富山・岐阜旅行記
まず、富山の鉄道やアルペンルートを楽しみ、黒部ダムの歴史や大糸線の絶景に感動。最終日は木曽路で漆器文化や宿場町の歴史に触れる。鉄道と地域文化を堪能した4日間の旅だった。
1日目 京都-富山
まず乗ったのはサンダーバード。常時130キロ近くの運転は迫力満点だった。敦賀からは北陸新幹線で富山まで。21時ごろに到着し、快活で1泊。
2日目 富山周遊
「引退間近の国鉄型車両と富山の鉄道を巡る1日」
翌日、引退間近の国鉄型車両に乗りに高岡を往復。長い間北陸本線の普通列車といえばこの顔の車両だったが今は平日の1往復のみに運用が減らされている。このモーター音と車内の匂いがたまらない。本当に乗れて良かった。
富山駅まで戻り、アルペンルートで長野県の信濃大町まで向かおうとしたのだが、大雨で高原バスが運休とのことで富山側からアルペンルートが入れないらしい。信濃大町側から回るしかないので今日は富山周辺散策に切り替える。
まずは路面電車に乗ることに。富山は路面電車の町としても有名で、富山駅の構内を路面電車が貫いている。
最初に向かったのは富山港線の岩瀬浜。この路線は昔はJR線だったが、利用者減少で路面電車に移管された。しかし現在では多くの電停を置けるという路面電車の利点を活かし、移管は成功したと言える。
その後も市内の路面電車に乗った後、富山地方鉄道に乗る。富山地方鉄道の車両は東急、京阪、西武など全国から中古車両をかき集めており、どの車両が来ても面白い。また運用も面白く、特急車両が普通列車としても運用に入っている。また、どこの駅舎も木造の味のあるものが多い。このような昭和の鉄道ではどこでも見られた風景を富山地鉄は色濃く残していた。
富山駅まで戻り、名物のますの寿司を食べた。お酢でしっかりと味が締められていて美味しかった。そして最近ハマっている図書館巡りをするために富山市立図書館に行く。細かな木細工やガラス、照明の配置にとても手が込んでいてとても良い雰囲気だった。たまたま近くにあった「アニメと鉄道」という本を読んで時間を潰す。富山は細田守監督の出身地であり、アニメの聖地にもよくなっているためアニメとの関わりも深い。その後は南富山の快活で1泊。
3日目
「黒部ダムの歴史に触れるアルペンルートと絶景大糸線」
南富山(富山地鉄)富山(旧北陸本線)糸魚川(大糸線)信濃大町(アルペンルート)信濃大町(大糸線)松本
南富山駅から富山地鉄に乗ったが、発車と同時に、スマホを駅のベンチに置きっぱなしにしたことに気づいた。折り返しで富山まで戻り、スマホを回収したが、富山から乗るはずだった普通列車に乗り遅れてしまった。幸いにも新幹線の半額切符を持っていたので当初の値段とほとんど変わらずに糸魚川まで着くことができた。
糸魚川からは大糸線。途中から雪景色に変わった。大糸線は全国でも指折りの絶景路線となっていて、安曇野の山々や断層由来の湖などが多く見られる。雪景色とも完璧にマッチしていた。
信濃大町に到着し、駅にあるそば屋で8割そばを注文。(麺が蕎麦粉8割、小麦粉2割のこと)また、ありがたく学生は大盛りが無料。受験期に電車の中で勉強していた時にはよくお世話になった店だ。
バスに乗りアルペンルートに入る。途中の室堂まで行って往復する予定だ。扇沢駅に到着し、バスを乗り換える。ここから先は環境保護の観点から電気バス専用道路となっている。
トンネルを抜け、黒部ダムに到着。ただ雪が降っていて見通しが悪かったためコンディションはかなり悪かった。ちなみにアルペンルート自体も翌日から来年の春まで閉鎖される予定だ。このような黒部ダムだが、工事中の苦労は想像を絶するもので、どんな寒さでも工事が進められていたとのこと。また、「黒部にケガはない」と言われ、それはミスをしたら即死ということを意味していた。このような苦労があってこそ、黒部ダムが完成し、日本の高度経済成長に多大な貢献をした。自分の今の生活は当たり前ではなく、このような人たちの苦労の上で初めて成り立っているんだなと実感した。
ケーブルカー、ロープウェイを乗り継ぎトロリーバスに乗る。あいにくの天気だったのが少し残念。トロリーバスとは、普通のバスとは違い、架線から電気を取り入れて走るため法律上は無軌条鉄道と分類されている。簡単に説明すると、いつも乗っている電車の車輪がタイヤになり、道路の上を走っていることと同じだ。乗ってみるとやっぱり電車の音がする。
また、揺れが少なくエンジンの匂いもしないため、普通のバスよりも断然快適だ。室堂駅に到着し、そのまま同じ道を折り返した。その後は大糸線で松本まで行き、近くの快活クラブで1泊。
4日目
「木曽路の宿場町と伝統工芸に触れる中山道の旅」
松本-木曽平沢・奈良井-木曽福島-名古屋-京都
中山道、木曽路経由で帰宅。
まず向かったのは木曽平沢駅。奈良井に隠れがちな場所であるがこちらも宿場町の雰囲気を色濃く残し、有名な漆器産業が今でも続いている。
ある漆器屋で店主の方と話をし、漆器について伺ったり、地域の現状についていろいろ話をした。特に話の内容で印象に残っていることは建物を古風にすると市から補助金が出るとのこと。確かに地域振興のためには良い取り組みだと思った。しかし、ご当地アイドルなど失敗に終わった政策も多いらしく、資源がないものより漆器などの地元にある資源を活かした政策をしてほしいと苦言を呈していた。また、漆器の作成は塗ることより乾燥させることの方が重要らしく、漆器屋は主に乾燥をメインとしてやっているらしい。焼き作業メインの陶芸とは全然違うなと思った。そしてどの話もとても興味深い内容であった。その後は地域の図書館に寄り、興味のまま「伝統工芸品を調べよう」という本を読む。
陶磁器や漆器の産地を見ると、陶磁器は中国から伝わったため日本海沿岸から西日本にかけて多いことや、漆器は漆の元が樹液を使用し、乾燥させることが重要なため、木材が豊富で内陸部に位置していることなど、その地域の地理的条件がかなり関係しているということが知れて面白かった。そして最後にお箸を購入。
その後は奈良井宿まで歩き、江戸時代の雰囲気をそのまま残した中山道の宿場の雰囲気を楽しむ。
昼食では鍋焼きうどんを900円でいただいた。安すぎる。
奈良井を離れ、中央線でしなの号に乗る。しなの号はカーブでもお構いなく高速運転。その後名古屋経由で東海道線経由で京都へ戻る。鉄道と地域文化どちらも満喫できた旅だった。