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247 米国経済データ

このところ、米国経済が強いデータが立て続けにでている。
景気の見通し、政策金利の見通しについて、市場はFRBに白旗状態だ。
CME FedWatch Tool - CME GroupのPROBABILITIESによれば、次の利下げはとうとう来年5月ということになった。

最近発表になった米国経済を見ていく。

(1)景気転換の先行指標として(私が)重視している住宅建設業者指数(全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数 )は6月に前月から5ポイント改善して55になった。
ISM指数とは月次ベースでの連動性は高くはないが、それでも、6月のISM指数が予想(47.2)外に高くなり、さらに米金利高、ドル高になる可能性には注意すべきだろう。

住宅建設業者指数 は、戸建建設業者に対するアンケート調査に基づく指数である。その構成は、①現在の一戸建販売状況、②今後6ヶ月間の一戸建販売見通し、③ 購買見込み客足状況。指数は、0~100の間の数値となり、50のときが、状況が良いとしている業者と悪いとしている業者の数が同じときとなる。全米住宅建設業者協会(NAHB)によって発表される。


(2)ここ数カ月の米国市場 株価と金利
予想外に米国景気がいいという背景。そのため、株価は上昇し、一方、景気悪化で早期利下げに追い込まれるという観測は後退し金利は上昇。米金利上昇で円安加速(他通貨は米同様にインフレ抑制のために利上げ継続)。

(3)GDP
GDP成長率については、解釈が難しいが、少なくとも利下げに追い込まれるような悪化はしていない。それは、70年代を参考にすれば、インフレが沈静化するのも難しいということだろう。但し、歴史は繰り返すが完全に繰り返すということは無い、今回の展開はどうなるか?

70年代は物価が沈静化する前に実質GDP成長率はマイナスになった。しかし、そのとき早期に金融緩和に転じたので、すぐにさらに酷いインフレを招いた。結局、80年に入ってインフレが沈静化する中でも金融引き締めの手綱(M1コントロール)を緩めず、ようやく完全にインフレは沈静化した。教訓は、インフレが沈静化してきても、完全に沈静化するのを見届けるまで金融の手綱を緩めないということ。

(4)PCE価格指数
FRBの目標は、PCE価格指数の前年同期比上昇率=2%dだ。最も重要な指標である。
5月のPCE価格指数の前年同期比上昇率は3.8%と低下したが、コア指数はほとんど変わらずの4.6%だった。詳細(エネルギーと住居費を除くサービス価格など)を見ればいい点もあるが、まだまだインフレは沈静化していない。


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