見出し画像

230 日本株はどこまで上がるか(2)

日本株価を語るとき、ファンダメンタルズを言う人がいるし、需給(外人買い)を言う人もいる。テクニカルからのアプローチもある。テクニカルは行動心理学の反映だと思うが、その行動はファンダメンタルズからきている。また、外人買いだが、彼らも理由なしに買うわけではない。ファンダメンタルズを評価して買っているのだ。

需給というと、外人が買っているだの、個人が売っているだのニュースのタイトルになる。しかし、需給は事後的には一致する。外人が買えば必ずそれを売った人がいるのだから。事後的とは、売買が成立した時の投資部門別売買状況である。
本当の需給は把握できない。潜在的な売りたい人、買いたい人、今は見ているだけでも、もう少し上げれば売りたいとか、調整すれば買いたいとか、本当に調整したら怖気づいて買いたい気持ちがなくなるとか、・・・・

事後的には需給は一致するが、注目すべき投資部門は海外投資家である。個人は、逆張りが多く、下がったら買う・上がったら売ると、主体的ではない。最も主体的に動くのが海外投資家である。なので、相場を作るのは彼らである。買うと決めたら、とにかく買ってくる。優柔不断ではない。

では、海外投資家の行動はどう決まるのだろう?これは、2023年5月12日付 206 海外投資家の日本株投資 で書いたとおりである。彼らの投資判断において、PERは重要である。これは、私がロンドンで現地の運用会社に在籍した時も感じたし、野村證券が開くグローバルな大規模セミナーにくる海外ファンドマネージャーと話したときも感じた。私がそのセミナーに参加する目的はセミナーの内容よりも、参加する海外投資家とディスカッションすることだった。

彼らは、PERがnorm(通常の水準)より低い時に、ファンダメンタルズが改善してPERがnormに回帰するときに買ってくる。normの水準に達したら、さらに買い上げるかは、再度熟考してからだ。epsが伸び続けていれば、PERは低下していくからだ。
今日の日本株の調整はPERがnormに達したからだと思う。ここからは、epsがさらにどの程度伸びていくかで決まる。 なお、PER=株価÷eps だが、eps は各運用会社の推計によるもので、外部からはわからない。

ところで、PER=株価÷eps なので、株価=PER×eps normのPERをαとすると、株価=α×eps になる。実際の株価がα×eps より低い時に買い始め、α×eps になれば、立ち止まって考える。
このことから、今の日本株相場を考える。

ここから先は

504字 / 3画像

技術的な理由で作成した過去の相場記事の倉庫です。購入はできますが、販売を目的としていません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?