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京都から東京まで自転車旅をしたら、便利すぎる現代に気づいた話
1. 旅のきっかけと東海道への思い
私たちは、本当に便利になった時代に生きていると思う。舗装された道路、張り巡らされた鉄道網。これらは現代の生活に不可欠だが、かつては存在しなかった。江戸時代、東海道を行き来した人々は、未舗装の道を歩き、川を渡し舟で越えていた。その苦労を追体験し、また、先人たちが通った「東海道」の魅力を知るために私は京都から東京まで自転車で挑むことを決意した。
2. 各日ごとの記録
1日目 京都ー桑名
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東海道の終点、三条大橋からスタート。まず目指すは名古屋。
近代建築が残る京都市を過ぎ、百人一首で有名な逢坂の関を超え、滋賀・大津へ差し掛かる。
ここで道を間違えてしまうなどのハプニングなどもあったが大津、草津、守山と順調に琵琶湖沿いに道を進める。
草津で名物のうばがもちをいただく。甘いあんが身にしみる。
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ただ、鈴鹿峠を前にして疲労が溜まり動きが鈍くなったためマクドナルドで休憩。
思ったより休憩時間が長くなってしまった。日がだいぶ傾いている。
なんとか鈴鹿峠越えきり、江戸時代の街並みが残る関宿を通過し、ふもとの亀山に到着。時間は既に19時を過ぎている。
順調に漕ぎ進めたが、途中で雨が降ってきたため2時間ほど足止めをくらった。
そのため、名古屋までは辿り着けず、30キロ手前の桑名と四日市の間の快活で1泊することにする。
京都から126km東京まで355km
2日目 桑名ー浜松
7時前に出発。快晴。天気予報からは東京に着く頃までは雨に降られることはなさそうなので安心。目的地は浜松。
木曽川、長良川、揖斐川と木曽三川を一気に渡り切り、通勤通学時間帯の名古屋に入る。熱田神宮で休憩。烏骨鶏を探したがカラスしかいない。
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鳴海、知立、岡崎と名古屋近郊の住宅地を通過し、東海道線と違うルートを走ることになる。ところどころ江戸時代の美しい松並木が残っている。
藤川、本宿付近は道も狭くなり、街もだいぶ廃れていて、宿場町として栄えた名残はほとんどない。
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豊橋で休憩していたら日が暮れた。
浜松まで再び向かい始めるが、日中の温度差から汗で身体が冷えている。コンビニで着替えを購入。応急処置はできたが、だいぶ体力が削られる。今日の走行距離は約150km。午前0時半になんとか浜松の快活に到着し、すぐに眠りにつく。
京都から270km東京まで211km
3日目 浜松ー静岡
寝坊してしまった。時刻は午前11時半。少し身体のフラつきを感じるが、ブランチを食べてすぐ出発。今日の目的地は静岡。
ここまではおおむね国道1号経由で進んできたが静岡は車専用の区間が多いため海沿いへ迂回。
日照りがだいぶきつく、日差しが当たる度に右脚に拷問のような痛みが走る。
幸いにも線形は良く、交通量も少ないため、休憩をとりつつ、遅れを挽回することに成功。
静岡は川が多い。昔は橋を掛ける技術が乏しく、川は渡し舟で渡っていたそう。
東静岡にさわやかがあったため、そこを目指して体力を振り絞る。
しかし、残り10キロに差し掛かった所で最短距離のトンネルが通行止めだった。
ここでさわやかに行けないことが確定。迂回路は宇津ノ谷峠という国道1号の激坂区間となる。
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目の前を高速で通過する新幹線が羨ましい。
10キロ余分に走ったこともあり、静岡に到着した頃には疲労が限界突破。浜松到着時にはただただ疲れていただけだが、今日はコロナとインフルで寝込んでいる時と同じくらいのつらさを感じる。
京都から363km東京まで118km
4日目 静岡ー御殿場
ここでリタイアしようかとか色々考えたがここまできたからにはど行かなければという思いで先に進むことにする。
しばらくすると薩埵峠に差し掛かる。東海道で1番の絶景スポットだと思う。東海道関連の書籍もこの薩埵峠からの相模湾の景色が表紙になっていることが多い。
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このあたりにはみかんなどの柑橘系を育てている畑が多い。日照時間、降水量ともに豊富な相模湾沿岸ではすくすくと育ちそうだ。
自分もみかんやりんごなどのフルーツ類を食べつつ少しずつ東へ移動する。体調も少しばかりか良くなってきた気がした。
沼津で国道1号とお別れ。ここからは246号で御殿場まで向かう。
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しかし、僕のリサーチ不足があり、246号の車専用区間に誤進入してしまい、警察に注意を受ける。
この後も246号には自転車進入禁止区間が多数あったため、ここで制止を受けて本当に良かったと思う。
その後も電池切れなどのハプニングがあったものの22時ごろに御殿場に到着。
京都から423km東京まで57km
5日目
御殿場からはひたすら下って東京を目指すのみ。
登校中の小学生が挨拶してくれて嬉しかった。
小田急線が見えてきた。あとそろそろだという実感が湧く。
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京都から来たんだと思うと違和感がすごい。
見慣れた街並みだが、初めて来た街のような感覚がする。
17時ごろ、東京に到着。東海道の魅力を感じる旅にしようと思ったが途中からそれどころではないほどしんどくなった。
先人は舗装されていない道路や常に渡れるか分からない渡し舟を利用していたと思うと恐ろしい。
僕は本当に便利な時代に生きている人間なのだなと実感した。
京都から481km東京まで0km
3. 東京到着と学んだこと
当初は東海道の魅力を存分に感じる旅にしようと思っていましたが、想像以上に過酷なものとなりました。江戸時代の人々は舗装されていない道や渡し舟などを利用し、想像を絶する苦労をしたのだと、身をもって実感しました。
4. 便利な時代への感謝
今回の旅を通じて、私たちが本当に便利な時代に生きていることを痛感した。夜行バスや普通列車で京都へ戻るたび、その快適さに驚く。ただ座っているだけで7~8時間で京都に到着する。これは昔の人々にとっては「革命」的な出来事であるだ。
そんな便利な生活を当たり前のように享受できるのは、先人たちの努力があったからこそだと思った。この恩恵を受けられることの素晴らしさに深く感謝したいと思う。