316 米23年9月雇用統計 減速中の一時的強含み まだ減速は必要 (1/2)
米国の今の金融政策の目標はインフレ抑制。
今は雇用の最大化より優先する唯一の目標だが、できれば雇用の減少は避けたい。
多少の景気の悪化(実質GDP成長率がマイナス)は受け入れる気はある。
市場の注目は、
(1)インフレが抑制されるには、どこまで利上げされて、いつまで高原状態が続くか。これによって、長期金利が決まってくる。
(2)金利の上昇が企業業績の悪化を招かないか?減益にならなければ、株式市場は多少の調整があっても上昇トレンドは続く。
現状
現状のインフレは家賃の上昇とサービス価格の上昇によってもたらされている。家賃については、複雑な事情(内容は略)があることもあり時間がかかるが、徐々に上昇率は低下していくとFRBは考えている。
問題は、物価と賃金上昇のスパイラルだ。グラフに見るように、サービス(家賃を除く)価格の上昇率は過去と比べてまだ高い。賃金上昇率が高いからだ。
なので、賃金上昇率を抑制する必要がある。そのためには、現在タイトな雇用市場を緩和(悪化)させる必要がある。目標は①求人数の低下、②非農業部門雇用者増加数を月に15万人程度までに抑えること。それらの為には、消費需要を抑制して供給過剰状況を作ること。その(消費需要抑制)ためには、金融引き締め(利上げ)する。
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