「いつ恋」に感じる「切なさ」と「強さ」
5年前、中3のときににっしーが出るからと見ていた「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」が再放送されている。
この作品はめちゃくちゃ好きだ。中3の時に感じた作品の大きな質料感のようなものが今も心に残り続けているからだ。
僕は恋愛に関してはあまりおもしろいと思っていないので「いつ恋」の恋愛性に関してはよく分かっていないが、そこに表現されている人間性の深みに集中している。
主人公の音と練はとても優しい。優しすぎる。
「GIVE&TAKE〜与える人こそ成功する時代〜」で言う、自己犠牲をしてでも他者にギブしようとするボトムギバータイプだ。
それによって2人はそれぞれ職場にいるテイカーに搾取される。
ここに正しい行動をする人の「報われなさ」
「切なさ」を感じるのだ。
しかし、この2人には「強さ」がある。
そしてその「強さ」とは「硬い強さ」ではなく、「しなやかな強さ」なのだ。
これは佐藤優さんの「メンタルの強化書」に書かれていることで、本書では「どんな環境でもどんな力が働いても、柔らかく曲がり、しなやかにまた元に戻る、そんな心こそ目指すべき強さだと思います。」とある。
主人公の2人はまさにそれを体現しているのだ。
漫画の主人公のような「硬い強さ」ではなく、「しなやかな強さ」。しかもこれを2人の人物で表現する作品は見たことがない。
中3の僕にはこのように精細な言葉で感じては無かったが、感覚的にはそれを感じ取っていたからこそ今だに心に残っているのかもしれない。