【サンホラ】もっと早く生まれていれば良かったという思いが、今回のハロパで払拭された話

もっと早く生まれていれば、もっと早く出会えていれば…。
SoundHorizonにハマった時から、何度もそう思った。



1.私がSoundHorizonを知ったきっかけ


私がサンホラを知ったのは2020年頃。私が中学1年生だった時だ。

当時、世間では某鬼を滅するアニメが社会現象を引き起こしており、流行の波に呑まれるがまま、私は漫画・アニメという世界にどっぷりハマってしまったのである。

サブカルの沼に沈んでいくと同時に、厨二病も併発し始めていた私は、「俺、グロいのとか全然平気だから(笑)」という思いで、進撃の巨人に手を出すこととなる。

そしたら、進撃の巨人の世界観、設定の作り込み、謎や伏線の数々に見事にハマってしまい、「この作品についてもっと知りたい!」という思いが強くなっていった。


そこからはもう速かった。

LinkedHorizonという音楽ユニットが、進撃の巨人関連の楽曲をたくさん作っているらしい

めちゃめちゃいい曲だな。もっとこの人の楽曲を聴きたい

SoundHorizonというユニットもあるらしい。いっちょ聴いてみるか!

という、ものの見事な流れでSoundHorizonの織り成す世界にハマってしまったのである。


2.知った時にはもう遅すぎた


私がサンホラにハマった2020年に、楽曲のサブスク配信が開始されており、メジャーデビュー後の作品には比較的触れやすかった。

しかし当時、サンホラの動きはかなり少なかった。

いや、実際にはAround 15周年記念祭だとか絵馬だとか動きはしっかりあったのだが、
情弱金無し中学生が絵馬に手を出すのはあまりに難しく、ずっと触れずにいた。

ましてリンホラに至っては、動きがほぼ停止している状態だった。

そのため、私にとって、サンホラを応援する行為=過去のコンテンツを追いかけること、という意味となってしまった。

CD音源を聴き込んだり、お年玉でちょくちょくDVDやBlu-rayを買って、コンサートの映像を繰り返し見ていた。

Twitterや過去のブログ、考察サイトで当時のエピソードを漁っては情報収集を繰り返した。

さながらネット探窟家になった気分で、かなり楽しい日々であったが、私の中ではある一つの感情が渦巻いていた。

それはタイトル通り、もっと早く生まれていればよかったのに、という思いだ。

過去のコンサート映像を見ると、初期のインディーズ感がありつつも、みんなで作り上げている雰囲気のあるコンサート、最近の力の入りまくった映像作品として完成度の高いコンサートなど、すべての作品が私の心を掴んだ。

これを生で見てみたかった。ここで私も声を揃えて合唱し、拳を振り上げてみたかった。
映像化するにあたってカットされがちのMCでRevoさんのお言葉を聞きたかった。

しかしそんなことが出来る筈がなかった。

なぜならば私は聖戦のイベリア生まれだからである。
聖戦のイベリアで産声を上げ、Moiraで言葉を発し、イドイドで歩きはじめ、Märchenで自我を持ち始めた人間だからである。

Romanに至っては、生まれて来る前に発売されたイヴェールのろーまん状態だ。

それこそ地平線の英才教育でも受けない限りもっと早くサンホラを知るなんて不可能である。

寧ろよくこんなにスムーズにサンホラにハマれたなと、自分に感心するレベルだ。

でも、もしもっと早く生まれていれば…せめて5年ぐらい早く生まれていれば、Neinコンとまでは行かなくても、進撃の軌跡ぐらいなら参戦することができたのではないかと、よく物思いにふけていた。

事実、私がハマってからもコンサートは行われていた。

だが、アコナイはあまりにも敷居が高いし、オケコンもキャパは特別多くなかったため、「こんなぽっと出の新規が席を奪ってしまっていいのか…?」と謎の杞憂をし、参加する勇気がずっと出ずにいた。


