日本の8月国際収支 所得収支が過去最大
経常収支は季節性があるので、季節調整したデータを見ると、所得収支が良好なのだが、貿易赤字が大きく、経常収支は大きな赤字である。
参考のため、新聞などに掲載される季節調整していないグラフは次の通り。貿易赤字が過去最大、所得収支は過去最大である。直接投資からの収益が堅調である。しかし、グローバル景気軟化に従って、ここからは減少するだろう。一方、資源価格が下落しているので、数カ月のラグをおいて、貿易赤字額は縮小するだろう。結局、経常収支はどうなるのか?わずかな赤字が続きそうだが、耐えられないほどではないだろう。そのうち、ウクライナ紛争が終了して、以前のような状態にもどればhappyだが・・・
で、この経常赤字はどのようにファイナンスされているのか?国際収支を見る。
経常収支より資本収支の方がはるかにダイナミックだ。経常収支の赤字などほとんど問題にならない。国内投資家が保有海外証券を売っている。それで十分だ。
資金流出では、8月は海外投資家が日本の短期債を売っている(グラフのその他に含まれる)。前月(7月)短期債を増やした反動だろう。
キャリートレードが含まれるその他投資が殆どない。キャリートレードの積み増しがなかったか、キャリートレードを相殺するような取引があったのか?
単月を論議してもしようがないので、3カ月移動平均を見る。キャリートレードによる資金流出を国内投資家が保有海外証券を売却してカバーしている。
いずれにしろ、日本の国際収支を見ていると、行き詰まる感はない。
日本は政策に余裕がある。
岸田首相が分配政策を試す余裕はある。
国民が訳も分からないうちに社会保険料をじわじわ引き上げたり、国民の賃金は増えていないのに、国の税収だけが増えるような状態を続けて、日本経済はよくなるのだろうか?
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