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米国GDP FRBが見ているのは?

米GDP7~9月、2.6%増: 日本経済新聞
米7~9月GDP2.6%増、3四半期ぶりプラスに 消費は減速: 日本経済新聞

今、FRBの最大関心事はインフレ抑制である。そのために、需要抑制を目指している。
一般に取り上げられる前期比年率は景気の転換点を見るにはいいが、趨勢を見るには適当とは言えない。
結局、FRBは 実質国内最終需要の前年同期比を見ている。これがマイナスになることを、表向きは言わなくても、目指していることは間違いないだろう。

実質GDP前年同期比増加率は1.8%であったが、実質国内最終需要の前年同期比増加率は1.0%だった。これがマイナスになることが必要だと思っているだろう。
なお、国内最終需要とは、GDPから純輸出と在庫を除いたものであり、基調的な需要の強さを測る指標である。

前期比年率も見ると、実質国内最終需要は0.5%である。前期比がマイナスにならないと、前年同期比もマイナスにならないので、まずは前期比がマイナスになる必要がある。

以上から、一応、景気減速に向かってはいるが、まだまだ不十分だということだろう。GDPの三分の2を占める個人消費支出も前年同期比で2.0%の増加である。決して低いとは言えない。

それでも、FRBの利上げペース鈍化の観測が出ているのは、景気の先行指標ともある住宅投資が軟化してきたからであろう。

確かに0.75%の利上げが毎回行われることがないにしても、利上げは続くわけで、金利低下はないだろう。今の金利低下は投資家のポジション調整による一時のあやだろう。

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Kecofin
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