2022年ライブベスト

  • AJICO(OTODAMA'22~音泉魂~) 2022/05/05

  • 小沢健二 So kakkoii 宇宙 Shows 2022/06/20

  • 国際芸術祭「あいち2022」スティーブ・ライヒ スペシャルコンサート 2022/07/30

  • BRIAN ENO AMBIENT KYOTO 2022/06/03~09/03

  • Squarepusher JAPAN TOUR 2022/10/26

  • 植松伸夫『Modulation - FINAL FANTASY Arrangement Album』ミニライブ 2022/11/09

  • Big Thief Japan Tour 2022 2022/11/15

  • Lily Chou-Chou 2010.12.15 Live“エーテル” 2022/12/08限定公開

  • Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022 2022/12/11

■AJICO(OTODAMA'22~音泉魂~) 2022/05/05

さすがレジェンド×レジェンド、バリバリの安定感。

いきなりジャジーなぺピンで始まって歓喜、その後も深緑のレーザーに包まれながら演奏するメンバーのカッコよさよ。
不満があるとしたら演奏時間の短さだったけど、野外の解放感もまたとない格別さを演出してくれるしイーブンか。
でもワンマンはよ

ところでこのフェスはAJICO以外すげえ楽しめず。。。

メンツがドンピシャだったはずなんだけどなあ。自分自身のこれまでの音楽の趣向の限界、見切りをつけられた良いタイミングだった。
このイベント自体コロナ明け一発目で皆楽しみ方とかノウハウを忘れてたのか、フェスの熱っぽさとかイマイチだったし向井はリハでキレるし


■小沢健二 So kakkoii 宇宙 Shows 2022/06/20

正直ナメてた。2年越しのツアーは過去に見たオザケンの中で一番

ライブのコンセプトは動と静。ミニオーケストラの如く20人ぐらい?のメンバーを従えて、曲の途中で止まったりテンポが変動したりする。
20人ぐらいの演奏が完全に同期するんだぜ?どんだけの金と時間があったら成し得るんだよそんなこと。
勿論コンセプトだけでなくていつもの服部隆之とのタッグのアレンジ、熱量も完璧。
2年待ってこれだけのクオリティのものを見せてくれるなら毎回延期してくれって感じだ

オザケンのライブはセトリも強いんだよな

新旧織り交ぜつつ、定番とレアものを入れ替えるので満足感を与えながらも
「次はアレ聴きたいな…」とまた次にも通いたくなる。
一回ので全部聴けたらもうそこで完結しちゃうからね、信者のマインドコントロールがお上手。
この日は美しさとドロップがなかった代わりにスケートパークをフルで聴けてめちゃめちゃ感動した

ここ1年ソウルとかファンクとかばかり聴いてたから

やっぱりオザケンのルーツってブラックミュージックなんだなってはじめて合点がいった日。
小山田はジザメリやスミス、ライヒの白人音楽の影響が根強く、2人のパッと見のイメージと白黒が逆だから面白い


■国際芸術祭「あいち2022」スティーブ・ライヒ スペシャルコンサート 2022/07/30

同期された完璧な音楽その2

テクノの元の一つはライヒのミニマルミュージックってことでいいんかな?
このソリッドな音の繰り返し一つ一つが、電子音楽から生まれたんじゃなくてその逆だということが信じられない。
現代の言葉で言えば人力テクノとして聴いても相当なのに、実際はこちらがオリジンだなんて。
テリーライリーがフジロックに出たように、彼らも出演したって相当ロックだぜ。圧倒される。
因みにライヒ本人は来日してなくて監修のみ。でも素晴らしかった!


■BRIAN ENO AMBIENT KYOTO 2022/06/03~09/03

ライブでなくインスタレーションだけど行けて良かった。
展示は4点ほどだったけど3時間ぐらい居て1時間ぐらいは寝てた。周りもまあまあ寝てた。
京都で、元信用金庫と言うミニマムな場所で…というコンセプトは分かったけど、やっぱり音と光はもっと広い空間で味わいたかったという気持ちもあり。
でも開いてくれたこと自体に感謝

Face to Faceという世界初公開の展示が良かった

20名程のパターンの人間の顔が毎秒ドット単位で変化していく作品。
変化の途中ではこの世界には存在しない人間の顔だったり、最終的にはジェンダーや年齢の壁を超えて全く違う人に変化したり、人間の個性とは何だろう?と考えさせてくれる

同じ路線ではあいち2022のパブロ・ダヴィラというアーティストも良かった。
反復と、2度と同じ時間は来ない一期一会の巡り合わせ


■Squarepusher JAPAN TOUR 2022/10/26

5年ぐらい前のショバリーダーワンの時はベースの早引きが鬼すぎて皆笑うしかなかったけど、今回は更に凄すぎて皆引いてた

なんかよく分からないけどベースラインと同時にドラムのパターンも引き倒して音を出してるのか?
それに映像も同期している??どゆこと???おっさんの5本の指から無数の音と光と映像が出てるんですけど????

我々は何を聴き、何を見て、何をさせられているのか

エレクトロやドラムンの範疇も超え、音楽もノイズ、映像もノイズ、しかし紛れもないダンスミュージックで訳も分からずにステップする
我々は何をさせられているのか、しているのか……これは自由意志なのか踊らされているのか、誰にも分からない…神の領域……オザケンもそうだが、金と時間があるやつに公演を延期させてはいけない……
やつらは持て余した時間をすべてライブのブラッシュアップに費やすから、神そのものに化身する

アレンジもぐちゃぐちゃでほとんど聴き取れないんだがたまーに原曲の香りがするものがあって、やっぱDark Steeringかっこよかった


■植松伸夫『Modulation - FINAL FANTASY Arrangement Album』ミニライブ 2022/11/09

ノビヨ、それは小学生時代のヒーロー!

