瞭然です。
 CW27で多様されていた駆逐艦はフランス駆逐「ファンタスク」「テリブル」だったので2隻を同じ方面で運用することが多く、シーズン中よく見られたタクティクスです。
 上記の状況をもう少し詳しく説明すると、
 敵の目的はフランス駆逐2隻(+α)で集中砲火し、敵巡洋艦の撃沈することでしたが、互いの駆逐艦が発見しあったために撃ち合いが開始、味方巡洋艦が敵最前線の駆逐を撃つも直撃はせず大したダメージにならず、味方駆逐は距離の近い敵駆逐2隻分と巡洋艦の火力にさらされることとなり、ダメージレースに敗北、以後積極的な動きができず
 というものです。
 この状況での一番の反省点は複数の駆逐艦が接近していることが予想できたが、駆逐同士が隠蔽距離で接敵してしまったことです。当然敵のヘイトが味方駆逐艦に集中するので駆逐艦への負担が大きなものになります。より距離の近いほうが弾を当てやすいので駆逐1隻分で大きな火力負けをする結果となりました。


次です。これは駆逐艦が主砲を撃つことで効果的な戦果を出せた状況です。

 同じ隻数差ですが、撃ち合いの状況が少し異なります。 
 すでに撃ち合いが始まっている状況で巡洋艦にヘイトが集中しています。
 味方の駆逐艦はまだ隠蔽状態で艦長スキル「探知」も受けていないことから敵も巡洋艦2隻のみしか認識できていない状況です。
 敵は、先に述べた通り巡洋艦を集中砲火して落としてしまいたいという目的があります。そのため、敵駆逐艦は前を向いて追撃し、敵巡洋艦を隠蔽状態に入れさせたくないという意思が強くみられます。
 このタイミングで味方駆逐艦が撃ち合いに参加したらどうでしょう。
 巡洋艦だけの砲撃なら加減速で相当な数を避けることができますが、クロス位置かつ確実に弾が当たる距離感でいきなり駆逐艦に撃たれ始めます。
 敵にはいくつか選択肢があります。
・ このまま予定通り巡洋艦を撃ち続ける
 →クロスを取っている駆逐艦はフリー射撃となり敵駆逐艦に大ダメージ
・ より距離の近い駆逐艦にヘイトを集めなおす
 →駆逐艦は引き撃ちをいつでもできる体勢を整えている+駆逐を撃っている間は巡洋艦がフリー射撃になるのでいずれにしてもダメージレースは優位に進められる可能性が高い
・ 当初の予定を変更、撃ち合いをやめて体制を立て直す
 →隠蔽に入るまでに味方は撃ち放題なのでダメージレースで有利になれる
いずれを選んでもこの時点でこちらの有利がほぼ確定します。
 隻数差は最初の例とまったく同じですが、駆逐艦1隻が効果的な位置およびタイミングで主砲を撃つだけで、戦況は大きく変わってきます。

4 備考

 今回挙げたのはあくまでCW27における一例です。
 ただ似たような状況はT10クラン戦でも発生するでしょう。
 大切なのは敵が考えている優先度の意識を自分で感じ取れるか、だと思います。例えば、
 ・12キロ先のHP3割を切った巡洋艦
 ・7~8キロ先からめちゃくちゃ火力を出してくる駆逐艦…
 どちらも同じくらい撃破および射撃する優先度が高いです。
 駆逐艦は遊撃力の高い艦艇です。そのため、自分に対する敵からの優先度を正しく認識し、時には隠蔽を自ら捨てることでより影響力を出し、味方のヘイト受け取ったり、思いがけない攻撃で相手に思考させる時間を作ったりと形にとらわれない動きをしてタクティクスに柔軟性を持たせることができるセンスの問われる艦種でしょう。
 相手に優先度の高い目標を複数同時に提示するということは試合を有利に進めるうえで必須なスキルでしょう。

5 終わりに

 駆逐艦の動きに関しては、タクティクスで最初から最後まで決められるものではないので初動以降の動きのほぼすべてに乗り手のセンスが問われます。難しい反面試合を動かす力もあるので面白い艦種だと思います。

 今週末からKOTS国際戦が始まりますね。EUチームはまさに駆逐艦で火力を出すのが非常に上手いことに加えてタクティクスが終始流動的な部分があり、私も勉強になります。また日本チームが現時点でどこまで対抗できるかも楽しみの一つですね。後方で腕を組みながら見ていきたいと思います。


いいなと思ったら応援しよう!