興味津津 韓国のファイナンス
韓国の貿易収支が悪化している。詳細は知らないが、最大の輸出国である中国経済の減速などによる輸出減、エネルギー価格高騰による輸入増が要因だろう。前者の要因がすぐに収まるとは思えず、これからも貿易収支は苦戦するのではないだろうか?
貿易収支の悪化に伴い、季節調整済みの7月の経常収支は赤字になった。
経常赤字になると、赤字分は海外から資金調達の必要がある。国際収支を見ると、
・赤棒(経常収支)は今後、赤字(グラフで0以下)になる可能性が高い。上記したように、季節調整値では、ひと月だけだが7月に赤字になっている。
・最近の収入は、外貨準備の取り崩し、その他投資(海外からの借入など)、対内証券投資(海外投資家による韓国国債などの購入)であるが、外貨準備の取り崩しには限界があるだろう。海外投資家の韓国証券購入は細っている、なくなる可能性も十分ある。
・だとすると、赤字分は、海外銀行からの借入しかファイナンスの手段は残っていない。その他には、年金や投信、銀行などが保有の海外証券を売却するという手もないことはないが。
表題に「興味津津 韓国のファイナンス」と書いたが、こういう状態になると、どういうファイナンスするか興味がある。
というのも、日本も経常赤字になりつつあり、もし、それが状態になれば、どういうふうにファイナンスするか、興味があるからである。
日本政府の借金は多いが、経常黒字のうちは、国内でカバーできる。何の問題も生じない。なので、信用不安も起きず、金利も上がらない。ところが、経常赤字になると、国外から資金手当てする必要が出てくる。そうなると、どうなるのか?いくら考えてもわからない。
今、韓国がそういう状態になりつつある。そうなれば、どうなるのか?大いに興味がある。
なお、日本の経常収支の構造は韓国とは違う(次のグラフと2番目の韓国のグラフと比べてみてください)。日本は安定的な所得収入がある。日本企業の海外現法からの配当や、日本が持つ海外証券(主に米国債)からの利息収入がある。米国金利が上昇しているが、徐々に金利収入も増えていくだろう。
韓国の経常収支は貿易収支にほぼ完全に依存しているが、日本は比較的安定的な所得収入がある。個人の場合でもそうだが、定収入のある人は、節約で家計を切り盛りできるし、借金もしやすい。日本が窮地に追い込まれる可能性は低い。
だからといって、完全に安心できるわけではない。
そういう意味でも、韓国の動向に興味をひかれる。
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