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347 米国長期金利の予想

米国長期金利の予想が難しい。
金融政策のレジームチェンジがあったからだ。

80年代以降、ディスインフレが続いていたので、FRBは二つの金融政策目標(物価の安定と雇用の最大化)のうち、専ら雇用の持続的拡大だけを目標に、景気コントロールだけに注力していた。なので、政策金利やそれに先行する長期金利は景気指標(ISM指数、設備稼働率、失業率などなど)によって決まっていた。
ところが、今回は、物価の抑制のみが目標になっている。雇用はその市場を緩和させることによって賃上げを抑制し、物価を抑制するのが目的で、雇用の最大化は目標になっていない。(パウエル議長は、物価を抑制することによって将来の雇用拡大につながるとは言っているが)

つまり、これまでの多くの長期金利を説明するモデルが役に立たなくなっている。長期金利予想はお手上げだ。

では、市場はどう動いているのか?単純な考えで動いている。
それは、「長期債を満期まで保有するのと、その間、短期債をつないで保有するのと、結果として同じ収益になる」という考え方から長期金利を考えているということだ。

<参考まで>
「長期債を満期まで保有するのと、その間、短期債をつないで保有するのと、結果として同じ収益になる」という考え方から「長期利子率は、予想される将来の短期利子率の平均に等しくなる」ということが導かれる。この機会に説明しておく。
 
長期債を満期まで保有するのと、その間、短期債をつないで保有するのと、結果として同じ収益になるとして、長期利子率をR、予想される将来の短期利子率をSnとすると、 
(1+R)n=(1+S1)(1+S2)……(1+Sn)
 両辺の対数をとると、
 log(1+R)n=log((1+S1)(1+S2)……(1+Sn))
n×log(1+R)=log(1+S1)+log(1+S2)+……+log(1+Sn)
 log(1+X)≒Xなので、
 R=(S1+S2+S3+……+Sn)/n

さて、

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