このライブで悠久の風を聴いてから、すごく昔を懐かしむことが増えた。気がする。
私個人としては、ゲームは子ども・大人関わらず娯楽とは言え費やす時間に対して得る物が少ないと思っているし、ゲーム音楽も一端のジャンルとは扱われず無視しがち、無視されがちだけど、ゲームとゲーム音楽からしか摂取できない養分は少なからずあると思っているよ...!
今までいくつかリメイクやアレンジはあったけど悠久の風は今回が完成形では。すばらし
ファミコンミニにFF3が入ってた気がするのでやりたいんだけど、やっぱりゲームはね、時間がね、その時間で読書や映画や勉強ができると思うと……好きなジョブはナイトとネコミミ導師、学者に魔剣士!

双璧となるすぎやんの昨年の件があって心配してたけど、はじめて観た生ノビヨは意外にも(失礼)軽快で元気溌剌とされておりとても安心しました。
ヴィレヴァンのエプロンも似合ってた。元気が一番!


■Big Thief Japan Tour 2022 2022/11/15

入って早々シンプルすぎるステージのセットにえ!これで込み込み\8,000!!?と思ったんだよな。
でも終演したらえ!これだけ感動をもらって\8,000!!?!??!?!になってた

今年のアルバムがちょっと良かったので曲も彼女らのこともなんも知らんけど、こういう時にクアトロに投資しとかないと外タレに名古屋飛ばしされるし…と思ってナメた態度でライブ観てたらめちゃめちゃ感動してしまった(本年2度目)

音楽に国境も言語もないとちょっとだけ信じる気持ちになった

なんも知らんけど、歌詞もなんも分からんけど、「Not」の痛ましいような、切ないような、刺さるような、だけど包まれるようなボーカルと轟音ギターを前にして流れたあの涙の感情の正体をまだ知らない。ただそれがライブで起きたってことだけ。
今年読んだタルコフスキーの本に「芸術とは生きることと死ぬこととを想起させなければならない」みたいな一文があってそれな!と首折れるぐらい相づちを打ち続けたんだけど、きっとそういうことなんだろうと思う。知らんけど

名古屋のセトリペーパーでは本編ラスト曲に「-」が引いてあって、実際はSpud~だったんだけど、これってやっぱり本人達のその場のノリでキメてる…ってコト!?
今年はここまで再三同期する音楽に引きこまれてきて、最後はこの非同期で無計画なライブに打ちのめされるとはエモーショナルすぎて泣いちゃった
あとhappy with you?これも良すぎて泣いたので音源化はよ

でもじゃあこのバンドのファンになったかって言うと

そうでもない気がするし、フォークロックが格別に好きになった訳でもない。
(よく言われる現代のジョニ・ミッチェルという意見はそれは確かにそうなんだろうと思うけど)
この初期衝動が次のライブで自分の中で再現される保証もないし、次の来日で名古屋に来てくれたとしても行くとは限らない。
でもこの夜だけはなんだか格別に良かった、というただそれだけの気持ち

今年のライブで一番素敵だった、圧倒的に!


■Lily Chou-Chou 2010.12.15 Live“エーテル” 2022/12/08限定公開

まずさりゅが地雷系ファッションで出てきて笑ってしまった

00年代頭のリリイ、ゴスロリファッションって現代語だと地雷系になるんだね。。
でも慣れてくるとアイメイクバチバチでなんだか可愛いぞ。SD画質の低解像度で誤魔化されたからかもしれないけど

リリイ曲だけだと少ないからどうせさりゅの定番曲で穴埋めすんのやろ、と当時は思ってたしリリイ曲自体はいつでも聴けるから行かなかった記憶があるんだけど、アイアム・鏡・砂・夜の海そしてlandmarkとちゃんとリリイの血筋を引き継いだ曲だけで構成されていて感心してしまった。
特にアッパーなアレンジの鏡や、幻のMy Memoryなんてほぼ聴けるタイミングないから行ったら良かったな、と12年越しにしみじみと思ったり

2010年の年末、salyu×salyuの情報公開直前でSalyu自身もめちゃめちゃライブの本数消化してた印象がある。
だからこそ当時ならではの安定感、熟達ぶりが感じられたのは間違いなかった。
この頃の経験をすべて糧にして使いこなしている現在のSalyuが、過去よりも今が、一番カッコいいと思っていたけど、それは当時から同じだったんだな。音楽に対して貪欲で走り続けるさりゅは常にカッコいいぜ。オールタイム全盛期!

10年以上聴いているたった一人の存在がSalyuで心の底から良かったし本当に幸せ

年末になると毎回言ってるけど、自分がこうして聴く音楽が変わり続けているからずっと好きでい続けているのはSalyuだけで、それはやっぱりSalyu自身が変化を拒まない、音楽との柔軟な関わり合いを模索して進化し続けてるからなんだな、と思える配信映像だった。
自分もダセえ生き方はできないなって思うよ...!


■Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022 2022/12/11

泣くまい、と思い続けたけど最後のopusでダメだった

エンドロールが流れるのは反則でしょ。ライブやコンサートと言うより本当に一本の映画だったな。
アナログで音源リリースとかより映画館でリバイバル放送してほしい。

これほどまでに教授が笑ったりリラックスした表情でピアノを弾く姿なんて想像できていなくて

本当に「新境地」に到達した感がある

その中でもやっぱりAquaが一番好き

これが最後だなんて考えたくはない、考えたくはないけれど……

まだ言葉にすべき感情が定まらないな。でも教授のこれまでの音楽も、これからの音楽も、これまでもこれからもずっと好きだ。
それだけは変わりません

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