麻酔分娩レポート
を、書こうと思っていたのに
できませんでした。
麻酔分娩。
間に合いませんでした。麻酔が。
普通に産みました。
私が出産した病院では、麻酔分娩と呼ばれていますが、いろんな呼び方があるみたいですね。
無痛分娩とか、和痛分娩とか。
細かい定義はよくわかりませんが、
ともかく第二子は計画麻酔分娩で出産する予定でした。
そしてやり方も、病院によって様々みたいですね。きっといろんな考え方とかポリシーがあるのだと思われます。私は専門家ではないので、どういうのがいいということは分かりませんが、
あらかじめ計画しておくタイプと、急なお産にも対応できるタイプとかもあるようですね。
私の病院は、平日1日1人限定で、夜間休日は対応不可!ということで、あらかじめ日程が決まっている計画分娩タイプでした。
そして流れとしては、
赤ちゃんにストレスをかけないために、子宮口がある程度開いてから陣痛促進剤及び麻酔を始める
というやり方でした。
なので、ざっくりいうと
分娩予定の前日に入院し、子宮口の開きを確認、あんまり開いてなかったら開くような措置をして、翌日いい感じになってきたとこで麻酔&促進剤スタート!という予定だったのですが、
前日の措置をしたら、
子「あたち、もう出る!」
となってしまったようです。( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
翌日の麻酔スタート可能時間まで待てずに陣痛が始まってしまいました。
助産師さんたちは、
「まだ本格的な陣痛じゃないかもしれないし、措置の刺激で一時的に陣痛になっても遠のく人もいるから、、、!」
「なんとか明日までもつといいんだけど、、、」
と、麻酔が使えるように気を使ってくれたりもしましたが、
こればっかりは抗えませんね( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
私ももちろん
この陣痛っぽいやつは気のせいであってくれ!
遠のけ!間隔広がれ!明日までまってくれ!!
と思いましたが、
こればっかりは抗えませんね( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
どんどん強く、定期的になっていく陣痛。
1人目より圧倒的に早いペースで広がる子宮口。
助産師さんたちの間に少しずつ広まる諦めムード。
だんだん私も、
コリャ麻酔まで持たないな、
という気がしてきました。
いやむしろよく今までお腹にいてくれたよ。
お兄ちゃんはもっと早く出てきてしまっていたしね。
ちゃんと今日まで待ってくれたから、入院日程は計画通りで、義母や実母へのヘルプも頼んでいた通りにお願いできたしね。
前駆陣痛とかおしるしとかもう産まれそう感満載だったのにね、
よく待ってくれたよむしろね。
、、、、っていうか
痛い!!
助産師さんたちは「なんとか麻酔までねぇ」と言ってくれておりましたが、
麻酔(=明日)までもつ(お産始まらない)ってことは、明日の麻酔可能時間まで、この「産むぞ!とはならないけど定期的にずんずんどんどん痛いタイム」がつづくってことですよね?
あと12時間くらい⁈
痛い!
え、それって、ここから12時間耐えてでもやっぱり最後の「産む時の痛み」を麻酔でとってもらったほうがいいのかな⁈
痛い!!
何度も言うけど前回のこと覚えてないからわからんな、、、最後がことさらに痛いんだっけ?
いやいや、でももう痛いよ!!!もうずっと痛い!!!すでにこんなに痛いのにここから12時間キープするの?無理じゃない?てかこれ12時間耐えて麻酔して麻酔の意味どのくらいあるんだ⁈今じゃない?むしろ今のこの痛みをとってくれるはずだったんじゃないの麻酔分娩て?
痛い!!!
え、じゃあもう耐えちゃってるよ、このまま12時間耐えたらなんかもうここまで含めて17時間分くらいの耐え損にならない????
それって麻酔分娩代のモトとれる?!
痛い!!!!
てか明日の朝9時の麻酔までもったとして、午前中は夫仕事で立ち会えないんだよな、、、だからできれば午後まで待って欲しいけど、、、さすがにそこまではもたなくないか、、、?
痛い!!!!!
