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水車小屋のネネ
水車小屋のネネ読みました。とても面白かったです。
すごい長い小説ですが、物語としては、家族に傷つけられた人たちが蕎麦屋に集まってくるという話です。
すごい長いですが、海外小説みたいに登場人物はそこまで多くなく、一人一人の人生を丁寧に淡々とした文章と、淡々とした挿絵で描き、とても読みやすかったです。とにかく、文章と絵のマッチング具合が半端なかったです。挿絵も多いしね。
物語は、2人の姉妹の妹(小学生)が、母親とその新しい恋人からネグレクトを喰らうところから始まる結構ショッキングな冒頭。たまに映画とかでも見るけど、なんで虐待とかすんだろうかと思う。パリタクシーっていう映画でも同様の展開があったけど、ネグレクトした男は股間を燃やさせれてもいいって法律を作ってほしいよ。同性だけど。これは仕方なし。
そんでもって、姉(高卒)が妹を連れて、住み込みで働ける蕎麦屋に働きに行くって感じ。すんごい端折っているので、ポロポロ間違ってると思います。
舞台は1980年代とはいえ、姉妹二人だとキッツイ状況だと思う。そこを他人の善意と、地域に溶け込んでいこうと気概で乗り切っていく様子が、地域に全く溶け込むことができない4月に田舎に移住した自分に強く刺さりました。所詮フィクションだし、向こうは子供で、こっちは大人だしという言い訳以上に、自分ももう少し頑張んないとなあと。そばがうまい地域というのは小説と同じだし。
あとは、ヨウム。蕎麦屋の店主が飼育しているのがヨウムのネネ。ヨウムっていう鳥を初めて知ったが、寿命は50年で、知能は5歳児程度で、会話でコミュニケーションができて実際に存在するらしいということで結構たまげた。
どうせ結婚もしなければ、子供もできるはずないし、俺も飼おうかなヨウム。作中で、レッチリの曲をたびたび歌ってた。レッチリ歌うヨウム飼いたいなあ。と思って調べたら50万くらいするので諦めました。50万あったら車買い替えると思う。
全然まとまってないものの、あまり書きすぎるとネタバレになってしまうので、こんなもんにしときます。物語はその人一人の人生分続くので長く、また現実に即した内容なので、家庭環境でのトラブルから、震災、コロナなど様々な逃げられないトラブルに見舞われます。自分の場合は家庭のトラブルが無いだけ幸せだけど、それ以外のトラブルはモロにくらっても、今こうやってしょうもない文章書いてられるのは幸せだよなあと感じなくもないです。
ペット飼って、周りの人たちと仲良くしていこう。自分にはできないけど、そんな風に思える作品でした。了