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207 米 中小銀行の資金流出動向など

参照 201 締めは雇用統計   200 まとまりのない投資情報メモ

米国経済で、今注目されることの一つは、
・3月10日にシリコン・バレー銀行(SVB)が破たん。
・5月1日にFirst Republic Bank (FRC) が破たん。
・いくつかの地方銀行の株価の下落が激しい。
<参考>
・地方銀行のETF:KRE SPDR S&P Regional Banking ETF
KRX| KBW Nasdaq Regional Banking Index

以上などから、
(1)中小銀行に金融不安が起きていないか、つまり、
 (A)資金流出(預金引き出し)が加速していないか?
 (B)FRBからの借入に頼っていないか?
(2)銀行は融資態度を厳しくし始めているようだが、銀行の貸し出し状況はどうなっているか?
が注目されている。

(1)中小銀行に金融不安が起きていないか、つまり、
 (A)資金流出(預金引き出し)が加速していないか?
傾向的には大手行から資金流出が続いている。MMFなどへ資金が移動したということだろう。銀行の預金金利はゼロに近いが、MMFや短期国債の利回りは4%後半である。銀行預金から資金流出が起きるのはやむをえない。しかし、それは金融不安による資金逃避ではない。
しかし、中小行ではSVB破たん時に預金流出が起きたが、その後は安定している。

上図には破たんした銀行(SVBやFRCは入っていないようだ。)

 (B)FRBからの借入に頼っていないか?
FRBから金融機関への貸し付けはほぼ横ばい。資金繰りに困窮してFedに頼る銀行はないようだ。銀行に信用不安が起きている様子はない。


(2)銀行は融資態度を厳しくし始めているようだが、銀行の貸し出し状況はどうなっているか?
銀行の融資には、企業向け融資(C&Iローン、商工業向け融資)、不動産開発融資、住宅ローン、消費者向けローン(自動車ローン、クレジットカードローンなど)などがある。
中小銀行の企業向け融資(C&Iローン、商工業向け融資)残高はわずかだが引き締まり気味である。信用状況の逼迫とまでは言えない状態。多少、米経済の重しとなっているだろう。



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銀行は融資態度を厳しくし始めているようだが、中小銀行の企業向け融資残高はわずかに引き締まり気味程度。信用状況の逼迫とまでは言えない状態。多少、米経済の重しとなっているだろう。




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