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バタゴフのパーセル

今回は、アントン・バタゴフが演奏するパーセルの「グラウンド(ハ短調)」について紹介してみようと思います。

楽曲は、繰り返されるベースパターンの上でメロディが展開していくシンプルな構成です。この演奏では、最初にベースパターンだけをオクターブ増強して前奏のような形で示し、そこから演奏に入っています。

同氏はテンポ設定が極端に遅いことで有名なようで、メシアンの20の眼差しがCD3枚組になったり、バッハのパルティータが1曲1時間になったりと中々ですが、この演奏では訥々とした語り口が曲とあっていて、聴いているととても落ち着きます。ただ、終わり方がかなり唐突で、そこでハッと現実に引き戻されるような感覚になります。そのため、演奏としては素晴らしいですが、睡眠導入とかには向かないように思います。

(なお、テンポ設定について、同氏のチャイコフスキーコンクールのライブ音源もYoutubeに上がっていますが、そちらのプロコフィエフは大変白熱した演奏でした。考え方が変わる、何らかの契機があったのでしょうか。。)


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