【劇場公開映画の作り方】HIPHOP映画「唾と蜜」ウラ話<その15:ヌード女優探しはハード③>
🔥🔥🔥映画「唾と蜜」制作秘話🔥🔥🔥
⚡️⚡️⚡️EPISODE15(ヌード女優探しはハード③)⚡️⚡️
💓サメの泳ぐラブホテルで私たちは・・・💓
前回は、せっかく決まりそうだったというか、決まったはずのヌード女優をこちらから断ったところまで書いた。
さて、結局撮影予定日まで1週間ちょいとなってようやく気づいたこと。「そうだ、プロに頼むしかない。」という至極単純なことだった。というか、一番最初に気づけよ。でも、気づいても「それどうやってオファーするの?」「怖くない!?」「ちゃんと契約書とか交わせるの??」とか不安になったが、その時ピーン!と思い出した。
僕はサラリーマンで、ある広告会社で働いているのだが、某後輩が、某アミューズメント企業のイベントで、某セクシー女優の握手会を開いていたことを思い出したのだ。
早速その後輩に聞く。
「あれ、どうやってブッキングした?」
「えっ、何のことですか??」
「あれやんけ、あの○○ちゃんいう子呼ぶんやろ?」
「ちょっと、マキさんこっち来てください」
応接室の端っこの方に連れて行かれた。
「あの、、、マキさん。何なんですか!?あの仕事、直の上司以外にはあんまり公にしてないんですよ。女性の後輩もいますし、僕。」
「あっ、そうやったんや!ゴメン!!たしかに俺もまわりの後輩に聞くまで自分がそういうイベントしてること自体全然知らんかったわ。で、直接やってんの?」
「いえ、○○○○というところ通してます。でも、○○○○でもこういう案件出来るのその人だけなんで、その人もあまり公にしてないんで。」
そこで僕はいまの状況を説明して、なんとか紹介して欲しいと頼み込んだ。
「分かりました。でも、マキさん個人でしょ?どうなるか分かりませんよ??で、めっちゃ高いですよ」
「エエから!!!もうないねんホンマ!!頼むわ!!」
「分かりました。」
とそこから2〜3日、気持ちばかり焦る僕だったが、ようやく後輩から返事が来た。○○○○から返事来ました。OKです!この日でしたよね?時間通りに一人で新大阪駅まで来ます。
アテンドは、ブッキング会社の○○○○から担当の方がひとりつきます。
「ありがとう〜〜〜!!!!!!!!!」
ただ、ギャラはマジで高かった。。。聞くと、本チャンのビデオに1本出演するのとほぼ同じ額とのこと。そうなのか、今は本チャンもこんな額なのか。。。と妙な感慨もあった。
あたりを付けていたロケ場所であるラブホテルを早速予約する!!!よっしゃ、ヤルぞー!!(変な意味ではなく)
新大阪にアイン君を僕の車で迎えに行く、そして雨の中待つこと30分、新大阪のロータリーにその子は来た。ごく普通のかわいらしい女の子。
「これ、つまらないものですが。。。」
とても礼儀正しく、東京駅で買ってきたのか菓子折まで持ってきてくれている。今まで出演者でもスタッフでもそんな子がいなかっただけに、「セクシー女優が菓子折。。。」と不思議な違和感を覚えた。なんしか、話もしやすくとても良い子だ。車の中は、アイン君も、○○○○からの担当者(男性)も、僕もなんかナチュラルハイなのか、よく喋る。ほんまどーでも良い話。特にアイン君のどーでも良い豆知識披露!未だに覚えてるけどどーでも良すぎるので割愛する。
そして、○○○○の担当者、喋っているうちに、2人とも「あれっ???」ってなる。実はその5年以上前に1度だけ会っている。その時は結局、仕事に着地しなかったのだが。
「お久しぶりです!あの時はほんまスミマセンでした!!」
「いえいえ〜、もう昔のことですやんか!!」
お互いまぁまぁ大変やったが、こんなところで再会するとは思ってもいなかった。
で、ラブホ。
ごっついエントランスの高級仕様のラブホ。しかも部屋でサメが泳いでいる。撮影で入るということは予約の時に電話で話した。が、いざ入るとき、入室料料×追加人数分と言われた。「おいおい、マジか。。。」
「いやあの、映画でして!ほかはスタッフで!決してみんなで変なことするワケではないんです!もちろん、映画のクレジットにもロケ地協力というカタチで入れさせて頂きますので、何卒正規料金内でいけるようにオーナー様に問い合わせて頂けないですか?」
「はい。。。分かりました。」
ラブホなので、そのやり取りもインターホン電話みたいなので顔もあわせない。
「あの、いまオーナーに確認したのですが、結構です」
「あっ!良いんですか?ありがとうございます!!」
「いえ、あの紹介とかして頂かなくて結構なので、追加料金を頂くカタチになりますね」
このホテルグループ、某テレビ局の某セクシー番組でロケにも使われていたので、わりとすんなり行けるんかなぁと甘く考えていた。スタッフ入れると、計7人。追加5名分。
マジかぁ。。。もう、巻きでいくしかない。24時を越えたらさらに高くなる。それまでに撮りきるしかない!
急いでリハをする。けど、もう時間ばかり気になる。
「じゃぁ、もう脱いじゃおっか?」
そんな昭和のエロ監督のようなセリフをつい、素で、なぜか関東弁で口にする僕。以外にもまわりは笑わず、真剣な顔つきになる。なんやねん!なんの顔やねん!!とか入れたくなるツッコミも我慢しながら、撮影をすすめる。
「あの、極力ね、あまりボディタッチしすぎないように演技は気をつけてもらうけど、演技が白熱してくると、多少そういうこともあるので、それは事前にご了承頂けますか?」
「あ、はい!本番もオッケーで〜す!」という彼女のジョークに、笑うことなくまた微妙に真剣な顔になるスタッフ。
おい!なに期待してんねん!!でも、「本当にオーケーなんですかぁ。。。」とか心の中でつぶやく僕。
なんしか、無事に撮影も完了し、テンションあがっていたので、みんなでラブホで記念撮影もして、慌てて24時までに、ガサ!ガサ!ガサ!とホテルを出た。
その後、アイン君と、彼女を新大阪駅近くのホテルまで送る。ホテル下のコンビ二で夜食を買ってあげる。アイン君はなんかジャンキーなものを、彼女はたしかサラダかなんかだったと思う。俺も腹減ったなぁ、と思いつつも、食べると眠くなるし、運転があるのでコーヒーにする。
「お疲れさまでした〜!」
「おやすみなさい〜!!」
と手を振る二人。
あれ、俺いま何してたんやっけ?ひとりでポツンとなるとふと我に返り、心細くなる。俺、なんで毎週こんなことしてるんやろか。。。まだ、撮影も折り返し地点ぐらいやけど、お金もどんどん通帳から減っていってるし。いや、みんなほんまにボランティアのような額で協力して頂いてるし、自分のために自分が好きで始めた俺がそんなこと考えてたらアカンやろ!と思いつつも、祭りのように騒がしい撮影からはなれて、ポツンと1人になる帰りの車はいつもそんな気分だった。
カーステから流れるラジオも、あまり耳には入ってこなかった。