3. Revo’s Halloween Party  開催決定


転機が訪れた。
Revo’s Halloween Party 2024の開催が決定されたのだ。

参戦するか迷っていた私を、ある3つの事実が後押しした。

会場であるぴあアリーナMMのキャパは、
約12000人。比較的、かなりキャパが多いこと。

また、すずかけ児童合唱団の参加。
憧憬と屍の道がこの世で何より好きな私は、「これは生で聴けるチャンスなのでは!?」と考えたこと。

そして、Revoさんのコメント

それらに後押しされた私は、二日目に参戦することを決意した。


4.ハロウィンと朝の物語リリース


ハロパを1ヶ月後に控えた10月某日。突如として発表されたハロウィンと朝の物語。

当初は、サンホラ楽曲だと歴史は繰り返す系の物語だとか、将軍に続く系の曲調が好きな私は、「現代日本かー」と、「あんまり好みじゃないかもなー…」と思っていた。

けれど聴いてみると、そんな予想とは裏腹に、本当に名曲の数々だった。

この作品には戦争や殺戮のような地獄は出てこないが、我々の、誰しもの心にある地獄に寄り添ってくれる。

それは現代日本が舞台であるこの作品にしかできないことだと思う。

かつて何者かになりたかった
でも私はずっと私だった
ずっとこの道を歩いて行くんだ

あの日の決断が奔る道

この歌詞に私は強く背中を押された。これから自分の在り方や人生について悩むことも多いと思うが、若者である今このフレーズに出会うことができて本当に良かったと思う。


5.皐月の箱庭を聴いて

今回私は初めて歌詞の聞き取りとやらに挑戦してみることにした。

セリフパートや、所々の聞き取りに苦労しつつ、ようやく皐月の箱庭まで辿り着いた。

そんな中、突如

JENNIもZIDDYもLovetoxicも好き

皐月の箱庭

と、聞き慣れたブランド名が出てきて私は耳を疑った。

JENNIやZIDDY、特にLovetoxicは私が小学生の時、憧れを抱き、大好きだったブランドであった。

そこから懐かしい記憶が次々と掘り起こされていった。

そういえば私も皐月ちゃんと同じく3人組で仲良くしてたなー…と。

ゲームもアニメも漫画も好きだったなぁと。

友達の恋バナもK-POPの振り真似も、マックもサイゼもスタバも………。
全部私が大好きだったもので、物凄く親近感を覚えた。

言ってしまえば、よくある量産型小学生の趣味だし、同じことをしていた小学生なんて全国に何万人もいたことだろうが、それでも私はそれがとても嬉しかった。

それはきっと、私があの時生まれたからこそ感じられた感覚であろう。


6.ハロパ当日、成仏した思い


私は二日目に参戦したが、盛りだくさんの内容で、懐かしい楽曲もたくさん演奏していた。

衣装、演出、振り付け、小道具、演奏ets…
何もかも力が入っていて、このハロパの本気具合が伺えた。

Arkのソロルが研究員に運ばれていくところ、黄昏の賢者のステッキ振り、忘れな月夜の裁判のシーンのダンサーさんとアクターさんの動き…

特に人生は入れ子人形の再現度は凄かった。

Moiraのハンカチ、ダンサーさんと歌姫の愉快なダンス、「開けても開けても苦しみばかり」の絶妙にダサい映像……

全てストコンの映像を見ながら、私が憧れを抱いていたものだった。

それがあの場で生で見れたこと、踊れたこと、コール&レスポンスが出来たこと。

それらを達成できた私の今までの思いは成仏した。


7.主宰の言葉。そしてこれから。

最後のMCで《様々な考察がなされているがここでは便宜上、Revoとしておく》さんが、

「初めてSoundHorizonのコンサートに来た人〜?」

と、質問を投げかけた。

私はすかさず手を挙げた。周りを見渡すと、結構同じ様な方もいらっしゃるみたいだった。

すると隣に座っていた、寡黙な、おそらく古参ファンと思わしき方が、「おー!」と言って拍手をしてくださった。

私にはそれがとても嬉しかった。

会場の方々の温かい拍手、Revoさんの「一曲でも好きな曲があればいい」というお言葉、私はそれらを見てとても安心し、私はここにいていいんだと思うことが出来た。


「今日来られなかったローランもいる」

「死んだ後だって来てもいい」

と、Revoさんは言っていた。

そして10年後、20年後の未来の話をしてくれた。


ここから始めればいい。

SoundHorizonのこれからの話をRevoさんはしてくれた。

私はそれを信じて、今から紡がれる歴史を、物語を見届ければいいんだ。

もう新規だからって変に自分を卑下するのは辞めよう。

生きてあの場に来れたこと、生きて今音楽を聴けていること。

それこそが幸せで尊いのだということに、やっと気付けた。


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