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間奏

 装幀の佇まいが好き。シンプルさの中に力強さと仄かに漂う様な自信を感じて魅力的だと思った。作品ごとに紙の色を変えた表紙は並べて楽しみたい衝動にも駆られる。選んでいる色のトーンも好みだ。そんな好みが合う人はいったいどんな文章を書くのだろう。

「僕」が誰かと話をしている。その相手は「僕」を描写する文章だ。登場人物の一人として”ちゃんと”物語を進めたい「僕」と「僕」の思う様には語ってくれない文章との会話。とても不思議で、作品とは物語とは何かを考えさせられる。神の視点である作者にもちらりと触れていて面白い。作者にとっては楽しい言葉遊びの様な作品かもしれない。

はてしない物語で幼心の君が古老に会いに行ったシーンを思い出した。とても実験的で、尚且つちゃんと読了感があって好きな文章だった。

2019.05.06 文学フリマ東京 ブース:ト-11 ICU/河村 塔王さん                      『間奏』

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