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心電図検定4級を受検した話
2024年、初めて心電図検定を受けたので、その備忘録。これから受けようと思っている人にも参考になると有難い。
1.心電図検定を受けた理由
医療者でありながら、心電図に苦手意識があった。
いくつか主要な波形を知ってはいるものの、それ以外は機械の判定任せ(しかし、ノイズが入った場合等に精度は落ちるため、人間の目で見る必要がある)。最終的には医師や検査技師さんに色々教えてもらっていた。
このままじゃいかんな、と思いながら時々参考書を買って、少し読んでは忘却の彼方…。
参考書では、典型的な波形を知ることはできる。しかし、臨床現場ではそんな教科書通りの波形ばかりではない。いくつか混在している場合もあるし、ひとつひとつを読み解こうと思うと「…できない!時間かけて判読するなら、他の業務勧めなくては!」となるのである。個人情報なので持ち帰るわけにもいかないし。
という言い訳はここまでにしておこう…
このままじゃいかんな、という医療者としての実力不足及びコンプレックスを感じながら日々を過ごしていたのである。
そこで発見したのが、この心電図検定。自主学習では限界がある。こんな時は「検定合格」という目標があるほうが良い。
2.心電図検定とは
日本不整脈心電学会 左記の学会が立ち上げた検定。2015年からはじまった。
3.申し込み(2024年時点の情報)
8月初旬から申し込み開始。申し込み期間は約1カ月あるけど、満席になると申込終了。2週間で埋まった会場もあったので、申し込みはお早めに。
試験日は12月である。
4.勉強法
私は要領がよくないので、地道に勉強するしかない。
(1)有用な勉強法を探す
youtubeやブログで、おすすめの勉強法や本を調べる。
ここに時間をかけるとスタートが遅くなるし、そんなに差異はないので、方向性を決めたら次に進むのがおすすめ。
私が参考にしたのは、以下のブログ。
心電図検定の勉強法〜4級編〜
(2)参考書の購入
(以下のリンクは、2024年時点の最新版。改訂される場合があるので注意)
◎病気が見える 循環器
病気がみえる vol.2 循環器 第5版 | 医療情報科学研究所 |本 | 通販 | Amazon
◎心電図検定公式問題集&ガイド
改訂3版 心電図検定公式問題集&ガイド: 受検者必携! 2級/3級 | 日本不整脈心電学会 心電図検定委員会, 日本不整脈心電学会 心電図検定委員会 |本 | 通販 | Amazon
(3)問題の傾向を見る
心電図検定公式問題集をパラパラ見る。問題の形式と、よく出る波形などを確認する。15分くらい。ひとまずここで、自分の知識のなさに絶望する。
(4)心電図の基本を、自分なりにまとめる
ここで問題集はいったん閉じ、「病気が見える 循環器」を手に取る。
私は書いた方が覚えるので、ルーズリーフに心電図の基本(正常洞調律の波形、目盛り、秒数、電気信号の伝わり方等)をまとめる。数時間かけた。
まだ、異常所見については手を出さない。
(5)問題集を解きながら、そこで知ったことをまとめていく
公式問題集を解いていく。
分からない単語、特徴的な波形などに出会う(ここでまた絶望する)ので、それを前項のルーズリーフ同様に書き出しまとめていく。正解だけでなく、選択肢にある波形も確認する。
問題集に答えと解説はあるが、それだけでは十分でないので、「病気が見える 循環器」を見ながら。それでも分からなければネットで調べていく。
最初は時間が掛かるが、まとめが増えていくと、大抵見たことある波形ばかりになる。問題集の後半は少し書き足していく程度で済む。
(6)問題集を繰り返し解く
あとは、検定日まで問題集を繰り返し解いていく。人によっては、苦手なところに集中して解いてもいいかもしれない。
書くというより、読み込むといった感じ。わからない問題は、まとめたノートを見たり、それでも分からなければ「病気がみえる」で探したりネットを活用する。改めて気づいたことは追加で書き込む。
4.検定数日前〜当日の流れ
数日前に、受験票が送られてくる。顔写真の貼付が必要なので準備しておく。また、持参物品も書いてあるので用意を。
そして当日。
開場から説明開始まで少し時間があるので、受験番号で指定された席で待つ。試験官が、席に着いた人から受け付けをしていく。
若い人や学生さんが多い印象。入室でみんながワイワイやってるので、ノイズキャンセリングのイヤホンつけて、最後の復習をする。
部屋には時計がない。わざと外してる…?
5.試験の感想
一つ一つ丁寧に見ていくと、時間がギリギリ。都度、時間配分を考えながら解いていく。私はあまり見直しの時間は取れなかった。
問題は、2.3級用の問題集でも出てくる波形。個人的に苦手なブロック、洞結節以外の調律、で迷った。あと、いくつかの異常波形が入っていて、わかりにくいものも。
6.4級を受けた感想
期待していた通り、「検定合格」の目標がある方が、勉強に身が入った。具体的に、心電図検定のメリット・デメリットを挙げたいと思う。
(1)メリット
・知識向上、実力の確認ができる
・心電図に慣れ、目の付け所がわかる
・合格すれば自信になる
(2)デメリット
・波形はわかるが、その後の処置まではわからない(自己学習の範囲)
・選択問題なので、職場でまっさらな状態で判読できるか課題が残る
問題集に関して
・公式問題集の解説がわかりにくい
・2.3級用しかないため、4級のレベルがいまいち掴めない。(これくらい分からなくてもいいかな?と少し手を抜いてしまった)
長くなってしまいました。
4級は基本レベルなので、少しずつ級を上げて受けたい。
そして堂々と「心電図読めます!」と言えるようになりたい!
バッジが欲しい!
以上!