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出川イングリッシュから学ぶ、LLMとのコミュニケーション術(初級編)
皆さん、お笑い芸人の出川哲朗さん、好きですか?
私は大好きです。
学生時代は表面的にリアクション芸に笑っているだけでしたが、
社会人になりコミュニケーション能力や英会話の重要性を痛感する中で、
出川さんが持つ卓越した能力について認識を改めています。
『世界の果てまでイッテQ!』の企画である「出川哲朗はじめてのおつかい」の中で見せる出川イングリッシュは、
文法はさておき、身振り手振りやユーモアたっぷりの表現で、国境を越えて人々を笑顔にしてしまいます。
あの不思議で魅力的な能力。実は、私たちがLLM(大規模言語モデル)を効率的に活用する上で、大いに参考になるんです。
完璧じゃなくても伝わればいい!
例えば、出川さんがロンドンの大英博物館を「イングランド・ヒストリー・ホール」と表現したシーン。教科書通りの英語ではBritish Museumですが、伝えたいことはしっかり伝わります。
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これって、LLMに質問する時にも同じことが言えるんです。
完璧なプロンプト(指示文、依頼文)なんて作れなくても、伝えたいイメージがあれば、LLMはちゃんと理解してくれます。
なぜか伝わる!出川イングリッシュ
ここでは出川イングリッシュの特徴を4つ紹介します。それぞれLLMの活用に応用が出来ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716910945278-OTu6ng3ZZQ.png?width=1200)
特徴① 日常的なワードで十分
出川イングリッシュ:
簡単で日常的な英単語しか使わず、かつ文法も正確とは言えません。それでも最終的に目的地に達することが出来ます。
LLMの活用:
プロンプトのフォーマットや具体例などは気にせず、簡単な会話を重ねることで意思疎通するというスタンスをオススメします。これは"フューショットプロンプト"という効果的な利用法の一つです。
特徴② とにかく話してみる
出川イングリッシュ:
「ハローハロー!」出川さんは、誰彼構わず、すぐに話しかけています。
LLMの活用:
とにかく挨拶でもなんでも、一歩でも歩き出すことが大切です。
使ってみて目的が達成できなかった場合でも、実践を通して得たフィードバックが"目的に対する理解"に繋がります。
特徴③ 会話以外のコミュニケーション
出川イングリッシュ:
ジェスチャーや表情など会話以外のコミュニケーションも素晴らしいです。
LLMの活用:
テキストだけでなく、画像、音声、動画など"マルチモーダル"で総合的にコミュニケーションを取ることが出来ます。
最近のモデルでは特に画像理解が進んでいるため、スクショを共有すると大体の状況を理解してくれます。
特徴④ コミュニケーションを楽しむ
出川イングリッシュ:
これは番組ロケだからかも知れないですが、会話相手を含め楽しい雰囲気でコミュニケーションが成立しています。目標の情報を得るまで心折れず挑戦を続ける要因になっているのではないでしょうか。
LLMの活用:
仕事の内容ばかりではなく、気軽な会話をしてみるのはいかがでしょうか。
愚痴を聞いてもらったり、自作小説を作ってみたり、打ち切り漫画の続きを考えてもらうなどが可能です。
重要なのは「AIによるAI開発が進み、さらに性能が上がった時代に"拒否感なく親しみを持てること"」だと思っています。
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おすすめのプロンプト術
ここからは具体的に、
出川イングリッシュから学べるコミュニケーション術について、
LLMとの対話に活かせる例をご紹介します。
①繰り返す
「oh sorry sorry ,slowly slowly 英語 one more come on」
出川さんは、一回で通じなくてもあきらめないで繰り返し、挙げ句の果てに自分の英語が通じないと、ネイティブに向かって「Can you speak English?」と聞いたりもします(笑)
LLMとの対話において、重要な箇所を繰り返すことは大切です。繰り返し利用された単語はより重要度が高いと判定され、求める答えに近づけることができます。
活用例
「丁寧に丁寧に、ステップバイステップでステップバイステップでやってみて」
②質問させる
「NY ,NY doll,big doll big doll Do you know?」
行きたい場所の単語を知らない出川さんの様に、そもそもやりたいことが明確になっていない人は多いのではないでしょうか。
そんな時、"自分がやりたい事について、LLMに質問させる"ことで、自分から情報を引き出すことが出来ます。
以下はソクラテスメソッドという手法で、LLMに対して使うと自分が何をやりたいのか明確になる質問をくれます。
活用例
「この内容についてソクラテスになって質問しみて」
③評価する
「センキュー!おー!素晴らしい!」
受け取った回答に対して評価することはLLMとの信頼関係を築く上で大切です。
評価を伝える事で、その後生成される会話の"方向性を決める効果"があるからです。
頑張ってくれた内容に対して意識的に褒め、希望と違った内容に対して意識的に否定することが大切です。
活用例
GPT 「XXXXXXXXXXXXX...」
User 「素晴らしい。とてもいい感じだね。〇〇な感じの案をちょうだい。」
GPT 「XXXXXXXXXXXXX...」 <--事前の内容と似た方向性の案になる
GPT 「XXXXXXXXXXXXX...」
User 「全然ダメ、イメージとかけ離れている。〇〇な感じの案をちょうだい。」
GPT 「XXXXXXXXXXXXX...」 <--別パターンの案になる
④聞く人を変える
出川イングリッシュでは通じないことがむしろ当たり前なことであり、出川さんは一切物怖じせず、人を見つけてはすぐに話しかけます。
プロンプトではないかも知れないですが、
LLMに対しても何度か依頼してダメだったら、
違うモデル(GPT、Gemini、Claudeなど)に切り替えてみると伝わることがあります。
それぞれ得意分野が異なる様で、
GPTは"長文の依頼に弱く"、"見出し作成など内容整理に強い"というイメージがあります。
まとめ
出川イングリッシュは、完璧な英語でなくても、相手に伝えようとする熱意とユーモアがあれば、言葉の壁を越えてコミュニケーションできることを教えてくれます。
これは、LLMとのコミュニケーションでも同じで、完璧なプロンプトや専門知識は必要ありません。
まずは気軽に質問を投げかけて、LLMとの対話を楽しんでみましょう。そうすることで、LLMはより頼れる存在になるはずです。
【参考文献】