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救われるべき人生

正直、子どもと一緒にいる時間は喜びを覚える。
小さく愛おしい生き物が日々成長していく姿を見届けられるというのは、人生において他に代え難い経験だと思う。

幸運にも子に恵まれた今だからこそそう思えるが、しかし、そうでない人生とは紙一重だ。

世の中の多くは運だ。
努力が報われるのも運、能力を他人に認められるのも運、社会にその才能が広まるのも運。
しかしその中でも子をその身体に宿し無事に産むことができるかどうかなど、到底人の力では及ばないもの。
長い人生において、これほど運に左右される、人の無力感を味わうことはないと思う。

子を持つことを強く望みすぎて呪われた日々があったので、今の日々を喜びと感じるには、未だに抵抗がある。
他の誰かでなく、過去の自分に問われている気がする。
誰かの願いが叶うころ、あの子が泣いてるよ。

短冊に書き留めるような、子どもじみた願い。子を願うすべての夫婦の元に、祝福が訪れますように。
今までも、これからもずっと、祈り続けるだろう。
子を願う呪い、失った悲しみ、この残酷な世の中において、救われるべき人生が救われることを。

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