と、痛みに耐えながらもケチ根性と打算的な見通しが湧き上がってきた結果
よし、産もう。
麻酔は諦めて。
なるはやで。
出そう。
と、覚悟を決めたのでした。
とはいえ、覚悟を決めたからと言ってこちらの都合よくことは進むわけでもないので、
私にできたのはせいぜい
「もう少し待っててくれ!」と祈るのをやめたってことくらいですが。
でも思いが通じたのか、もうダメです!しっかり痛いです!間隔も狭くなってる気がします!とナースコールしたときにはさらに子宮口が広がっていて、分娩室に行けることになりました。
それからも陣痛の波が来るたびにいちいちナースコールしていたからか、「まだすぐには出て来ないと思うけど、旦那さん呼んじゃう?」と言ってもらえて夫召喚!(深夜1時くらい)
そのあと「麻酔諦めるって決めたのどこのどいつだよ!!!めちゃめちゃいたいじゃないか!責任とれんのか!、、、、ってわたしだよ!!」ってなる闘いがしばらく続き、早朝4:10くらいについに出てきてくれました。
忘れていた「産むときの痛み」は、想像を超えてきて、というか陣痛始まってからずっと、「めちゃめちゃ痛い!これが続くの?」って思ってたら「いや続くんじゃないもっと痛いどんどん痛いめちゃめちゃクレッシェンド!!!!」って感じだったので、
正直途中何度も「嗚呼憧れの麻酔分娩、、、」と思ったし、申し訳ないくらい大騒ぎして、
もう無理です。できません。
これ以上むりなんです。
休ませてください。
と助産師さんに懇願したりもしました。
が、やはり経産婦、頭は忘れていても身体は覚えていたよ!ということで陣痛開始からの時間が短かったからなのか、
今回は立ち合いができて、夫が近くで励ましてくれたからなのか、
1人目の時よりも、産んだ!という瞬間がちゃんと分かって、出てきた瞬間
「あ、ほんとにわたしから出てきた〜」
と思う、静かな感動の時間を体験できました。
その数十秒間だけ今まで痛かった全ての痛いのがなくなって、
さっきまでの阿鼻叫喚が嘘のように
私「ほんとにでてきたね〜」
夫「ね、出てきたね、すごいね、あんな大きいの入ってたんだね、すごいね、あ、泣いてるね」
私「ね〜大きかったね〜、泣いてる泣いてる〜」
としみじみと誕生の余韻に浸れたのがとても嬉しかったです。
ちなみに痛くなかったのはその数十秒間だけで、その後後産したり縫合したり後陣痛きたりまた痛い時間でしたが。
分娩時間は12時間。
1人目の30時間に比べれば半分以下!
1人目の時には叶わなかった立ち合いもでき、出産後の分娩室での写真も撮ってもらえ、
なにより無事にかわいい我が子に対面でき、
とても幸せな出産でした(*^^*)
1人目の時にも思いましたが、
人間を産むということは、ほんとに並大抵のことではありません。
そして、1人ではとても無理。
今回もたくさんの助産師さんやお医者さんや夫や、息子を見てくれてた義母や実母やその他たくさんの人々のおかげでなんとか出産できました。
それはこの子だけではなくて、
世の中の人間みんな、
新生児室の長女の隣で眠ってる赤ちゃんも、
長女が産まれるのを手伝ってくれた助産師さんも、
病室の窓から見える道を歩いてるおじさんも、
みんなみんなそのお母さんがいろいろ大変な妊娠期間と激痛に耐え、周りの支えがあって、
産まれてきたんだなぁって感じられて、
人類みんな愛しく感じます。
俵万智さんの
年末の銀座を行けばもとはみな赤ちゃんだった人たちの群れ
という歌を思い出しました。
そうだよね、みんな赤ちゃんだったんだ。
みんなみんな、がんばってがんばって、産まれてきたんだよね。
そしてがんばってがんばって、そんなに大きくなったんだよね。
なんだかみんなに優しくなれそう。
さて、そんな気分にさせてくれたかわいい我が子は、「あんな大きいの入ってたんだね〜」という我々の感想に反して大きいなんてことは決してなく、2328gの低出生体重児(それでも兄よりは大きい!)ということで、兄に引き続きしばらくは新生児室にお世話になりそうです。
いっぱい飲んで、寝て、早く大きくなっておうちに帰ろうね。
あなたのことを待ってる人が、たくさんいるからね(*^^*)
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