祖父と私
敬老の日
9月16日。今日は敬老の日。
月曜日が祝日だ!なんて浮かれていた三連休。
私は亡くなった祖父に思いを馳せていた。
怒ったら怖い早寝の人
私の祖父は怒ったら怖くて、とても厳しい人だったと家族は言う。
祖父といえば?と家族に聞けば「怒る!」「怖い!」「すごい早寝!」と言われる程度には。
祖父といえば?ですごい早寝とは。確かにすごく早寝をしてはいたが。
なんだ怒りっぽくて怖くて早寝な人って。
それで良いのか?
絶対怒られそう。確実に雷落とされる。
まあ早寝の話は置いておいて、やはり怖い人、怒りっぽい人というイメージが家族には強いらしい。
そんなこと言ったら雷落とされる!と警戒した程度には祖父は怒ったら怖い人だと私も思う。
祖父と私
だが祖父に怒られた!怖い!と語る家族とは反対に、私は祖父に怒られた記憶が全くない。
多分一回も怒られたことがないんじゃないか。
もちろん怒っている姿は見たことがあるけれど。
私と祖父といえば、二人で仲良く留守番をしていたり、祖父が他の家族には隠していたおかしを分けてくれたりと良い思い出ばかり。一緒にいた時間も長かった。
思い返せばたくさん可愛がってもらっていたな。
さすがに幼い頃の私が転んで泣いてしまったからと、おもちゃを買ってくれたのは甘やかされすぎな気もするが。
でも単純な私のことだ。きっとおもちゃに釣られて、転んだ痛みも忘れて泣き止んだだろう。ありがとう。
こんな話もあるくらいに、一番祖父に可愛がられていたのは私だったと家族も口を揃えて言う。私もそう思う。とても仲が良かった。
あと読書の楽しさ、活字の魅力を教えてくれたのも祖父。祖父のおかげで今の私があると言っても過言ではない。
あの日のこと
だからそんな祖父が亡くなった時はとても悲しくて、あまりにショックで、その日のことを今でも覚えている。
その日は朝起きて、自分の部屋を出て早々に「祖父が亡くなった」と父に言われたが、私はその言葉の意味が全く理解できなかった。
お父さん何言ってるの?と本気で思っていた。
元々祖父は入院して闘病生活を送っていたし、祖父の病状が危ういことも私はもちろん知っていた。
でも心のどこかで、病気が治るんじゃないか、元気に家に帰ってこられるんじゃないかとずっとずっと信じていた。
なによりも、ちょっと前に病室で話したばっかりじゃん!私がカルピス好きだからって、病院のコンビニで買っておいたのくれたじゃん!
だからあまりにも信じられなくて。
祖父が亡くなったと聞いても何も言葉にできなかった。何を言ったら良いのか分からなかった。
何年経とうが悲しいものは悲しい!
亡くなったその日は泣かなかったのに、その後はお葬式で泣いて、家族にバレないように布団の中で泣いて、祖父を思い出しては人知れず泣いていた。とにかく泣いていた。
普段あんまり泣かない私だって悲しいものは悲しい。
このnoteを書いている今だって、ちょっと視界が潤んできている。もう何年も経っているのに寂しくて。
祖父に怒られて泣いたことはないのに!
亡くなった後は祖父に泣かされてばかり。
祖父へ
祖父がどう思っているかはもう知る術がないけれど、祖父と一番仲が良いのは私だと勝手に思っている。家族もそう言っているし。
あとカルピスを飲むたびにお見舞いに行った日のことを思い出して、少しだけしんみりした気持ちになってしまうのは困る。でも今もカルピスが好きだよ!
今でも思い出しては懐かしくて、会いたくて寂しくて泣きそうになるけれど、なんとか頑張っているよ。
だからこれからも見守っていてください。
いつもありがとう。
このnoteが天国の祖父に届いたら嬉しいな、なんて思いをこめて。